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【全文】衆議院 内閣委員会 質疑/幹事長・高山聡史(2026年5月29日)

2026年5月29日に衆議院 内閣委員会で行われた質疑における、チームみらい 幹事長・高山聡史の質問と、各答弁者による答弁を全文書き起こしたものです。

案件:犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案(221国会閣51)

質問者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=あかま二郎 国家公安委員会委員長、大濱健志 警察庁 刑事局組織犯罪対策部長、大城健司 金融庁 総合政策局参事官、梶川光俊 財務省 大臣官房審議官


1. 罰則強化の効果検証とKPIの公表

高山聡史
チームみらいの高山聡史です。特殊詐欺およびSNS型投資・ロマンス詐欺の被害は、令和7年中に合計3,200億円を超え、認知件数も43,000件と過去最悪の水準を更新しています。被害者の方々の悲痛な実情を考えれば、対策の強化は待ったなしの課題であると認識をしております。そういった観点で、順に伺ってまいります。

まず、今回、罰則の強化を行うわけですが、その効果をどう検証すればよいかということについて伺いたいと思います。

過去、遡ると、平成23年の改正でも罰則の引き上げが行われましたが、マネーロンダリング事犯の検挙件数は過去10年で急増しております。今回の改正による抑止効果について、政府は何をもって測定、検証していくお考えでしょうか。検挙件数・口座停止件数・被害額の推移・SNS上の口座売買や送金バイト募集投稿数の推移など、注視すべきKPIは複数考えられると思います。何をどのように測定、検証すべきか、政府の認識をお示しいただけますでしょうか。

あわせて、この効果検証の観点で、抑止効果に関連するKPIの推移であったり、その状況への評価を、毎年、国民に分かりやすい形で公表、報告する仕組みを設けるお考えはあるか、政府の見解を伺います。

大濱健志 警察庁 刑事局組織犯罪対策部長
お答えいたします。今回の法案は、近年、匿名・流動型犯罪グループが関与する特殊詐欺等の犯罪におきまして、預貯金口座等の金融サービスがその犯行や被害金等のマネーロンダリングに悪用されている実態があることを踏まえまして、必要な罰則の見直しや、いわゆる架空名義口座を利用した新たな措置を講ずるものであるところでございます。これらの改正によって、預貯金口座等の利用の適正が図られ、特殊詐欺の抑止につながるものと考えております。

この点、本法案による具体的な抑止効果につきましては、たとえばでございますが、特殊詐欺の被害状況はもとより、預貯金通帳の不正譲渡等の検挙状況など、さまざまな統計数値やその推移、また日々発生する個別の事案を基に、総合的に検証を進めてまいりたいと考えております。

特殊詐欺の認知、検挙状況につきましては随時国民の皆さまに公表しておりますし、預貯金通帳の不正譲渡等の検挙状況につきましては、毎年、年次報告という形で国民の皆さまに公表しているところでございます。その上で、今申し上げた本法案の効果に関する総合的な検証結果も踏まえまして、必要に応じて更なる被害防止策を検討してまいりたいと考えております。

高山聡史
ありがとうございます。ぜひ、すでにやっておられる年次の公表の枠組みの中で、こういった犯罪が抑止をされているということをしっかりアピールするためにも、そして国民に知らせるためにも、こういった効果が出ているということを発表いただけるように検討をお願いいたします。

2. 送金バイト検知へのAI活用

高山聡史
次に、今回問題としている送金バイト行為などの検知にテクノロジーをどう活用していくかについて金融庁に伺います。

送金バイト行為は、外形上、正常な取引に紛れ込むため、検知が容易でないという特性を持つと思います。こうした手口に関して、AI等の技術を活用した対策をさらに進めていくことが重要だと考えます。

金融庁は、すでにマネロン対策についてガイドラインも公表されていると承知をしております。その上で、金融機関におけるAIを活用した取引モニタリングの状況について、政府の見解を伺います。

大城健司 金融庁 総合政策局参事官
お答え申し上げます。金融庁といたしましては、金融機関において不審な取引を検知することが重要でありますことから、当庁所管のマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドラインにおきまして、業務内容に応じて、ITシステム等も活用しながら、疑わしい顧客や取引等を的確に検知、監視、分析する体制を構築することを求めているところでございます。

委員お尋ねの、取引モニタリングに関するAIの活用についてでございますけれども、大手金融機関など一部の先において不審な取引の検知に活用しておりますほか、資金決済法に基づきまして、複数の金融機関からの委託を受け、AI等を活用して疑わしい取引の届出等に係る判断に必要な分析を行う為替取引分析業者のサービスを利用する金融機関も一定数あるものと承知をしておるところでございます。

金融庁といたしましては、金融機関が必要に応じAI等も活用しつつ、疑わしい顧客や取引等を的確に検知、監視、分析する体制を整え、さらに高度化が図られるよう、引き続き適切に監督してまいりたいと考えております。

高山聡史
大手の金融機関に最新のAIを使ってもらう、これはぜひやっていただきたいんですが、それだけではなくて、被害から守るという観点を考えれば、地元の、ある意味中小の金融機関も、しっかり技術が使われているということは大事だと思いますので、ぜひ、今いただいた、中小金融機関でも為替取引分析業者、ここの取り組みも後押しいただけるようにお願いいたします。

3. 警察と金融機関の連携の推進

高山聡史
続いて、AI活用と官民連携について伺います。

今のご質問でも、テクノロジーの活用が重要と申し上げたわけですが、警察と金融機関の連携について伺います。

金融機関の疑わしい取引の届出制度、いわゆるSTR制度との連携、そして官民の情報共有プラットフォーム整備などについて、何をどのような時間軸で進めるべきだと考えているか、政府の見解を伺います。

大濱健志 警察庁 刑事局組織犯罪対策部長
お答えいたします。警察庁におきましては、金融機関からの疑わしい取引の情報の整理、分析を効率的に行うため、令和4年から、疑わしい取引の情報やその整理、分析結果をAIに学習させた上で、警察庁の分析担当者が注意を払うべき情報について優先順位をつける仕組みを構築しているところでございます。こうした仕組みを経て、疑わしい取引の情報を実際の捜査等に活用しているところでございます。

また、警察におきましては、金融機関のモニタリングにより詐欺被害のおそれがある取引を検知した場合に、都道府県警察が迅速にこの情報提供を受けまして、都道府県警察がその状況を確認し、詐欺被害の拡大防止を図る取り組みをすでに進めているところでございます。さらに、金融機関との間では、警察が把握した特殊詐欺の不正利用口座情報を迅速に金融機関にこちらから提供いたしまして、金融機関による、先ほど来ご議論いただいていますモニタリングの高度化に資するような形で利用していただいて、一層の被害取引の発見につながるような取り組みも行っているところでございます。

これらに加えまして、今回の法案が成立した暁には、委員ご指摘のとおり、いわゆる送金バイトを含むさまざまな犯罪につきまして、金融機関と連携の上、委員ご提案いただいたような新しい技術の活用も積極的に取り組んでいって、そうした対策をしっかり進めてまいりたいと考えております。

高山聡史
ぜひ、金融機関との連携もしっかり進めていただきたいと思います。

そして、金融機関だけでなく、暗号資産交換業者あるいはSNS事業者など、横断的な連携も今後視野にぜひ入れていただいて、総合的な対策をお願いできればと思います。

4. 架空名義口座措置の透明性と金融機関支援

高山聡史
ここからは、架空名義口座を利用した措置について、国家公安委員長に伺います。

架空名義口座の利用は、国際的に見ても先進的な取り組みだと思います。被害の連鎖を断ち切るというために、積極的な前進として評価できるものと受け止めております。一方で、今回の措置は、警察官の身分の秘匿などが認められる強力な権限であり、運用の透明性を担保することも重要だと思います。捜査の手のうちを明かさない範囲という前提の下で、本措置の運用状況について国民に分かりやすい形で公表する仕組みを整備するお考えはあるか、伺います。

あわせて、警察と連携する金融機関には、実務の負担、そして訴訟リスクも生じます。本法案では協力する金融機関への義務づけは設けられていないと承知していますが、実際に協力いただく金融機関を支援する観点が重要と思います。協力要請の効率化、訴訟リスクへの支援など、政府としてどのような支援策を講じるか、講じるべきか、国家公安委員長の見解を伺いたいと思います。

あかま二郎 国家公安委員会委員長
本措置については、都道府県警察がこれを実施するに当たって、その適正性が確保されること、これが極めて重要であるというふうにまず認識しております。このため、本法案においては、本措置の実施に当たって警察本部長の指揮を受けるべきこと、これを法律上明記するなど、組織的な運用が確保される制度とまずしております。

その上で、かかる運用状況については、犯行グループに、委員のご指摘もあるとおり、手のうちを明かすこととならないよう配慮しつつ、可能な範囲で国民の皆さまにお示しすることができるよう、公表の在り方について適切に検討を進めるよう警察を指導してまいりたいというふうに考えております。

あわせて、本措置の実施に当たっての金融機関の負担であるとか訴訟リスクに十分配慮する必要があるというふうにも認識しております。

このため、本法案においては、警察官が金融機関に対して必要な協力を求めることができる旨の規定を設けることによって、金融機関による協力は警察の求めに応じて行われるものであることを法律上明確にしたほか、犯収法上の義務や罰則について、適用を除外することとしたところであります。

本法案が成立した暁には、金融機関に対して本措置の必要性であるとか有効性を丁寧に説明するなどして、協力体制の構築を着実に進めていけるよう警察を指導してまいりたいというふうに考えております。

5. FATF相互審査に向けた今後の対策方針

高山聡史
ぜひ、公表できる内容を検討をしっかりいただきたいということと、そして、金融機関との協力体制、これに関しても施行に向けて具体化をしていただきたいと思います。

最後に、国際的なマネーロンダリング対策の観点から財務省に伺います。

今回の改正で、受益証券発行信託によらない特定信託受益権が移転時の通知義務等の対象に追加をされました。これはFATF(金融活動作業部会)勧告への対応としても重要な前進であると認識をしております。

今後、FATFの第5次対日相互審査が予定されていると承知しております。これに向けて、現時点で政府として課題として認識している領域、追加的に講じる予定の措置について、現状の取り組み、そして今後の方針について政府の見解をお示しください。

梶川光俊 財務省 大臣官房審議官
お答え申し上げます。2021年8月にFATFが公表した第4次対日審査報告書におきまして、金融機関などに対する監督やマネロン、テロ資金供与に係る捜査、訴追など、一層の強化に向けて取り組むべき複数の事項が課題として指摘されております。

また、昨年秋から始まりました第5次相互審査では、必要な法令などを整備するだけにとどまらず、それらが有効に機能しているか、これに審査の重点が置かれていると承知しております。

2028年に予定されておりますFATF第5次対日審査を見据えまして、現在まさにご審議いただいております今般の犯収法の改正、これを通じた実績などの向上など、この有効性を確保する措置を講じつつ、わが国のマネロンなどの対策強化のための取り組みを引き続き政府全体で進めてまいります。

高山聡史
今後、デジタル資産の多様化を踏まえて、更なる検討もあるかと思いますので、ぜひ、日本の金融機関、しっかり対策ができているという形になるように検討をお願いいたします。

時間になりましたので、以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。