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【全文】衆議院 予算委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年3月12日)

2026年3月12日に衆議院予算委員会で開かれた令和8年度総予算に関する質疑における、チームみらい 幹事長・高山聡史の質問と、各答弁者からの回答を全文書き起こしたものです。

質問者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=高市早苗 内閣総理大臣、上野賢一郎 厚生労働大臣、黄川田仁志 こども政策担当大臣、松本尚 デジタル大臣、松本洋平 文部科学大臣


1. 現役世代の社会保険料負担と手取りの向上について

高山聡史
委員長、ありがとうございます。チームみらいの高山聡史です。本日は、この予算案の下で国民の暮らしがどう変わるのかという観点からご質問したいと思います。

まず、現役世代の社会保険料負担と手取りについてです。総理は今国会で、現役世代の社会保険料を引き下げるということは重要なんだと明言されておりました。今まさに労使交渉のシーズンでありますが、足下の状況としては多くの企業が賃上げに前向きである。これ自体前向きなことで、給料が上がって、社会保険料が下がって、手取りが増える、我々としてはまさにこれを実現したかったわけであります。

その上で、賃上げに続いて社会保険料を下げるというためには、理屈によると、社会保障給付費の増加を抑えるか、税負担を拡大するかです。税負担の在り方についてはまた別の場でお話しさせていただくとして、ここでは社会保障給付費に注目をさせてください。

社会保障給付費を抑えるには、大きく分けて二つのアプローチがあると思います。一つは、給付そのものを削って自己負担をより増やすという方向です。たとえば医療費でいえば、まさに今議論をしている高額療養費の自己負担の引き上げ、薬の自己負担の引き上げ、あるいは医療費の窓口負担の引き上げ。どれをやるんだ、どれをやらないんだという議論はあると思いますが、いずれにしても、負担感と痛みを伴うものです。

一方で、もう一つは、なるべく同じ効果をもたらす給付をいかにより低いコストで効率的に届けるかということです。医療DXによる、たとえば重複投薬や重複検査の解消、残薬問題の改善、そして予防医療へのシフト、これらは投資をしっかり行うことで効率的に給付を届ける、そういった方向性の施策であると考えます。

確かに、前者の、負担を求める議論というものも避けて通れないものだと思いますが、同時に、後者、効率的に届けるという観点も真剣に考えることが必要だと思います。まず届け方の効率を上げて、それでもなお足りない部分について、給付を減らしたり、負担の在り方を議論する、こういった順序が大切ではないかと思います。

総理に伺います。現役世代の手取りを構造的に増やしていくために、社会保障の給付と負担のバランスの在り方についてどのようにお考えか、考えをお聞かせください。

高市内閣総理大臣
現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことは重要であると認識しております。このためには、議員ご指摘のとおり、給付や自己負担の在り方の見直しや、DXなどを通じた効率的で質の高い医療の実現の両面に取り組んでいく必要があると考えております。

具体的には、OTC類似薬などの保険給付の見直しなどに取り組むとともに、電子カルテの普及ですとか、異なる医療機関同士での医療情報の共有などの取り組みを進めて、医療DXやデータヘルスなどを強力に推進していくこととしています。DXの取り組みを進めるため、今年の夏には厚生労働省の組織を見直しまして、新たにDX専属の局長級組織も立ち上げることとしております。こうした取り組みを進める中で、現役世代の保険料負担を抑えていきたいと考えております。

高山聡史
ありがとうございます。まさに、この国民に対して負担を求める議論が、いつからこれだけ上がるということを時間軸を持って検討するのであるならば、今おっしゃっていただいたようなDXの取り組みに関しても同じように、しっかりロードマップ、時間軸、そしてその結果として得られる効果を、いつまで、どの程度求めるのかというところもより具体化されていくべきではないかと思います。引き続き議論させていただければと思います。

2. 高額療養費制度の見直しと受診行動への影響について

高山聡史
続いて、高額療養費制度の見直しと受診行動についてお伺いをいたします。まず、先ほどもお話しさせていただいた給付と負担のバランスについてお伺いをさせてください。

今回の見直し案では、長期療養者に対しての配慮、特に多数回該当の上限の据え置きであるとか、新たに年間上限を設けるといった変更が検討されていて、これは大変重要な変更で、必要な配慮がなされたことに対して大変評価をしております。

しかし、月額の負担上限額というのは確実に上がるわけで、この負担が上がるということによってどういった行動変化が起きると考えるかということは非常に重要なテーマです。たとえば、初めてがんと診断された方が治療方針を選ぶときに、自己負担額がこの額になるんだとすると、もう少し負担額が軽い治療を選ぶということが起きないか、あるいは、今この金額を払うのは厳しいから、治療の開始自体を先延ばししようということが起きないか。こういった月額の負担感が治療の入口で患者の意思決定を、ある種ゆがめるというおそれがあるわけです。

一方で、この引き上げによって得られる保険料の軽減効果というものは、加入1人当たり月額120円に満たない程度というふうに先日答弁いただいております。こういった患者の負担が増えることで治療行動・受診行動に変化が起こる可能性がある一方で、月額の保険料負担というインパクトでいうと120円、こういった例もある中で、我々は給付と負担のバランスをどう考えて、どのようにバランスを取っていくんだと国民に説明するとよいかというところに関して、総理のお考えをお聞かせください。

上野厚生労働大臣
お答えいたします。今回の高額療養費制度の見直しにつきましては、高齢化あるいは高額な薬剤の普及などによりまして高額療養費が増加をしております。そうした中で、持続可能性の確保と、また長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化、これらを両立をすることが大切だと考えています。その結果として、保険料の軽減効果も生じるものだと考えております。

この二つの観点につきましては、超党派の議員連盟のご提言も踏まえながら、患者団体の方にもご参画をいただきました専門委員会において整理をさせていただいたものであります。委員ご案内のとおりでありますが、負担上限、低所得者の負担に配慮をしながら、1人当たり医療費の伸びに応じて負担上限を見直す、その一方で、多数回該当の金額の維持であったり年間上限の新設などに取り組んでいるところであります。

今、一般的に申し上げまして、医療費の削減、これを1千億あるいは2千億、そうした単位で、そうした規模でやらせていただいたとしても、加入者1.2億人、1人当たり、割り算をいたしますと数百円の効果、そうしたことになろうかと思います。それだけ保険料負担を軽減させるというのは非常に難しい面があるということであります。

逆に言えば、そうした一つ一つの積み重ねを確実にやることによって初めて保険料負担の軽減ができると考えておりますので、そうした観点も大切にしながら、医療制度全体の改革に取り組ませていただきたいと考えています。

高山聡史
ありがとうございます。1千億、2千億という金額が大きいというのは当然承知をしております。その上で、それをどの施策によって実現をしていくかという優先順位であったり、バランスの問題であると承知をしております。

今お答えいただきましたので、もう一点、上野大臣にお伺いをしたいと思います。実際、患者さんへの影響ということは配慮をされているというお答えをいただいたわけですが、実際問題、受診行動の変化自体は起こるんだと思うんですね。早期の発見であったりとか早期の治療は、もちろん治療にとって大事なことで、それによって予後も変わりますし、予後が変われば将来の医療費も変わっていくわけです。上野大臣、先日の答弁で、必要な受診の抑制は想定していないというお答えをされていたかなと思います。

他方、すでにいろいろご指摘もあるかと思いますが、結果的に受診行動の変化に基づく社会保障給付費の減少、1,070億円ということは今回見込まれているというわけになるかなと思います。大臣にあらためて伺います。

今回の高額療養費の自己負担額の引き上げで、まず、受診行動が変化するということは共通認識として持っていいのかということと、その上で、変化するのか変化しないのか、変化するけれども健康には問題がないというようなものなのか、どういうパターンがあるのか、ぜひお答えいただきたいなと思います。そして、正式な回答をされる前にさらなる実態の調査が必要であるということであれば、その点についても触れていただければと思います。

上野厚生労働大臣
まず、長期療養者あるいは低所得者の方に対しまして十分な配慮をしていることから、必要な受診が抑制されることは想定をしておりません。

今委員からお話のありました実効給付率が変化した場合に経験的に得られる医療費の増減効果、これを機械的に計算をしています。具体的には、実効給付率が0.28%低下をすると見込んでおりますので、その数字を実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果の算定式、これに機械的に代入をいたしますと、ご指摘のありましたとおり、給付費の変化につきましては約1,070億円の減となるものであります。

これはあくまで過去のデータに基づいて、これまでの予算編成上もこうした数式にのっとって予算を作成をしておりますので、そうしたことを今回もやらせていただきました。ただ、たとえば、窓口負担割合、これをたとえば1割から2割ということで大きく変化をさせる、多くの人に関わる、そうした場合には、実際に平均的な受診日数が減少するという、そうしたことも見られております。

ただ、前回、高額療養費につきまして見直しをいたしました平成29年と平成30年、これも同様に予算上はそうしたデータを用いて計算をしておりますが、実際には受診行動の抑制というのはデータ上は見られておりませんでございます。

したがいまして、私どもといたしましては、今回、こうしたことで見直しをさせていただきましたら、実際に受診行動にどういう影響があったかということにつきましてはよく注視をして、しかも、結果的な分析をさせていただきたいと考えています。

高山聡史
ありがとうございます。必要な分析をして、それをしっかり公表いただけるという答弁だと理解いたしましたので、その点はぜひお願いをしたいなと思います。

今いただいたとおり、前回変わったときにどうだったのかという振り返りを含めて、必要な受診が抑制されることはないとご認識をされているのであれば、国民の不安を払拭するためにも、それをしっかりご説明いただくのがよいのかなと思います。

実際に受診抑制はなかったであるとか、あるいは、それによって健康に影響があるわけではないのだということをぜひ丁寧に国民に対して周知をして、この件に関して理解を得るという努力が必要ではないかなと思います。

加えて、今後、この引き上げを行ったときに、今後の推移を見ていくということであると思いますが、前回の変更と今回の変更では、やはり内容も金額も仕組みも異なるものであると思いますので、その影響についてはより慎重に検証を行っていただくことを強く求めたいと思います。

3. こども未来戦略「加速化プラン」における所得制限の考え方について

高山聡史
続いて、こども・子育て政策について伺います。「こども未来戦略」では、すべてのこども、子育て世帯を切れ目なく支援することを基本理念に掲げているものと承知をしております。

令和6年度からは加速化プランということで3.6兆円の予算をつけて、その下で児童手当の所得制限撤廃ということも行われたわけです。高校生年代までの拡充と併せて、すべてのこどもの育ちを社会全体で育てるという大きな方針転換であったと理解をしております。

また、教育無償化の文脈においても、所得制限の在り方ということはこれまで丁寧に議論をされてこられ、基本的に所得制限の撤廃というのは広がる方向に進んできたものと理解をしております。

その上で総理にお伺いしたいのは、この政府のこども・子育て政策全体に貫かれている思想でございます。こども政策における所得制限について、政府としては、基本的に、外せるものは外していくという方針なのか、それとも、個別の施策ごとにもちろん検討するというものなのか、政府の基本的な姿勢について考え方を教えてください。

黄川田こども政策担当大臣
担当大臣の私からお話しさせていただきたいと思います。こども未来戦略においては、すべてのこども、子育て世帯を切れ目なく支援することを掲げております。

この理念に基づきまして、親の働き方やライフスタイル、こどもの年齢に応じて切れ目なく必要な支援が包括的に提供されることが重要であると考えております。その実現に向けて、加速化プランにおいて、幅広いこども・子育て支援施策の抜本的強化に総合的かつ着実に取り組んでおります。

そうした中、委員が問題意識を持っている各種の給付やサービスの対象範囲や所得制限については、必要な支援を切れ目なく包括的に提供するための手段として、政策ごとにその趣旨・目的・効果等の問題などを含めて、さまざまな論点について検討した上で決定しているというところでございます。

繰り返しますが、ご疑問に答えるとすれば、そのサービスごとにさまざまに決定して、全体的に切れ目なくこどもたちの子育て支援をしていく、そういう方針でございます。

高山聡史
ありがとうございます。全体的に切れ目なくということであるが、最終的には政策ごとの政策目的に照らして検討がなされる、という答弁であったと理解をいたしました。

その上で、あらためてご質問させていただきたいのが、障害児福祉における所得制限の、どういった政策目的の要素が、所得制限を残しておくにふさわしいという考え方になるのかというところを、ぜひお答えいただきたいと思います。

上野厚生労働大臣
お答えいたします。障害児に対する支援につきましては、現物給付である障害福祉サービスによる支援、それと、世帯の所得状況に応じて支給される特別児童扶養手当などの現金給付など、個別のニーズや状況に応じた支援策を講じてきております。

全額公費による現金給付である特別児童扶養手当等の所得制限につきましては、障害児の生活の安定に寄与するよう必要な範囲で支給するという制度の趣旨、あるいは20歳前に傷病を負った場合の障害基礎年金など他の所得制限を有する制度との均衡を踏まえたものであります。

近年、障害児に対する福祉サービスを充実することで、その給付額が大幅に拡大をしておりまして、過去12年で約10倍になっているところであります。また、特別児童扶養手当等の受給者数も、少子化の中ではありますが年々増加傾向にあり、総支給額、これは、支給額の増額改定を行っておりますので、過去10年間で約3割増しとなっているところであります。

こうした状況も踏まえまして、現時点で所得制限の見直しなどは考えておりませんけれども、やはり、障害児支援に係る政策を所管されているこども家庭庁ともしっかり連携をしながら、障害福祉サービスも含めた支援施策全般という観点で、その充実などに取り組ませていただきたいと考えています。

黄川田こども政策担当大臣
各手当の考え方なんですが、児童手当については、すべてのこどもの育ちを支える基礎的な経済支援として位置づけを明確化しております。令和6年10月より所得制限を撤廃しております。

児童扶養手当については、ひとり親家庭の稼得能力の低下に対する所得補償という位置づけをしております。ひとり家庭の生活状況や支援の必要度に応じて給付の重点化を図る観点から、所得制限を設定しております。

特別児童扶養手当についてでありますが、全額公費負担の制度でありまして、障害児の生活の安定に寄与するような必要な範囲で支給するという制度の趣旨や、20歳前に疾病を負った場合の障害基礎年金との均衡などを考慮して設けているものでございます。

高山聡史
ありがとうございます。上野大臣に伺いたいと思います。先日も、トータルの給付額というか、金額が10倍以上というようなお話をいただいたかなと思うんですが、各政策ごとにその政策効果が届いている方と届いていない方がいるわけで、所得制限においては、所得制限にひっかかるとその政策効果が届かない方がいらっしゃることになるわけです。

その届かない方に対して届いていない状態が、ほかの施策・政策などと照らしても、適切な状態であるかどうかというところ、ご所感をいただけないでしょうか。

上野厚生労働大臣
制度を実際に運用していただいている各自治体の皆さんからも十分情報を得て、しっかり判断をしていければと思います。

高山聡史
ありがとうございます。これは、各自治体から制度の対象になっていない方の声を聞くという意思であるというふうに認識をいたしました。ありがとうございます。ぜひ、一つ一つ議論をしていきたいと思います。

4. 申請主義によって生じる課題とプッシュ型行政の実現について

高山聡史
続いて、プッシュ型の行政の実現に向けて、申請が必要になる具体的なケースに触れつつ、お伺いをさせてください。

今、制度が届く・届かないというお話をさせていただきましたが、まさにプッシュ型の行政の実現というものは、「制度があるけれども届かない」ということをなるべく減らすためのものであります。つまり、制度が新設をされたり変わったときには、その制度が届くべき人にきちんと届くということを実現すべきであり、そこにもプッシュ型の仕組みということは生かされるというふうにチームみらいとしては考えております。

たとえば、今回議論になっている高額療養費の見直しで新たに設けられる年間上限についても、この申請主義の問題は生じ得ると思っております。

この年間上限の仕組み自体は、長期療養者の方への配慮という意味で大変重要な仕組みであると認識しております。しかし、これがたとえば、償還払いで、かつ、患者の申告に基づいて支払われるということであれば、申請の手間がかかるであるとか、あるいは申請をしっかりやりきれる方にしか届かないということにもなりかねません。

このプッシュ型の仕組み、たとえば医療費回りであれば、マイナンバーと保険の情報をひもづければ、年間の上限を超えたかどうかであるとか、あるいは多数回該当に当たるかどうかといったことは、行政の側で状況を把握できるはずです。

このように、申請してもらって初めて適用されるということではなくて、行政の側がどなたが今どういう状況になっていて、どれだけの給付であるとか支援を届ければいいかということが分かる、制度の中身そのものは変えなくても、より効果的に必要な方に届くということが重要であると思います。

そこで、総理に伺いたいと思います。このプッシュ型の仕組みというのは、まさに所管省庁とデジタル庁、複数の省庁にまたがる課題でございます。プッシュ型行政の実現に向けて、給付を伴う主要な政策のアップデートの際には、その変更の時間軸と歩調を合わせる形で支援がプッシュ型で届く仕組みを整備するように、そういった方針をぜひ打ち出していただけないでしょうか。お考えを伺いたいと思います。

松本デジタル大臣
お答え申し上げます。プッシュ型、申請主義にしていこうというのは、行政サービスを公正・公平・迅速に進めていく上では非常に重要なことだと思っております。

たとえば、今、給付付き税額控除の議論がこれから始まろうとしますが、その場合においても、給付をするときに公正・公平・迅速に、あるいは対象者をきちんと絞ってプッシュ型で給付をしていく、この準備を我々としても今進めていこうと思っております。給付付き税額控除の制度設計を横目でにらみながら、我々もシステムをそれに合わせてつくっていかなきゃいけません。今まさに、ほぼ毎日のようにその議論をしているところで、国民会議にもデジタル庁が最初からコミットするようにお願いをして、そうさせていただいているところです。

また、今委員おっしゃったように、いろいろな府省庁がまた違った場合で申請主義を、プッシュ型をしていきましょうということも、デジタル庁としては、それを横串に刺してシステムをつくっていくのが我々の仕事ですから、委員おっしゃったご懸念のところは我々のところでしっかりとグリップしながら、プッシュ型の仕組みをつくっていけるように努力したいと思います。ありがとうございます。

高山聡史
ありがとうございます。まさに、松本大臣にお答えいただいた、デジタル庁側が必要な議論にどんどん入っていくというのはすばらしい形であると思います。その際に、プッシュ型の実現をするためには、システム側の整備、データ連携の整備だけではなくて、制度そのものがプッシュ型で支払えるような法的な仕組みを持っておくということが重要であるとデジタル庁の方々からも聞いております。

ある意味、制度側がボトルネックになって、たとえば、勝手に支払えないであるとか、申請を要するということであるとか、そういった状況も多くあると伺っておりますので、ぜひ、デジタル庁側からも、制度側の不備といいますか、制度を担当する省庁側に変えてもらわないといけないことをぜひ指摘をいただいて、迅速にその変更がなされるように進めていただければと思います。

5. AI時代の国際競争と教育・人材投資について

最後に、人への投資について伺います。冒頭の質問では、現役世代の社会保険料負担を軽減して、手取りをどう増やすかということをお話しさせていただきました。手取りを構造的に増やしていくためには、結局のところ、一人ひとりの生産性が上がって、そして稼げるようになり、その稼ぎが働く人に還元される、このサイクルをつくるしかないということだと思います。そして、その中で重要な役割を果たすのが教育であり、人材育成であると考えます。

一方で、常々指摘があるとおり、日本の教育予算の対GDP比というものは、OECD加盟国の中でも低い水準のままである。そして、公教育におけるAIの活用についても、先進的なところとまだ手がついていないところ、これは自治体間・地域間でも格差があるものと認識をしております。

我々チームみらいは、教育というのはコストではなくて投資であると考えます。成長戦略として、製品であるとか技術にしっかりと投資を行うのであれば、人に対しても同じ覚悟で投資をしていくべきだと思います。国際競争の中で人材をどう育てていくのか、この全体像について、総理のビジョンをお伺いできますでしょうか。

松本文部科学大臣
お答えいたします。我が国におきましては、2040年にかけて、AI、ロボット分野をはじめといたしました理系人材やエッセンシャルワーカーの不足といった人材の需給ギャップが生じる可能性がある、このように指摘をされているところであります。こうした産業構造の変化というものを踏まえつつ、イノベーションを起こすことのできる人材の戦略的な育成に取り組むことが重要となっております。

現在、日本成長戦略会議人材育成分科会の取りまとめを私が担当しているところでありますが、このもとで、高校教育改革や高等教育改革、リスキリング、実践的な職業人材育成、科学技術人材育成など、高校から大学、大学院までを通した人材育成システム改革に向けた方策を検討しているところであります。

高校教育改革につきましては、先般、改革の方向性などを示したグランドデザインを公表いたしました。特に、アドバンストエッセンシャルワーカー等の育成支援、理数系人材育成支援、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保といった、先導的な学びの在り方を構築する高校改革のパイロットケースの創出に取り組むこととしております。

また、大学・高等専門学校における理工・デジタル系分野の人材育成の強化、人口減少下でも地域に不可欠となる人材を育成する方策を地域で協議・実行する仕組みの推進などの取り組みを通じた高等教育の構造改革や、産業界・大学の実情を踏まえたリスキリングプログラムの充実などについても検討を進めております。

高市内閣が目指す強い経済、未来への成長を実現をするためにも、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、スピード感を持って取り組んでまいります。

高山聡史
ありがとうございます。ぜひ、おっしゃっていただいた、人への投資といったところをやりきっていただきたいなと思います。

今日、5つ質問させていただきましたが、手取り、そして医療費・高額療養費、障害者福祉、行政サービスの届け方、そして人への投資。

すべてに共通してぜひご検討いただきたいのが、制度があるのに十分届いていないであるとか、ビジョンがあるのにその実現が道半ばであるということが、結果的に、国民は負担感だけ覚えて、その実感が伴わないという不幸な事態になってしまうおそれがあるということの懸念で、それぞれ質問させていただいたわけです。そういったギャップが、国民と政治との間にギャップを生んでしまうということになるのではないかなと大変懸念をしております。

来年度予算案においては、こういった懸念がしっかりと解消され、手取りを増やし、苦しい立場の方にも行政の支援が届き、そして未来を担う人材への投資がしっかりとなされる、そういった意志を持ったものであることをあらためてお願いさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。