【ルポ】吾買春す③(終)
というわけで私は店と取り決め、スケジュール、金額等を確認し、少女と会う約束をした。
某日某県某市、昼にビニコン前で待ち合わせをし、私は少女と会った。可憐、素朴、純朴。子どもの女が笑顔で私に挨拶をした。口調は丁寧、声善良。カラダは大人で、乳がりっぱ。
私たちはひろくてきれいな街の、人の少ない道をあるき、話しながら歩いた。
「遠路はるばるやってきたわけだが」と私は言った。「あのう、あなたのカラダを買いに来たのではない。あたしはねえ、情報がほしいのです。インフォメーションがね。とある事情があり、貴女の中身が知りたいのです」
私は少女を見た。少女は私を見た。微笑んでいたので、よかったと思った。ギョッとされるのではないかと危惧していたのである。
「はい」と少女は言った。かわいらしい顔、声、大人のようだが、どこか隙のある、やっぱり子どもの体である。
私たちは歩いて、見つけたカフェに入り、ランチとした。そこでいろいろな話をした。
「あたしはこれから聞くことを、すべて書く。そのまま。だから言いたくないことは言わないでもいいし、隠したいことをかくしてください」
と、私は言った。
少女は大体、私の目的を理解したようで、大体何でも話してくれ、隠したいところはイニシアルという風にかくした。
ランチを終え、私たちは公園に向かって歩いた。川沿いをあるき、空は晴れて梅雨の前のまだ涼しい風が吹いていた。私たちは橋を渡った。観光客向けの人力車の車力に声をかけられ、私たちは人力車に乗って公園から城に移動した。
城で、私たちは手をつないだ。私は、年頃の自分の娘と手をつなぐようにつなぎたかったが、どうも、そういうわけにはいかないようだった。別にそれはいい。
県立図書館前の、庭のベンチに座って、もっと個人的な話をした。むかしの話。父と娘にも、同じような昔はある。共通する時間はある。それはそうだろう、同時代に生きているのだから。
ここらへんで私が買った、春の時間は尽きた。ヤることはヤったので、もういいかと思ったが、風に吹かれて季節外れの、花が落ちたのでこれを拾い、少しだけ鼻を近づけて匂いをかいだ。白昼夢のようであった。
以上
と、思ったのだが、この顛末は、まったく思いもしないような結末をむかえてしまった。何だか寝覚めがわるい。申し訳がないし、どうしていいかわからない。
誰も悪くないのに。
この話はまた別の話になるので、いつかまた、書くと思う。
本稿おわり
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