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Sakana AI──日本発ユニコーン、企業価値約4,000億円に至るまで

会社概要

生成AIの基盤モデル開発に取り組む日本のスタートアップ。「大量の計算資源に依存しない、持続可能なAI開発」を掲げる。2023年7月設立から わずか1年でユニコーン(評価額10億ドル以上)達成。2025年11月のシリーズB以降、企業価値は約4,000億円。

設立:2023年7月
本社:東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー22F
事業:生成AI研究・開発、基盤モデル開発、企業向けAIソリューション
投資家:Khosla Ventures、NVIDIA、三菱UFJフィナンシャル・グループ、NEC、富士通、Google、シティグループ、Geodesic Capital、Ora Global ほか

創業者


出典:https://ikken-hokkori-burogu.com/sakana-ai2/

David Ha(CEO)

  • 経歴:Google Brain 東京の研究者。元ゴールドマン・サックス日本法人(金利取引責任者)

  • 学位:トロント大学で工学科学の学位、東京大学で博士号取得

  • 出身:香港生まれ、幼少期にカナダに移住


出典:https://ikken-hokkori-burogu.com/sakana-ai2/

Llion Jones(CTO)

  • 経歴:Google、DeepMind の研究者

  • 実績:「Attention Is All You Need」の共同執筆者(Transformer の基礎理論)

  • 専門:自然言語処理、生成AI技術


出典:https://ikken-hokkori-burogu.com/sakana-ai2/

伊藤 錬(COO)

  • 経歴:外務省(15年間)→ メルカリ執行役員 → Stability AI COO →Sakana AI 共同創業

  • 学位:東京大学法学部卒、NYU ロースクール修了、スタンフォード大学東アジア研究所修了

  • 役割:戦略・事業開発、日本での提携構築

主要技術・プロダクト

1. Evolutionary Model Merge

異なるAIモデルを生物進化のアルゴリズムで組み合わせることで、小さなリソースで高性能なAIを生成。
従来の方法に比べて計算資源を大幅削減する手法。

開発モデル例

  • EvoLLM-JP(日本語対応LLM)

  • EvoVLM-JP(画像認識モデル)

2. AI Scientist

研究論文の完全自動生成システム。
研究アイデアの生成からコード実装、実験、論文執筆まで全てをAIが実行。

実績

  • 2025年5月:AtCoderと共同開発したベンチマークテストで、AIエージェントが競技プログラミングコンテスト(参加1000名)で21位に入賞

3. Sakana Fugu(最新モデル)

2026年6月に一般公開。単一の大規模モデルに見えるが、内部では複数の小さなAIが協調するマルチエージェント・オーケストレーション基盤。

4. 高速LoRA生成技術

企業固有の知識をAIに組み込むための「LoRA(Low-Rank Adaptation)」を、従来の数時間から1秒未満で生成。企業のカスタマイズAI実装時間を大幅短縮。

5. Sakana Marlin

長時間の推論タスクに対応した商用AI製品。
金融や防衛など、複雑な問題解決が必要な領域向け。

2026年の主な動き

2026年1月22日

  • Google との戦略的パートナーシップを発表

  • 分野:プロダクト品質向上、基幹産業への信頼性の高いAI実装

2026年2月

  • シティグループから戦略的投資を受実施

  • 金融領域に特化した高度な専門性を持つAIモデル開発能力が評価

2026年3月24日

  • 防衛装備庁の防衛イノベーション科学技術研究所と委託研究契約締結

  • 内容:陸・海・空のドローンから得られるデータを複数のAIで高速処理し、指揮統制システム(C2システム)を高度化する実証実験を開始

2026年6月22日

  • 最新モデル「Sakana Fugu」を一般公開

注目される理由

1. 「少ない計算資源で高性能」という新しいAI開発パラダイム

アメリカ・中国に比べて計算資源が限られた日本だからこそ、効率性を重視したAI開発が求められた。その制約が、むしろ次世代AIの方向性を先行示唆している。

2. シリコンバレーと日本が同じテーブル

Khosla Ventures、NVIDIA などのシリコンバレー投資家と、三菱UFJ、NEC など日本の基幹企業が同時に出資。

3. 防衛・金融・製造業という「基幹産業」との連携

単なる民間テック企業ではなく、国家の競争力に直結する産業との実装が進展。防衛装備庁との委託研究契約は、AIが日本の戦略に組み込まれたことを意味する。

4. グローバル研究者が「東京」を選択

Google、DeepMind などの世界トップレベルの研究者たちが、シリコンバレーではなく東京に集結。東京がAI研究拠点としてのポジションを確立しつつあることの象徴。

ビジョン・方針

掲げるミッション 「世界最先端のAI技術を日本で社会実装する」

開発方針

  • 大規模計算資源への依存から脱却

  • 複数の小さなAIが協調するアーキテクチャの追求

  • 研究成果のオープンソース化・論文発表による世界への知見還元

  • 日本の基幹産業(防衛、金融、製造)への信頼性の高いAI実装

CEO David Ha の発言(2026年5月)
「日本では防衛や政府関連事業に積極的に取り組むスタートアップは多くありません。これは我々にとって大きなチャンスです」

COO 伊藤錬の発言(2024年4月)
「最初から世界を目指すなら、人材も資本も世界から集めるべき。シリコンバレーで小さく始めるより、日本で世界標準を目指す」

事業展開の現状

金融分野

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループとの戦略的パートナーシップ

  • 「AI融資エキスパート」など実用的なAIエージェントを開発

  • メガバンクのAI戦略支援を重視

防衛分野

  • 防衛装備庁との委託研究(2026年3月開始)

  • ドローンデータの高速処理・情報統合を実現

  • 指揮統制システム(C2システム)の高度化

製造業・基幹産業

  • NEC、富士通などの大手製造業との連携模索

  • 日本の産業競争力強化を長期戦略に位置付け

参考資料

  • Sakana AI 公式サイト & Series B 発表資料

  • Wikipedia: Sakana AI

  • NHK ビジネス特集「世界的な生成AI技術者が日本を選んだワケ」(2023年11月)

  • 日経クロステック「Sakana AI の COO 激白インタビュー」(2024年4月)

  • 防衛装備庁 プレスリリース「防衛イノベーション科学技術研究所と委託研究契約を締結」(2026年3月)

  • 月刊 金融ジャーナル「サカナAI CEO David Ha インタビュー」(2026年5月28日)

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