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【全文】予算委員会 質疑/幹事長 高山聡史(2026年3月6日②)

2026年3月6日の衆議院 予算委員会(一般的質疑)における、チームみらい 幹事長・高山聡史の質問と、各答弁者からの回答を全文起こしたものです。

質問者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=小野田紀美 経済安全保障担当大臣、殿木文明 内閣府大臣官房審議官、茂木敏充 外務大臣、上野賢一郎 厚生労働大臣


1. 経済安全保障推進法に基づく特定重要物資の安定供給確保制度について

制度の意義と今後の取り組みについて

高山聡史
チームみらいの高山聡史でございます。この時間は、まず、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資の安定供給確保制度について、小野田大臣に伺います。

2022年の成立から3年余りが経ちました。半導体、蓄電池、重要鉱物など、現在、16の物資が指定され、2.5兆円を超える基金が積まれ、それぞれの物資に対する供給確保の計画が認定されていると承知しております。この制度は、個別の物資の供給に問題があってからそれを検討するということではなく、国民生活に影響が及ぶ前に、前もって備えるという大変意義深いものであると思います。

この特定重要物資に関する制度は、物資ごとの供給確保の計画などを踏まえて助成を出す仕組みで、この意味合いとしては、単に助成、サポートをするということではなくて、有事における供給の途絶を、ある意味、市場のメカニズムに任せていると防げないという前提で、国が仕組みをしっかりつくっているということにあると思います。

直近、まさに緊迫化する中東情勢も踏まえ、またあるいは、この3年間の中では、海外においても関税、輸出の強化というところが起きたりとか、そういった制度の設計時に想定していたリスクが実際に現実のものとしていろいろと起こっている状況だと思います。

そこで、あらためて、小野田大臣に伺います。この海外情勢の緊迫化の中で、あらためて、この制度の意義であるとか、あるいは、今、今後取り組むべきことについて、お考えを伺えますでしょうか。

小野田経済安全保障担当大臣
ありがとうございます。この意義のことについてもお尋ねがありました。

経済安全保障推進法で指定している特定重要物資は、法律に基づく事業者からの報告を踏まえて、毎年度、各物資の主務官庁と内閣府が連携をして、供給確保計画の進捗状況を評価し、また物資横断的な観点からも整理を行っております。さらに、有識者による評価も加えつつ、改善の方向性等も示すことで、より丁寧な管理に努めております。

実際に今これがどういう状況になっているかというところですけれども、昨年10月に実施した評価では、昨年度までに認定した121件の取り組みのうち、約6割の取り組みは計画どおり、または計画よりも前倒しで進む一方、3割強の取り組みで遅延や計画変更が生じ、5件は計画継続が困難との結果になっています。

遅延等の原因を分析した結果、人手不足による建設工事の遅れですとか、資材価格の高騰による投資額の見直し、電気自動車の需要減少に伴う投資の後ろ倒しといった原因が多く見られています。

なお、継続が困難となった計画についてはいずれも助成金を全額返還をいただいておりますが、現時点において、各物資の主務官庁が物資ごとに定めている供給確保目標との関係で大きな問題は生じていないと私たちは評価をしております。

しかし、国際情勢や市場もおっしゃるとおり日々変わっております。この変化の中で適切な進捗管理は容易な作業ではございませんが、関係省庁や産業界と密に協力し、中長期的な需要動向等の把握を始めとする取り組みを引き続き着実に実施していきたいと考えています。

物資の指定プロセスについて

高山聡史
ありがとうございます。まさに、おっしゃっていただいたような定期的な点検であるとか見直しということが重要なものであると思います。そこに関連して、1点。特にこういった海外の情勢が移り変わるときにおいては、それまでは特に大きな問題があるとみなされていなかった物資においても、新たにこれは注視をしたほうがいいということが起きる可能性もあるかなと思います。

ちょうど、直近、新しい物資を指定したということもあるかと思いますが、この新たな物資を指定するというプロセスについて、現状の運用であるとか、あるいは、今後どういう運用が必要かというところについても少しお考えをいただけますでしょうか。

殿木内閣府大臣官房審議官
ただいまの委員のご指摘、ご質問でございますけれども、我々、日々、必要な物資について、物資を所管している主務官庁と相談をしながら、どのような物資が必要かというところについて検討、議論を重ねて、評価をした結果、その上で、必要な物資について、有識者会議の議論なども踏まえながら政令していくということになっています。

いずれにいたしましても、別に、これは何度もレビューをしながら指定をしていくというところでございまして、不断の見直し、あるいは不断の指定に向けた活動をしているということでございます。

高山聡史
ありがとうございます。まさにおっしゃっていただいたとおり、複数の省庁が連携してその指定プロセスであるとか見直しのプロセス、円滑に進むということを期待いたします。

2. デジタルにまつわる外交戦略について

グローバルサウスにおけるデジタル覇権争いとDFFTの推進について

高山聡史
続いて、茂木外務大臣にお伺いいたします。デジタルにまつわる外交戦略についてですが、ここ数年、グローバルサウスの諸国においては、ある種の競争が進んでいると認識をしております。

開発支援という建付けのもと、実態としては、デジタルインフラを通じた影響力の争奪戦の様相を呈しているところがあるかなと思います。たとえば、通信基地局であるとか、あるいは行政向けのデジタルシステムであるとか、決済サービスであるとか、そういったものが一度根づくと、通信、金融、行政のデータが自動的に、それを開発した、あるいは提供した国のサーバーに集まるという構造にもなりかねません。

デジタルインフラというのは現代の国家においては神経系と言っても過言ではないものでございまして、このデジタルインフラでやり取りされる情報が、まさに、外交、安保、経済、こういった判断にも影響を及ぼすものだと思います。

我が国においては、自由で開かれたデータ流通とデータの安全、安心の両立を図るDFFT(Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)というものを国際的に掲げてやってきたという認識を持っておりまして、この国際的なデータの争奪戦、特に中国などの動きもある中で、このDFFTの理念をどう実現していくかというところが問われる時代になってきたと思います。

そこで、茂木大臣にお伺いさせてください。グローバルサウス各国のデジタルインフラに海外の技術が浸透してきているという状態があると思います。これが、将来的なデータ主権であったりとか、あるいは外交的なパワーバランスの問題にも関係しかねないという中で、政府として、この動きをどのように認識をして、どう対抗していくのか、ぜひ戦略についてお伺いできればと思います。

茂木外務大臣
高山委員と問題意識は共有をしております。データ・フリー・フロー・ウィズ・トラストという形でありますけれども、世界中で、今、経済社会基盤活動のデジタル化が飛躍的というか加速度的に進む中で、デジタル分野において、ODAも活用して、日本の技術であったりとかノウハウを最大限活用しながら、途上国の開発課題の解決にも取り組んでいく必要があると考えております。

たとえばアフリカの国々を見てみますと、途上国であるがゆえに、この技術革新によって一足飛びに新しい段階にいく、こういう状況というのは数々見られるわけでありまして、ルワンダでは高速道路が発達していません。その分、たとえば輸血用の血液が運べないということで、ドローンの技術を使って、また、衛星からこれを見ることによって、正確に血液を、それも、型式というか、AB型とか分けてきちんと送れるようになる。

ケニアにおいては、かつては銀行システムが発達をしていなかった。そのために、たとえばナイロビに出稼ぎに来ても送金ができない、こういう状態だったんですが、モバイルの力によって今は電子送金をする、こういう時代に入っているわけです。そういったことも考えながら、今後の共通ルールの策定であったり、ガバナンスの構築、こういった意味からも、この分野の支援を強化していきたいと思っております。

たとえば、太平洋島嶼国というか地域におきましては、ミクロネシア、ナウル、キリバスに対して海底ケーブルの支援、また、日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センターに対してはサイバーセキュリティー能力構築支援、こういったものも実施してきておりますし、また、カンボジアのデジタル経済社会の発展を支援するために、日本企業のノウハウ、これも活用して、同分野におけるインフラ整備をハード面、ソフト面、両面で支援をしてきております。

まさに覇権争いの時代、こういう中で各国が自律性と強靱性を強化する必要があると考えておりますし、ODAを活用したデジタルインフラの整備、これを同志国と一緒に進めることによって、この覇権の時代にあって、我々にとって正当なというか正しいルールづくりというか、適正なルールづくりであったりガバナンスを確立していく、極めて重要だと私は考えております。

行政DXの国際展開とデジタル貿易ルールの主導について

高山聡史
ありがとうございます。まさに大臣がおっしゃったとおり、途上国といっても、ある面で一度技術が入っていくと、先進国よりも、ある意味、一世代先取りするような、そういった事例もあるということかなと思います。

また、ODAのお話もありましたが、ある意味ODAといえば、長年、物理のインフラのイメージが強かったかなと思いますが、今、途上国各国でも必要とされているのが、まさに行政サービスをデジタル化していく部分であったり、医療データ、あるいは医療のデジタル化ということであったり、そういったソフトウェアによって提供をされるインフラ、こういったもののニーズが高まっていると認識をしております。

まさに、デジタル化ということは私もずっといろいろ申し上げているところでございますが、日本はこの分野で世界に貢献できるチャンスがあると思っております。マイナンバーを活用した行政システムという考え方であるとか、あるいは電子調達であるとか、地方自治体にどうDXを広めていくか、そして、今後検討が進んでいくと思います、給付つき税額控除を支えるような、素早くて滑らかな給付の仕組み、これも世界に誇れるものになる可能性があると思っております。

こういった日本だけでなく世界各国で有用な仕組み、これを日本国内で実装をして行政DXの技術を体系的に海外に輸出する戦略、これは非常に重要なものだと思うのですが、その辺りについて、もう一言、茂木大臣のお考えであるとか、どういうふうに輸出していくかみたいなところも伺えればと思います。

茂木敏充 外務大臣
確かに、日本のデジタル化がそういった意味で行政の効率化であったりとかさまざまな形でどこまで進んでいるかということで言いますと、いろいろな意見はあるんだと思いますけれども、まずは自分の国においてしっかりしたデジタル基盤を行政においても民間においても整える、こういったことは基本になってくると思います。

その上で、先ほど高山委員から触れていただいた信頼性ある自由なデータ流通、この推進を掲げて、これまでもルールづくりという形では、私が担当しましたCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)であったりとか日米デジタル貿易協定、さらには日英EPA日EU・EPAを始め、デジタル貿易分野の国際的なルールづくり、これは日本が主導してきたというのは間違いない事実だと考えております。

また、WTOにおきましても、なかなか今WTOは非常に難しい状況にあるのは確かでありますけれども、電子商取引に関する国際的なルールづくり、これを有志国が進める中で、我が国は共同議長国として取り組みを進めているところであります。

委員のおっしゃるような形で、単に橋を造る、道路を造るという時代から、まさにデータというものであったり、デジタル、AI、これが社会基盤になっているんだ、こういう思いでこれからも取り組みを進めていきたいと思っております。

高山聡史
ありがとうございます。AIの時代においてデータをどう取り扱うか、国民のデータをどう扱うかということは非常に重要なテーマであり、そして世界基準のスタンダードを日本が発信し主導していくこと、大変意義あるものだと思います。ぜひ、この取り組み、前に進めていただければと思います。

3. 介護分野の処遇改善とテクノロジー活用について

高山聡史
続いて、介護分野について、処遇改善とテクノロジー活用の2点から上野大臣にお伺いいたします。令和7年度の補正予算では介護の分野に1,920億円が計上されて、介護職に月最大19,000円、ほかの職種にも月1万円の賃上げが図られたと承知をしております。また、本年、介護報酬の臨時改定による上乗せも予定されており、こういった一連の処遇改善の措置に関しては大変評価できるものだと思います。

一方で、まだまだ現場には課題があると思っておりまして、たとえば、補助金の受給、三階建ての条件というものの複雑さといいますか、小規模な事業所にとっては要件を整備するための事務負担が重いということであったり、上乗せ分にアクセスができない事業所も恐らくあるんだろうなというところが懸念をされていると思います。こういった処遇改善を、上乗せの構造に頼るのかということも含めて考えていく必要があるのかなと思うのですが。

上野大臣にお伺いします。昨年から本年にかけての賃上げ、これを継続、発展させるにあたって、仕組みの簡素化ということと構造的な処遇の改善、どういった方針で進めていくおつもりでしょうか。ぜひお答えください。

上野厚生労働大臣
ありがとうございます。介護現場、非常に皆さん、物価高あるいは賃金上昇に直面をして、大変厳しい状況にありました。そうした中におきまして、今委員からご紹介のありました補正予算におきましても、しっかりとした対応をさせていただきましたし、令和8年度の介護報酬改定におきましても所要の措置を講じさせていただいているところです。

やはり、介護の現場の処遇改善、これは非常にこれからも大事だと思いますし、また、現場の負担感、これもやはり相当なものがありますので、この負担の軽減、職場環境の改善、これも同時に進めていくことが大切だと思っております。

まず、処遇改善につきましては、令和8年度介護報酬改定を少し例に挙げさせていただきたいと思いますが、これは補正予算同等ではありますけれども、介護職員のみならず介護従事者を対象に幅広く月1.0万円、3.3%の賃上げを実現をする、そうした措置に加えまして、今委員からもご指摘がありましたが、生産性向上であったりあるいは協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に月0.7万円、2.4%の上乗せ措置を実施することとしております。

また、介護職員につきましては、累次の取り組みの中で過去最大の水準となります、定期昇給込みで最大月1.9万円、6.3%の賃上げが実現をする、そうした措置となるところです。

上乗せ部分につきましてはいろいろな議論があろうかと思いますが、やはり現場で生産性向上をしっかりこれからもやっていただくということが、結果的には現場の皆さんの負担感の軽減であったりさまざまなメリットがありますので、ぜひこれもお願いができればと思っております。

また同時に、現場の負担感軽減のためには、やはり、介護テクノロジーといいますか、それの充実も必要ですので、補正予算の中におきましては、それもしっかりとした対応として措置をさせていただいているところです。

高山聡史
ありがとうございます。テクノロジーのところにも触れていただきましたが、このテクノロジーが現場の生産性を改善するということにおいては、たとえば、小規模な事業所においてもそのテクノロジーがきちんと使われるということ、そういった規模によらず使われるということであったり、あるいはそれを使いこなすデジタル人材が各事業所に行き渡るということ、こういったところが大変重要になってくるかと思います。ぜひ、テクノロジーの活用とそして処遇改善、両輪で進めていければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

以上で質問を終わります。ありがとうございました。