【全文】衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年7月13日)
2026年7月13日に衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会で行われた質疑における、チームみらい 幹事長・高山聡史の質問と、各答弁者による答弁を全文書き起こしたものです。
案件:
・国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案(221国会衆27)
・特別市の設置に係る制度の整備の推進に関する法律案(221国会衆24)
・大都市地域における特別区の設置に関する法律の一部を改正する法律案(221国会衆25)
質問者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=鈴木英敬 議員(自由民主党・無所属の会)、高見亮 議員(日本維新の会)
1. 副首都法案の基本理念におけるICTの位置づけ
高山聡史
チームみらいの高山聡史です。本日、三つの法案の並行審査となっているわけですが、まず、大規模災害に備えるという問題意識の衆法第27号、いわゆる副首都法案から提出者に質問してまいります。
文部科学省の地震調査研究推進本部によると、マグニチュード7クラスの首都直下地震は今後30年以内に70%程度の確率で発生するとされています。その際、首都中枢機能が失われた場合の影響は、我が国全体、国民一人ひとりの生活に及びます。
大規模災害に備えて国家社会機能の継続性確保にどう取り組むか、また、その備えをわが国経済全体の成長に資する取り組みにすべきではないかという問題意識は、チームみらいとしても共有できるものです。
そこで、まず、副首都法案の基本理念における情報通信技術の位置づけについて伺います。
本法案は、大規模災害が発生した場合におけるわが国の政治、行政、司法、経済等の活動の持続可能性の確保を中核に据えており、第3条第5項では、多重性及び代替性が確保された交通通信体系が整備された国土の形成を掲げております。一方で、基本理念には、情報通信技術に関する言及がありません。
今日、行政機能の継続とは、庁舎という建物に職員が参集できることだけでは足りません。住民基本台帳、税務データ、社会保障の記録などが守られ、行政の情報システムが動き続けることが必要です。東日本大震災でも、庁舎とともに住民データを失い、行政機能の回復に多大な困難を来した自治体がありました。
こうした教訓を踏まえると、この法案の基本理念に情報通信技術の活用に係る規定を置くべきと考えますが、提出者の見解を伺います。
鈴木英敬 議員
お答え申し上げます。委員ご指摘のとおり、本法案におきましては、情報通信技術その他のデジタル基盤に直接言及する規定は置かれておりません。しかしながら、現代において、国家社会機能を維持するためには情報通信技術が不可欠であるとの認識でありまして、そのことを前提としまして、原案では、先ほどご紹介いただいたとおり、第3条第5項で、国家社会機能継続性確保施策の推進においては、多重性及び代替性が確保された交通通信体系が整備された国土の形成を目指すべきことを一定規定したものではあります。
その上で、大規模災害時の情報通信技術その他のデジタル基盤の喪失が行政機能の継続に特に深刻な影響を与えることに鑑みると、委員ご指摘のとおり、国家社会機能継続性確保施策において情報通信技術を活用しながら多重性及び代替性を確保していくことは、あらためて、極めて重要であり、そう考えておりまして、まさに同じ思いであるということをお伝えしたいと思います。
2. 国会に対する副首都整備状況の報告の仕組み
高山聡史
ありがとうございます。ぜひ、物理的な備えだけではなくて、デジタル技術の活用、これもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、国会に対する報告の仕組みについて伺います。
首都圏整備法第30条の2では、政府に対し、首都圏整備計画の策定及び実施に関する状況を毎年国会に報告することを義務づけております。これは、いわゆる首都圏白書として、実際に毎年国会に提出されてきた仕組みとなっております。
これに対して、本法案では、副首都の整備に係る施策等の実施状況を国会に報告する規定が本則にはありません。附則では、集中推進期間の経過後にその実施状況を検証すると定めていますが、その検証結果を国会に報告する旨の規定も置かれておりません。
首都圏の整備には毎年の国会報告の仕組みがある一方で、これに匹敵する国政上の重要性を持ち、多額の財政負担も見込まれる副首都の整備にはこれがない、やはり国会が国家的な事業の進捗を継続的に検証できる仕組みが必要ではないでしょうか。
そしてまた、報告の中身としては、単に予算執行状況の羅列だけではなく、測定可能な指標に基づく施策の進捗、多極分散型経済圏の形成の状況、財政負担及びその執行の状況を含む充実した内容とすべきと考えます。
併せて提出者の見解を伺います。
鈴木英敬 議員
お答え申し上げます。行政監視機能を持つ国会として、副首都の整備に係る施策その他国家社会機能継続性確保施策についても、政府に対して質問をし、その実施の状況を確認することは当然に可能であると考えていたところであります。
一方、首都圏整備法と同様に毎年の国会報告の仕組みが必要とのご指摘は、国会による定期的な施策の実施状況の確認の機会を明示的に確保する効果があるという点で、十分に理解できるものであると考えます。
また、質問によるか国会報告によるかを問わず、施策の実施状況を国会において確認するに当たっては、施策の透明性を確保し、国民の広範な理解と支持が得られるよう、充実した内容とするべきであることについても、提出者としても、委員のご指摘のとおりのその必要性に同意するものであります。
3. 副首都の指定要件とデジタル行政基盤の考慮
高山聡史
ありがとうございます。これは構想だけではなくて、実際に施策が順調に進捗をしているか、あるいはチェックすべきことがあるか、国会がしっかり関与していく必要があると考えます。
次に、副首都の指定要件とデジタル行政基盤について伺います。
本法案では、副首都の指定要件として、国の行政機構の立地の状況等、政令で定める要件を備えることを求めております。ここに挙げられた条件はいずれも重要な要件ですが、すべて物理的あるいは量的な観点であり、デジタル行政基盤に関する観点は明示されておりません。
首都中枢機能の代替には、各府省の意思決定を支える情報システムが動き、府省間でデータが流通し、国民への行政サービスが止まらない、これが必要です。ガバメントクラウドへの対応、行政機関横断のデータ連携基盤、それを支えるデジタル人材の確保体制を欠いたまま行政に係る首都中枢機能を代替する機能を十分に発揮するということは事実上不可能であると考えます。
そこで、政令で定める要件の検討において、デジタル行政基盤の整備状況またはその整備計画がどのように考慮されると想定しているのか、立法者としての見解を伺います。
高見亮 議員
お答えいたします。委員ご指摘のデジタル行政基盤に関する観点は、副首都機能のバックアップに限らず、国家社会機能をアップデートさせるために本当に重要な観点だと考えているところでございます。
ただ一方で、たとえばガバメントクラウドに関しましても、システム標準化の中でいろいろ地方では対応しつつある、また行政機関横断のデータ連携基盤というのは、私は大阪市にいましたから、その辺をちょっと見てはいたんですけれども、やはり縦割りでシステム開発をしているので難しい部分があって、認証サーバーとか印刷とかは結構共通基盤があったりもするんですけれども、なかなか地方へ対応していくのは難しい。デジタル人材も、公務員の報酬体系の中ではなかなかいい人材というのは難しい。地方はそうやって四苦八苦しているというところでございます。
とはいえ、重要な観点であるのはそのとおりでございまして、デジタル行政基盤の整備といった事柄に関しましては、副首都の指定要件と指定するよりも、副首都の整備に当たって深く考えていくものではないかと考えているところでございます。
4. 多極分散の実効性と中枢機能代替地域への施策
高山聡史
ありがとうございます。要件とするか、あるいは整備に当たってしっかり考えていくかというところでございますが、いずれにしても必要なことだと思います。地方においてはなかなかデジタルがまだ進んでいないところがあるからこそ、この検討とともにしっかり検討いただきたいと思います。
最後に、多極分散の実効性と首都中枢機能代替地域への施策について伺います。
この法案の目的には、多極分散型経済圏の形成も掲げられております。
第2条第5項の定義によれば、人口及び経済に関する機能が特定の圏域に過度に集中することなく国土全体にわたり適正に配置される国土の形成、これは副首都の候補と目される都市以外にとっても大変重要な観点だと思います。
そこで、提出者に対して伺いたいのが、まず第一に、首都中枢機能代替地域への施策として、税制上の措置に加えて、官民データの円滑な流通の確保を図るための基盤の整備等、施策の一層の充実を図るべきではないかという点。データの基盤があれば、地方にあっても首都中枢機能の一部を実効的に支えることができ、可能性はさらに広がると考えます。
第二に、第12条の分散的配置のための施策にも、移住の促進、大学の振興といった従来型の施策に加えて、情報通信技術を活用した行政の推進、たとえば、全国でも最も先進的な、国から自治体まで一気通貫のプロセスでプッシュ型の行政サービスが実現できている都市にする、あるいは、場所を選ばず行政サービスや働き方が可能になっているなどの観点を盛り込むべきではないでしょうか。それぞれご見解を伺います。
鈴木英敬 議員
お答え申し上げます。
委員のご指摘につきましては、原案における第12条、第13条それぞれにもあるその他の必要な施策を講ずるものの規定中に一定程度読み込むことは可能ではあると考えておりますが、その上で、第13条の規定において、税制上の措置に加え官民データの円滑な流通の確保を図るための基盤の整備等の施策の充実が必要ではないかという委員のご指摘はまさにそのとおりと考えるものでありますし、あわせて、第12条の分散的配置におきましても、移住の促進や大学の振興といった従来型の施策に加え、委員ご指摘の情報通信技術を活用した行政の推進など、場所を選ばない行政サービスや働き方を可能とする観点についても極めて重要であるというふうに考えております。
高山聡史
ありがとうございます。本日、順に伺った各点、これらがしっかりと盛り込まれるということであれば、我が会派としても、本法案、前向きに進めていきたいというふうに考えております。
私は、副首都の整備は、ある意味東京の二番煎じの都市整備を各地で行うということではなくて、この取り組みを生かして、むしろ東京よりも一世代進んだデジタル行政都市をつくるという野心的な取り組みであるべきだと考えます。
海外においても、シンガポール、ドバイ、世宗など、国家レベルで都市のデジタル化に取り組むことで、首都のバックアップ、さらには経済的にも競争力を増してきた、そういった事例、複数ございます。
本法案にデジタルの観点を適切に盛り込むことで、大規模災害への確かな備え、プッシュ型の行政サービスを国、自治体で一気通貫に実現するモデルケース、そして真に多極分散型の経済成長を実現すべきではないかと考えます。
ぜひ、真摯なご対応をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
