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5-8自給のために固定種の種を蒔こう~採種してまた翌年種から野菜を育てる

 農業をやりたくて田舎に住むという覚悟がある方ならともかく、田舎に住みたいから農業をやろうと思っている方はちょっと待ってください。中山間地で農業で暮らすのは並大抵ではありません。私は自然食品店を営んでいますが、「移住してきました。農業で暮らしていきます。」 といって移り住んでこられ、夢破れていった若者をどれだけ見てきたことか。

 先祖代々農業で暮らしてきた人たちでさえ離農していく今の時代に、田舎に住む=農業で生計を立てていくという方程式はなかなか難しいものがあります。

 幸せになるための地方移住でしたら、自給のための家庭菜園から始めてみてはいかがでしょうか。うまく育てれればうれしいですし、上手に作れなくてもそれはそれで楽しいものです。野菜作りはほとんどが年1~2回しかチャレンジの機会がないので、数年は試行錯誤の連続です

固定種と交配種

 種の袋を見るとF1とか一代交配種とか書いてあるのに気が付いていますか?これらの種は雑種交配と言って特徴の違う二つの親から作られた種で、F1種あるいは交配種とかハイブリッドとか言います。たとえば病気に強い大根品種と味の良い大根品種をかけあわせて作られた新しい品種の大根などが交配種です。

 生育がそろったり病気に強かったり形がよかったりするため、現在では種苗店やホームセンターなどで販売されている種の多くが交配種となっています。交配種は次の世代には先祖返りして、バラバラの性質の種になるため、毎年種を購入し続ける必要があります。また、種子によっては育成業者の権利が保有されていて種取り自体が種苗法という法律で禁止されているものも存在します。

 その一方で、それぞれの地方で細々と種取りを続けている伝統野菜や昔から栽培されてきた在来種などは固定種といって、毎年育てた野菜の種を採って翌年まけば同じ性質のものが育ちます。

 今スーパーなどで見かける小松菜は、青梗菜やターサイとの交配を繰り返していて軸が太く、お店の陳列棚でみても、いかにもシャキっとして立派です。でも本来小松菜は軸が細く束ねてもくたっと下を向いてしまうので市場では受けいれられません。そして固定種の本来の小松菜は手に入れずらくなっています。

生成AI君、なかなか南信州の伝統野菜をそれっぽくしてくれません(-_-;)

 美味しんぼというアニメでイボイボのキュウリが登場したのを知っていますか?四葉(スーヨー)胡瓜という昔から育てられてきた品種です。

 固定種は、発芽や生育がばらばらで、いかにもか細い感じの軸の小松菜やイボイボのとげだらけのキュウリだったりしますが、生命力と味では交配種に負けません。そして種子を採って翌年蒔いたり、お互いの種を仲間たちで交換し合ったり、自分で育てた苗を産直やお店で販売しても法律違反にはなりません。

命の循環は、種という小さな存在から始まります。行き過ぎた商業主義から来た道を帰るために、まずは固定種の家庭菜園から始めませんか?



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