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shinshido
猫にこんばんは#アマノ文筆クラブ
アマノ文筆クラブに参加させていただきます。お題は、「猫にこんばんは」
夜の10時。
隣の部屋のベランダに、今日も猫が座っている。
こっちをじっと見ている。
「こんばんは」
一応、挨拶してみた。
猫は尻尾を一度だけパタン、と振った。
返事?
最初はそれだけの関係だった。
私が帰宅する → 猫がこちらを見ている → 私が「こんばんは」と言う。
3日続けば、それはもうルーティンである。
4日目、私は試しに「今日は寒いね」と言ってみた。
猫はあくびをした。
ん?猫は初めてあくびを見せてくれた。
5日目、猫がいなかった。
寂しい。
寂しい。
この寂しさは“猫ロス”というのだろうか。
1週間後、猫は戻ってきた。
今度は首輪をしている。
ネームプレートにはこう書かれていた。
「名前:サブロー」
サブロー。
なんて渋い。
以来、私はちゃんと名前を呼ぶことにした。
「サブロー、こんばんは」
すると隣のベランダの奥から
若い男性の声が返ってきて、
「こんばんは〜。あ、サブローのファンの人ですね?」
私は固まった。
まさか隣人がいたとは。
というか、猫のファン扱いされた。
以来、私は猫と、そしてちょっと変わった隣人と、夜ごと「こんばんは」を交わすようになった。
寂しい夜が、少しだけにぎやかになり、胸が少しだけ高鳴るようになった。
よろしくお願いします。
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