2年分の2日間
驚きと、おどろきと、オドロキ!!
中3のムスコが
朝から学校に登校した。
自分で決めて
自分で行った。
並々ならぬ
決意だった。
前の週は、1週間寝込んだ彼。
苦しそうな姿に
どうしたものかと
見守るこちらも
苦しかった。
今週になって
夜中に
私のいる部屋を
彼が、トントンっと
ノック。
入って来ると
自分の思いを語り出した。
一通り聞いた後、
まずは
できることから
やってみようということに
なった。
彼には
「夢」ができたのだった。
だから
「学校に行く」ことが
目的ではなく、
夢を叶えるための
通過点として
チャレンジするということだった。
15才になった彼は
強くて
やさしくて
逞しくなっていた。
登校は昨日から。
雨の朝。
ゆったり朝食を食べ
送り出した。
6限出るのは、
中1の4月以来だった。
彼は
がんばった。
途中、授業がわからなすぎて
泣きそうになったそうだ。
彼は
泣かなかった。
困っていると
隣の席の子が
助けてくれたらしい。
担任の先生も
「大丈夫か?無理しないでいいからね。」と気遣ってくれた。
嬉しかったし
心強かったそうだ。
下校時間に
担任の先生が、私に電話をくださった。
「お母さんが、心配されていると思って。」と、様子を教えてくださった。
授業中に、
手を挙げたこと。
給食当番を、やったこと。
体育祭の練習に参加したこと。
めっちゃがんばっているじゃないか。
大丈夫なのか?
うれしいより
彼に会いたくて
休憩時間に
家を目指して歩いた。
まだ
小雨は降っていた。
坂をくだり
家の手前の信号機側で
見覚えのある制服姿を発見。
駆け出した。
彼も気づいて
走ってこちらに向かう。
信号機の近くで
傘と傘の私たちは
笑顔で抱擁。
ムスコの背は
私よりずいぶん大きくなっている。
でも、可愛らしさの残る笑顔だ。
必死でがんばったんだろうな。
親子のハグは、
傘がぶつかってちょうど良い。
ピッタリくっつけないから
信号待ちのドライバーから
なんだ?なんだ?と
不思議に思われることもなかったと思う。
目が合うとムスコは
「一日学校に出席できた!」と
ニコッと笑った。
嬉しいんだね。
良かったよ。
母も、ほっとしたよ。
そのあとは家までの5分ほど
今日あったことを
彼が話してくれた。
充分すぎる活躍。
そして
何度も泣きそうだったこと。
今頑張らないとと思って
手を挙げたこと。
あぁ
もう十分です。
母はそう思います。
翌日は
またしても、雨。
カッパを着て、自転車で登校。
色々不安もあるにはあるだろうけど、
乗り越えられそうだと感じさせる背中を見送った。
夕方、職場にいる私の携帯が鳴る。
下校後のムスコだった。
今日の彼のテーマは「ありがとう・すいません・お願いします」を伝えることだった。
彼は、週に一度、別室に登校していた。1時間自習し、給食を食べて下校する。
その給食を、教室から別室に運んでくれたクラスメイトたちがいた。
彼は、近くの席の子に、名前を教えてもらいながら、1人ずつ、「給食を届けてくれて、ありがとう。」と、お礼を言って回ったそうだ。
そして
4月に一度入部していた
陸上部の顧問に
「部活に出られなくなってしまって、
すいませんでした。」と
謝りに行ったそうだ。
そして
数学の先生に
「ワークがどうしても、終わらせられないので、来週出させてください。」と伝えに行ったそうだ。
偉すぎる。
本当に
本当に
私の子だろうか。
今日も
授業がわからなすぎて
絶望で泣きそうになった彼。それでも、自分で「大丈夫だよ。無理しないで。」と言ってくれた色々な人を思い出して、なんとか乗り切ったそうだ。
そして
国語の授業で学んだことが、
自分の心に響いたそうだ。
孔子の話らしい。
今の自分に、グッときたらしい。
(どんな内容か、明日、教科書を見せてもらおう。)
ムスコの表情に見えるもの。
緊張と不安と絶望とが
浮かんでは消え
また浮かぶ
曇り時々雨の顔。
それでいて
支えてくれる人への感謝と
挑戦している自分への期待と
これから
できるかもしれない
新しい経験に
ワクワクしている
気持ちの良い、青空みたいな15才の顔。
眩しい。
こんなムスコの姿を
見られる日が
来ようとは
思っていなかった。
どうなっても
どうであっても
大丈夫だよ。
そう思って
過ごしてきた2年間。
これから
また始まる
君の人生にも
私は
同じことを
思い続けるだろう。
ムスコは「ありがとう」星の人なので、
私は、「ありがとう」でいっぱいの人生に今後もなっていく気がしている。
2年分の2日間が終わった
金曜日の夜。
ぎゅうぎゅうに
詰め込まれた時間は
長かった。
これから先も
私とムスコにとって
苦しすぎて、
しあわせすぎる、
忘れられない2日間に
なるだろう。
