シンパシーとエンパシー~同情と共感~
シンパシー(同情)とエンパシー(共感)は混同されるが故に議論を呼ぶテーマです。
しかし、それぞれの言葉は持つ意味が異なるだけでなく、その一方は他者と強い絆を結ぶための重要な要素だと考えられています。
今回はその違いを言葉の意味やルーツから概観したいと思います!
■言葉の意味から見る違い
まず、辞書的な意味を確認してみましょう。
オックスフォード現代英英辞典でそれぞれの単語を参照してみると以下のように示されています。
シンパシー:他者に対して気の毒だと感じること/他者の問題に対して理解を示し、気にかけていると示すこと
エンパシー:他者の感情や経験を理解する能力
これらの意味の違いから考えられる特徴的な違いは“視点”です。
例えば、「職場で叱責された同僚を見たとき」を想像してください。
シンパシーでこの状況を捉えると、あなたは他者に対して気の毒といった感情を抱くが、その相手がどのように感じているのかは理解していません。
一方、エンパシーの場合、あなたは他者と繋がろうとする姿勢を持ち、相手がどのように感じ考えているのか理解するように努めるでしょう。
このようにシンパシーは主観的なものであり、エンパシーは他者の視点から世界を覗こうとするものだと言えます。
このような違いから、シンパシーはあくまで自分自身の理解であるため他者の感情を含まないとされるが、エンパシーは他者が感じている感情の理解を含むとされます。
さらに、シンパシーは他者の表面的な理解に留まることが指摘されているが、エンパシーは他者を深く理解し、社会的な繋がりを強化すると考えられています。
■シンパシーとエンパシーによる行動の違い
シンパシーとエンパシーは共に行動に影響を与えるとされます。
シンパシーを感じている状況ではアドバイスなどを提供して「相手を何とかしてあげたい気持ち」が強くなります。その一方、エンパシーは状況を好転させることではなく、他者を理解し繋がることに努め、相手のウェルビーイングを気にかけることとされます。
エンパシーは問題解決ではなく、「あなたのことを気にかけている」「あなたのためにここにいる」と表現することであり、その結果、信頼関係が構築され、相手により良い変化が起こりやすくなると言われています。
■エンパシーのルーツ
このように他者との関係性に良い影響を与え、ポジティブな変化をも促すエンパシーの定義は分野や文脈によって様々あるとされるが、そのルーツは次のように表現されます。
“Walking a mile in another’s shoes.”
直訳:他者の靴を履いて1マイル歩くこと。
相手の経験をその人の視点に立って理解しようと努めること、「相手の立場になってみること」がエンパシーであると考えらえます。
加えて、エンパシーを示すことは無批判(ノンジャッジメンタルな態度)で相手を受け入れることとも言われ、その受け手は疎外感が解消されるだけでなく、たとえ短い時間であったとしても他者と繋がっている感覚が得られると共に自分に何らかの価値を感じられるとされます。
■最後に
今回はシンパシー(同情)とエンパシー(共感)という似て非なる2つの言葉の意味、それぞれの持つ機能からエンパシーのルーツを通して違いを概観しました。
特にエンパシーは教育、福祉、医療、ビジネスといった幅広い職業場面だけでなく、プライベートを含めた全ての人間関係をより良いものにしていくために重要な要素です。
言葉の意味を知った上で、適切に行動に起こせるようになることが多様な社会の中でお互いがひとりの人間として尊重し合うために重要な役割を担うと考えれます。
エンパシー、共感力を高めていきましょう!
