【全文】衆議院 議院運営委員会 質疑・発言/幹事長・高山聡史(2026年7月10日)
本稿は、2026年7月10日に衆議院 議院運営委員会で行われた、皇室典範等の一部を改正する法律案に対する審議で、チームみらい 幹事長・高山聡史が行った質疑および発言を全文書き起こしたものです。
質問・発言者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=木原稔 内閣官房長官、緒方禎己 宮内庁次長
1. 本法案の立法目的
高山聡史
チームみらいの高山聡史です。
まず、本法案の基礎となる取りまとめに労を取られました森議長、石井副議長を始めとする衆参両院の正副議長のご尽力に御礼申し上げるとともに、関係者の皆さまのご努力に心から敬意を表します。
今回の皇室典範改正案は、令和3年の有識者会議の報告を受けて、まずは、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であると幅広く共有されてきた認識の下、具体的な方策として検討を積み重ねてきたものでございます。
チームみらいとしても、皇族数の確保という課題に対しては、皇室の歴史との整合性を保ちながら、現実に取り得る方策を着実に積み上げていくべきだという立場で議論に加わってまいりました。本日も、そうした立場から、法案の基本的な考え方について、順を追って確認をしてまいります。よろしくお願いいたします。
まず、本法案の立法目的について、木原官房長官に伺います。
平成29年6月、皇室典範特例法の附帯決議は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、先延ばしすることができない重要な課題であるとして、政府に検討を求めました。皇室のご活動を支えていただく皇族数の減少が年々進んできたこと、また、婚姻による皇籍離脱も生じ得るということは9年前から認識されてきたわけで、まさに喫緊の課題として取り組む必要がございます。
そこで、官房長官に伺います。皇族数の確保はもはや先送りすることができない喫緊の課題である、この政府の基本認識と、その認識の下で、本法案の立法目的をあらためてお示しいただけますでしょうか。
木原官房長官
皇族数が減少している現状を鑑みまして、天皇のご活動を支える皇族数の確保というのは、委員のご指摘のとおり喫緊の課題であると認識をしています。
この法案ですが、立法府の総意である衆参正副議長による議論の取りまとめ、これに沿って作成したものでございます。法案に盛り込まれた二つの方策によりまして、皇族数の確保という喫緊の課題に対応できるもの、そのように考えております。
高山聡史
ありがとうございます。あらためて本法案の目的は皇族数の確保であることを確認をさせていただきました。
2. 女性皇族のご意思確認の手続き
高山聡史
次に、女性皇族のご意思の確認の手続きについて宮内庁に伺います。
本法案の経過措置では、施行の際に皇族であられる女性皇族は、婚姻の際、その意思により、皇族の身分を離れることができるとされております。これは、新しい制度の下で最初にご婚姻を迎えられる方から直ちに現実的な対応を要するものでございます。
そこで、伺います。このご意思の確認は、いつ、どのような手続きで行うことを想定しているのでしょうか。お考えの確認というのは大変繊細な問題でございますから、ご本人の負担とならない運用をどのように考えておられるのか、ご見解を伺います。
緒方政府参考人
お答えいたします。この法律の施行の際における内親王、女王が天皇および皇族以外の男子と婚姻する場合において、皇族の身分を離れるか否かのご意思を確認するための手続きについて、今回の改正法案に特に定めはないものと承知しております。
宮内庁としては、婚姻までのしかるべき適切なタイミングにおいて、適切な方法により、そのご意思を確認することになるものと考えております。
高山聡史
ありがとうございます。ご本人のご意思が確実に固められる時点まで、皇室に残られる方向にも、そして離れられる方向にも等しく尊重される、そういった運用をご検討、そして確立いただくことを強く求めたいというふうに思います。
3. 女性皇族のご意思決定を取り巻く環境
高山聡史
関連しまして、女性皇族のご意思の決定を取り巻く環境について、引き続き宮内庁に伺います。
ただいま確認をいたしました経過措置は、ご婚姻の際のご意思の表明という極めて注目度の高い局面を新たに制度としてつくり出すものでもございます。今後、女性皇族のご交際やご婚姻が報じられるたびに、皇室に残られるのか、離れられるのか、そのご判断そのものに過熱した報道とSNS上の膨大な投稿が向けられるということは容易に想像がつくものでございます。誰しも過熱した報道やSNS上の誹謗中傷を受け止めることは容易ではなく、これへの対処はことさら丁寧に向き合っていくべき課題であると考えます。
もとより、報道の自由、表現の自由は最大限尊重されるべきであります。他方で、皇族の方々は、名誉毀損の訴えを提起するといった、一般の国民であれば取り得る私人としての手段を事実上取り難いお立場にもございます。だからこそ、制度の側で備えが問われるのではないかと考えるわけです。
皇室に残られる方向にも、そして離れられる方向にも、事実上の圧力がかかることのないよう、ご本人の自由な意思決定の環境をどのように守っていくのか、誹謗中傷への対応を含め、宮内庁の考えを伺います。
緒方政府参考人
お答えいたします。この法律の施行の際における内親王、女王が天皇および皇族以外の男子と婚姻する場合、附則第2条において、「その意思により、皇族の身分を離れることができる。」とされておりますところ、婚姻に際して皇族の身分を離れるか否かは、当該内親王、女王がさまざまな要素を考慮した上で、自由なご意思に基づいて判断されるべきものと考えます。
これまでにも、余りにも事実と異なる報道がなされたり、SNS上における偽情報の発信、拡散等があった場合には、必要に応じて、正確な事実関係を指摘したり、SNS事業者や関係省庁等と連携するなど、適切に対応してきたところであります。
内親王、女王の婚姻に際しては静かに見守っていただくことが重要であり、宮内庁としても、各方面にその旨働きかけていく必要があるものと考えております。
高山聡史
ありがとうございます。正確な情報を能動的に発信いただくこと、また、事実に反する情報に関しては迅速に対応をいただくこと、この二つが大変重要であると思います。平時から、お人柄の発信であったりとか、あるいは女性皇族の方々の情報の正確な発信、これを万全の体制を整えていただきますようあらためてお願い申し上げます。
4. 婚姻後の女性皇族のご家族の扱い—住民基本台帳法の適用と配偶者・お子さまの身分
高山聡史
続いて、婚姻後も皇室に残られる女性皇族のご家族の扱いについて官房長官に2点確認をいたします。
第一に、住民基本台帳法の適用についてです。
本法案では、天皇および皇族以外の男子と婚姻した女性皇族には住民基本台帳法が適用されることとされております。これは、婚姻後の女性皇族が一般国民である配偶者そしてお子さまとともに家庭を営まれるというご家族の生活の実態を踏まえ、行政上の事務が適切に行われるようにするための行政実務上の措置である。まず、このような理解でよいか、確認をさせてください。
また、第二に、配偶者およびお子さまの身分についてです。
配偶者およびお子さまを皇族としないという整理は、当会派が全体会議でも申し上げました、一般国民のままとすることを基本とすべきという考えとも方向を同じくするものでございます。その上で、確認をいたします。
本法案がこの点についてあえて新たな規定を置いていないということは、皇族の範囲を定める典範第5条、皇族の身分の取得を定める第6条、そして皇族以外の者が皇族となる場合を限定する第15条を始めとする現行法の解釈上、配偶者およびお子さまが皇族とならないことが明らかであり、その解釈を変更することなく、そのまま維持したものである。すなわち、この整理は、将来の皇位継承の在り方に関する議論について、いずれの方向にも予断を与えず、先取りしないという考え方に基づくものである、こういった理解でよろしいでしょうか。
木原官房長官
まず、前段の住民基本台帳の適用に関してでありますが、皇統譜に登録された皇族である内親王、女王と、戸籍に記載された皇族でない配偶者およびそのお子さまが一つの世帯で生活していく上においては、配偶者やそのお子さまが居住関係の公証等を受けられるようにすることが円滑に生活を送っていただく基礎となるんだろうというふうに思っております。
このため、今般の改正では、現時点で必要となる規定の整備として、婚姻した内親王、女王に住民基本台帳法を適用することとしたところでございます。
あと、後段のお尋ねですが、内親王、女王の配偶者、子に関しては、衆参正副議長による議論の取りまとめにおいて記載がございません。皇族の範囲を定める皇室典範の規定は、したがって、改正はしておりません。その結果、現行の皇室典範の規定に基づき、皇族とならないこととなります。
なお、これによりまして、立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛ったりするような趣旨のものではないと承知をしております。
高山聡史
ありがとうございます。女性皇族の配偶者およびお子さまの身分について、現行法の解釈をそのまま維持したものであるということを確認させていただきました。また、将来の皇位継承の在り方に関する議論について先取りしないということもあらためて確認をいただいたというふうに理解をしております。
住民票の扱いというところに関しては、先ほどの質問でもございました。たとえば、女性皇族の方であったりとか、あるいはそのご家族が、ご留学をされるであったりとか海外に居住されるといった際にでも、その取り扱いということはきちんと整理される必要があるものというふうに認識をしております。
そういったさまざまな生活上の必要にきちんと応えるような整備は政府にもお願いを申し上げたいというふうに思います。
5. 養子となられた方の子孫に係る規定の法的性格
高山聡史
次に、養子となられた方の子孫に係る規定について伺います。
本法案は、旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える制度を設けるに当たりまして、養子となった皇族男子ご本人は皇位継承資格を持たないこととする一方、その男子の子孫につきましては、皇位継承の順位を定める典範第2条の適用を、実方、すなわちご実家の系統によるものとする旨を規定しております。
立法府の総意と本改正案とがどのような関係にあるのか明らかにするためにも、この規定の法的な性格については正確に理解する必要があるものというふうに考えます。
そこで、官房長官に確認をいたします。本規定は、皇統に属する男系の男子が皇位を継承するという典範第1条および第2条の解釈から導き出し得る帰結を、解釈が揺れることのないよう、法文上明確化した確認的な規定である、すなわち、立法府の総意にない新たな政策判断を創設したものではなく、したがって、この規定をもって皇位継承の在り方に関する議論をいずれの方向にも予断するものではない、先取りするものでもない、こういった理解でよろしいでしょうか。官房長官のご答弁をいただきたいと思います。
木原官房長官
養子の子孫についてでありますが、議論の取りまとめに記述がないことから、現行の皇室典範に基づいて判断することとなります。養子の男子孫は生まれながらの皇族でございますので、現行の皇室典範第1条および第2条に基づいて皇位継承資格を有することとなります。
その上で、現時点における所要の規定整備として、養子の子孫の皇位継承順位について、皇室典範第38条第6項で、実方の系統によるとの解釈について規定をしているところです。
これは、たとえば、複数の方がおられた場合に順序に紛れが生じないようにするという趣旨であり、委員のご指摘のように、これは創設的な規定ではありません。これによりまして、皇位継承の在り方に関する立法府における将来の検討を先取りしたり、縛ったりするような趣旨でもございません。
高山聡史
ありがとうございます。この38条6項が創設的な規定でないということは大変重要なご答弁であるというふうに私も考えます。
現行典範の解釈を明確化をした確認的な規定であり、このことによって何か将来の皇位継承の在り方に関する議論を予断しない、いずれの方向にも、先取りして結論を得るものではないというふうに受け止めました。
6. 皇室に関する立法の合意形成の在り方
高山聡史
続いて、皇室に関する立法の合意形成の在り方について官房長官に伺います。
憲法第1条にありますとおり、天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基づくものでございます。
この趣旨から、皇室に関する立法は、平成29年の特例法の際も、すべての党派、会派が参加する枠組みでの議論を経て、幅広い合意の下で進められてまいりました。今回もまた、衆参の正副議長の下、全体会議の議論を経て、立法府としての総意が取りまとめられました。
他方で、その取りまとめ、そしてその後の法案化の過程に対しましては、ある意味での唐突感であったりとか、さまざまなご意見が示されているということも事実かと存じます。
そこで、本法案の成否にかかわらず、今後に向けて確認をさせてください。
皇位継承の在り方を含め、今後も、皇室典範の改正に関わる論点を扱う際には、政府として、立法府における合意形成の枠組みを尊重するとともに、検討材料の十分かつ能動的な提供、時間的な余裕の確保、そして、議論の過程が国民に開かれ、伝わりやすい形で進められるための環境の整備に責任を持って努めていく、こういった理解でよろしいでしょうか。
木原官房長官
皇族数の確保につきましては、令和4年に政府が国会に対し有識者会議報告について報告をさせていただいて以降、全国民の代表によって構成される国会において、衆参正副議長の下で、各党各会派においてさまざまな観点から検討、議論を行っていただきました。計10回の全体会議を経まして、衆参正副議長による議論の取りまとめがまとめられたものと承知をしております。
政府としましては、この取りまとめに書かれているとおり、法律案の骨子ができ上がった段階で衆参正副議長にご了承をいただいた上で、6月25日の全体会議で法律案の要綱をご説明をし、衆参正副議長により、取りまとめに沿ったものであるとのご判断をいただいたところでございます。
今回の改正案は衆参正副議長による議論の取りまとめに沿って立案しているものであることなどを踏まえ、今後見直しが行われるとすれば、政府としては、今回と同様に、立法府の意思を尊重し、対応してまいりたいと存じます。
高山聡史
ありがとうございます。政府としても、立法府の意思、これを尊重して進めていただけるということを確認させていただきました。
その際、本日も度々論点になっております養子の子孫に係る規定を始め、いくつかの論点の扱い、たとえば15歳という年齢の扱いのところもそうでございます、唐突さを覚えた国民もおられるかと思います。本日、それぞれ法的性格を確認をさせていただいておりますが、確認に関しても丁寧に行うということをぜひお願いしたいと思います。
また、過程に関しても、議事録の公開など、透明性への努力、これまでも払っていただいておると思いますが、それでも、国民に対して経緯より結論のほうが先行する形で届くということであっては、なかなか総意を育むということが難しくなってまいります。
開かれた議論の過程、それを丁寧に国民にも伝える、分かりやすく伝えていくということを、これは、政府としても、そして立法府としても取り組んでいく必要があるものであるというふうに考えます。
7. 皇位継承に関する今後の検討の在り方
高山聡史
そして、最後に、皇位継承に関する今後の検討の在り方について官房長官に伺います。
先ほど来、官房長官からは、住民基本台帳法の適用も養子の子孫に係る規定も、いずれも将来の皇位継承の在り方に関する議論を予断するものではない、検討の結論を先取りするものではないといった趣旨のご答弁をいただきました。本法案は、あくまで皇族数の確保策、これを旨として検討されてきたものでございまして、特例法の附帯決議が求めた安定的な皇位継承を確保するための諸課題への回答そのものではないものであると承知をしております。
そこで、2点確認をさせてください。
第一に、女性天皇の在り方を含む皇位継承の議論は、本改正の施行後も、何ら閉ざされることなく開かれている、こういった理解でよろしいでしょうか。
そして第二に、こちらも本日の質疑で複数質問が出ているところでございますが、附則の見直し規定です。
附則には、皇族数の確保の状況等を勘案し、必要があると認められるときは、30年ごとに見直しが行われるものとするとの規定が置かれております。30年ごとに見直しの機会が法文上確保されること、それ自体はこの規定の趣旨として受け止められます。
その上で確認をしたいのは、この規定の射程でございます。すなわち、この見直し規定は、30年を経なければ検討も措置もできないという趣旨ではなく、経過措置におけるご意思確認の運用の状況、養子縁組の成立の状況、皇族数の推移といった施行の状況は、30年を待つことなくとも、政府において継続的に把握をされ、検証されるべきものであり、その検証の中で、必要が生じた場合には、30年ごとの見直しの機会を待たずに所要の検討を行い、必要な措置を講ずることは、この規定によって何ら妨げられない、こういった理解でよろしいでしょうか。
木原官房長官
令和3年の政府の有識者会議の報告において、皇位継承については、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者としての悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承について具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させるとも考えられる、また、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、将来において悠仁親王殿下のご年齢やご結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきではないかとされております。
したがって、政府はこれを尊重しているところであります。
また、後段の見直しの期間についてですが、附則第6条第2項は、30年間は改正できないという趣旨ではなく、必要があれば30年ごとには見直すことという趣旨であると認識しています。
他方で、附則第6条第1項では、改正後の法律の規定については、施行の状況を踏まえて所要の検討が加えられ、必要があるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとしており、この検討条項に基づきどのように検討や見直しを行っていくかについては、政府としては、立法府の意思を尊重しながら対応してまいりたいと考えています。
高山聡史
ありがとうございます。
ご答弁にございました令和3年の有識者会議の報告、皇位継承の流れに関しても報告がございました。この点に関しましては、我が会派としても認識を共有しておるところでございます。
そしてまた、二つ目のところ、見直し規定に関しては、30年間見直しができないということではなく、継続的な検証と、必要に応じて所要の措置が行われるということを確認させていただけたというふうに認識いたしました。
本日、ここまで、本法案の基本的な考え方を順に確認をさせていただきました。本改正案の目的はあくまで皇族数の確保であるということ、そして、住民基本台帳法の適用はご家族の生活を踏まえた行政実務上の措置であるということ、また、養子の子孫に係る規定は現行典範の解釈を明確化した確認的な規定であるということ、そして、皇位継承の議論は、令和3年の有識者会議の報告、この内容も、そして、これまでの検討も踏まえながら、本法の施行後も何ら閉ざされることなく開かれているという認識、すなわち、今回の改正案は、将来の皇位継承の在り方に関する議論に、いずれの方向にも予断を持たない、検討の結論を先取りしないということを丁寧に踏まえた上で、政府においても法案としてまとめていただいたものと承知をいたしました。
政府におかれましては、本日のご答弁の趣旨を今後の運用と検討においても誠実に貫いていただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。
発言
高山聡史
チームみらいの高山聡史です。皇室典範等の一部を改正する法律案について、あらためて発言をいたします。
初めに、当会派の考え方について申し上げます。日本国憲法第1条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と定めております。国民の総意に基づく地位の在り方を論ずる本案件では、国民の代表たる議員一人一人の判断もまた、一律に縛る性質のものではない。そういった考え方から、全体会議での議論の経緯を党内であらかじめ共有した上で、本改正案の採決では党議拘束を設けず、所属議員それぞれの熟慮と判断に委ねることといたしました。これは、この案件の性質に対する当会派としての敬意の表し方として、現時点で最もふさわしい形だと考えます。
今回の議論の出発点は、皇族数の減少という現実でありました。平成29年の特例法附帯決議が先延ばしすることはできないとした課題に対し、9年の歳月を経て、立法府と政府が一つの案を示すに至った、この事実をまず重く受け止めております。
当会派は、衆参両院の正副議長のご高配の下、全体会議においても、皇族数の確保には、皇室の歴史と整合性を保ちながら、現実に取り得る方策を着実に積み上げて対応すべきこと、婚姻後の配偶者およびお子さまは一般国民のままとすることを基本とすべきこと、そして養子の制度化には慎重な制度設計が求められることを申し上げてまいりました。
本日の質疑では、この全体会議の取りまとめに基づく本改正案について、政府から重要な確認を得ることができました。本改正案の目的は、あくまで皇族数の確保であること。住民基本台帳法の適用は、ご家族の生活を踏まえた行政実務上の措置であること。養子の子孫に係る規定は、現行典範の解釈を明確化した確認的な規定であること。そして、皇位継承の議論は、本法の施行後も何ら閉ざされることなく開かれていること。すなわち、本改正案は、将来の皇位継承の在り方に関する議論にいずれの方向にも予断を持たないものであることを政府に明確にご答弁いただいたわけです。
9年前の特例法の審議で語られた、将来への過度な予見を抑制し、その時々の国民の総意を反映させていくという考え方に、本日の確認も連なるものと受け止めております。
同時に、率直に申し上げるべきこと2点ございます。
第一に、唐突さです。
養子の子孫に係る規定をはじめ、いくつかの論点の扱いに唐突さを覚えた国民は決して少なくありません。本日、その法的性格は確認的なものと整理されましたが、この確認をより丁寧に行うほうが望ましい運びであったと考えます。
第二に、過程の見えにくさです。
議事録の公開など、透明性への努力は払われておりましたが、それでもなお、国民の元には経緯よりも結論が先行する形で届きました。天皇の地位が国民の総意に基づくものである以上、その総意を育てるのは開かれた議論の過程そのものであります。今後の検討は、その過程がより分かりやすく国民に見え、伝わる形で進められなければなりません。
政府におかれましては、本日の答弁の趣旨を今後の運用と検討において誠実に貫いていただきたい。とりわけ、施行状況の継続的な検証と、附帯決議が付されました際のその内容への誠実な対応をあらためて求めるものであります。
今回の議論に加わり、皇室の制度が国民の理解と敬愛に支えられて続いていくものであることをあらためて実感いたしました。残された課題への議論もまた、その理解を育てる開かれた過程として着実に前へ進んでまいりますことを期待いたしまして、私の発言といたします。
