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髷はタイを知る。“毎ショ”
昔々、ある国に、とても頭のいい髷がいた。
いや、正確には、「髷を結うことで賢くなる」不思議な習慣があった。
町の人たちは、髷の形を見れば、相手がどれくらい世界を知っているかすぐにわかる。
そんな国に、一人の若者がいた。彼は一度も海を見たことがなかったけれど、
立派な髷を結い上げ、あたかもすべてを知っているかのような顔で生きていた。
ある日、旅の僧侶がやってきて言った。
「お前の髷は立派だが、タイ(鯛)を知っているか?」
若者は答えた。
「もちろん知っているさ。赤くて、皿の上に乗ってるものだろ?」
僧侶はにっこり笑って、こう言った。
「では、生きたタイを見たことは?」
若者は黙った。
すると僧侶は、若者を海へ連れて行った。
海の中で、元気に泳ぐ無数のタイたちを見て、若者は初めて本当の「知る」という意味を知った。
それ以来、この国ではこう言われるようになった。
「髷はタイを知る」
(見た目だけではなく、ほんとうに体験して初めて、人は知恵を持つのだ、という意味)
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