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図書館について思ったこと

ヒオカさん「無料で、空調が整っていて、静かな唯一の居場所」

2026年2月中旬、『死にそうだけど生きてます』や『死ねない理由』『人生は生い立ちが8割』などの著書があるヒオカさんの講演を聴いた。

ヒオカさんは1995年生まれ。地方の貧困家庭で育った。子どもチャレンジ、進研ゼミ、塾、習い事、部活はNG。クリスマスや誕生日プレゼント、お年玉、お小遣いは無し。家はめっちゃ汚くて、勉強環境は無かったと言う。

そんなヒオカさんにとって、無料で、空調が整っていて、静かな公立図書館は、唯一の「居場所」だった。
様々な情報にアクセスできる図書館で、受験の情報誌を読みあさり、勉強に明け暮れたそうだ。
その結果、ヒオカさんは大学に進学し、現在はライターをしている。

プーブンラープさん「貧困から抜け出せるオアシス」

この話を聞いたとき、タイのスラム街出身の外交官、オラタイ・プーブンラープさんの話を思い出した。

プーブンラープさんは 薬物、ばくち、売春、病気などがまん延するバンコクの中心部に位置する最貧困地区スアンプルー・スラムで育った。
お父さんは酒におぼれ、日常的に暴力を振るい、お母さんと激しいけんかを繰り返す。
彼女は、学校、店や家事の手伝いの合間を縫って、シャンティ国際ボランティア会(SVA)が1985年に開設したスラムの図書館に通い、1万冊あった蔵書をほぼ全て読み、世界への視野を広げた。
その後、タイの超名門大学であるチュラロンコン大学を経て、外交官になった。
彼女は、つらい生活から一瞬でも離れられる図書館は、貧困という日常から抜け出せる「オアシス」であったという。

誰もが情報にアクセスできる

ヒオカさんは図書館を「唯一の居場所」と言い、プーブンラープさんは「オアシス」であると言う。

最近の日本の風潮は、貧困は努力しなかった結果、貧困から逃れたいなら努力すればいい、というような強者の論理がまかり通っている。
確かに努力による個人差は認めなければいけないかもしれない。
しかしその前提として民主主義では機会は均等に与えられなければならないだろう。

そもそも図書館に行けば勉強できる空間があるという情報に誰もがアクセスできているだろうか。
図書館は本を読むところで勉強するところではないという制限を設けていないだろうか。

貧困家庭の子どもだけではない、社会的弱者である障がい者、失業者、高齢者、移民、誰もが無料で情報にアクセスできる機会を与える空間として図書館が存在すべきではないだろうか。

トップ画像は、2024年7月に訪ねたフィンランドの首都ヘルシンキのヘルシンキ中央図書館「オオディ」。本を読む人、勉強する人だけでなく、スマホを見る人、くつろぐ人、語り合う人、階段で遊ぶ親子など、様々な市民の居場所となっている。3Dプリンタなどのクリエイティブの空間も提供されていて、知を起点とした公共空間だと思う。


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