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【全文】予算委員会 質疑/幹事長 高山聡史(2026年3月6日①)

2026年3月6日の衆議院 予算委員会(法務、農林水産、国土交通)における、チームみらい 幹事長・高山聡史の質問と、各答弁者からの回答を全文起こしたものです。

質問者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=鈴木憲和 農林水産大臣、金子恭之 国土交通大臣、池光崇 国土交通省大臣官房公共交通政策審議官 


1. スマート農業の社会実装について

スマート農業の普及に関する目標やKPI設定の考え方について

高山聡史
チームみらいの高山でございます。本日は、まず、スマート農業の社会実装についてお伺いいたします。

言うまでもなく、スマート農業は我が国の農業の構造転換を実現するための政策の柱の一つでございます。高市総理も施政方針演説などで、世界トップの植物工場、衛星情報、AI解析などのスマート農業技術の開発、実装を加速させると述べられておりました。

また、2025年度から5年間の「農業構造転換集中対策期間」では、従来の予算とは別枠で予算を確保するという方針です。来年度予算案でもこれに対して494億円の計上がなされていて、かつ、JRA特別積立金から4年間で毎年250億円ずつの臨時充当ということが議論されていると理解しております。

テクノロジーで社会課題を解決するということを、我々チームみらいは推し進めていきたいと考えておりまして、スマート農業の大きな方向性については大いに期待を持っております。

そこで、まず鈴木大臣にお伺いいたします。スマート農業政策について、従来の政策から特に変わった部分が何で、集中対策期間において具体的にどのような成果を目指しておられるのか。特に、スマート農業の普及に関する目標やKPI設定の考え方、そこにあるものについて、ぜひお聞かせいただければと思います。

鈴木農林水産大臣
ご質問ありがとうございます。まず、農業者の減少、そして高齢化が進む中で、生産性を向上させて食料の安定供給を図っていくためには、少ない人数でたくさんつくらなければなりませんので、スマート農業の推進は不可欠になります。特に、気候変動も含めて暑くなってきていたりするので、農業の現場は暑い中でやるというのもなかなか厳しくなっている。そのなかで、さまざまな新しいテクノロジーが必要になってきております。

そういう中でありますので、農林水産省では、農研機構や民間、大学等とも連携をして、たとえば野菜などの収穫ロボットや、かんきつの防除用ドローン、そして中山間地域においてインターネットを介さずに使える自動の水管理システムなどのスマート農業技術の開発のほか、農業者に対する技術導入への支援などを行ってきております。

「スマート」といってもどこまでスマートかという話がありまして、一番分かりやすく身近で広まっているものでいうと、たとえばドローンによって農薬を散布するということがだいぶ普及してきております。

現状では、全部の農地427万haありますが、すでにドローンによる農薬散布が100万haを超えてきています。導入しやすいものからしっかりと現場に普及をしていくということが肝心かと思っております。

高山聡史
ありがとうございます。今の大臣のご答弁の中でも「少ない人数で」というキーワードがございました。また、私の質問に先立ち、今日は野中(厚)委員のご質問のなかでも「スマート農業が届かないところ」という言及や、あるいは野間(健)委員からは「水田の半分を占める小規模な米農家さんは赤字である」といったお話もございました。これに関連したご質問をさせてください。

農家の経営格差に対する必要な施策について

高山聡史
人手不足も広がっていく中で、少ない人数でどのようにつくっていくかということがあるわけですが、スマート農業の導入に関して、初期投資の高さは多く課題として認識されているものと思います。

実際に、自動運転トラクターや大臣からも言及のあったドローンといったものは、トラクターであれば1,000万円以上、ドローンであっても80万円から300万円と、小さくない金額がかかるというところでござます。

そこで大臣にぜひ伺いたいのが、初期投資も多くかかる中で、現状のスマート農業というものが結果として大規模農家や法人経営のところに恩恵が、あるいは導入が偏りがちであったりとか、結果として我が国の農家の大多数を占める中小や個人の経営体というところにはなかなか届きづらい構造になっていないかというところ、課題感がございます。

ぜひ、この規模感の格差に対して、どのような施策が必要であるか、あるいは実際に打たれている打ち手について、大臣のお考えをお聞かせいただけないでしょうか。

鈴木農林水産大臣
お答え申し上げます。まず、スマート農業機械と技術を導入するに当たりましては、やはり価格が、当然まだ新規開発されたものだけなので価格が高いといった導入コストの課題もありますし、また同時に、ドローン一つ取ってみても、操作に技術・技能の習得が必要だといった課題も現実としてはあるわけです。

こうした中で、産地全体でスマート農業の導入を促進するために、経営規模の小さい農業者も含めて、産地で一定規模のまとまりを持ってスマート農業機械、技術を導入して、栽培体系の転換を行う場合に支援をしております。

要はどういうことかといいますと、一人一台ずつ、小さい農家がスマート農機を持てば、結果としてコスト高になり赤字になってしまいますので、意味がありませんので、やはり「まとまっていく」ということが大事だと思います。

そのために、たとえばドローンなどのスマート農業機械・技術を活用して専門作業の受託等を行う「農業支援サービス」の利用も有効であるかと思います。政府としては、農業支援サービス事業者の機械導入等への支援も充実強化してきており、引き続きスマート農業技術の普及が図られるように、必要な対策を講じてまいりたいと思います。

高山聡史
ありがとうございます。高価な機械がシェアされて、結果として機械の稼動率も上がって、効率よくつくれるようになることが目指されているものと理解いたしました。ありがとうございます。

スマート農業に必要な通信環境の実態とその打ち手について

高山聡史
続いてもう一点、先ほど大臣からも言及がございましたが、スマート農業というと、やはりネットワーク、インターネット通信を要するものもまだまだ多くございます。

たとえば測位をするシステムで通信を必要とするであるとか、あるいは、さきほど、特にIoTシステムにおいてネットワークを要さないものもあるというお話がありましたが、やはり通信があったほうができることが増えるということもございます。そういった中で、通信インフラの状況に関して地域間の格差というものは、まだまだ多くあると認識しております。

この通信インフラの状況に関して、全国の農地でスマート農業に必要な通信環境が整備されている割合であるとか、その実態を農水省として把握されているかというところと、それを踏まえて、格差を解消するであるとか、あるいはすぐには通信環境が整わないところに対してどのような打ち手を考えられているか、もう少しお聞かせください。

鈴木憲和 農林水産大臣
高山委員ご指摘のとおり、スマート農業の導入を推進するためには、農地を大区画化するという農地の整備の部分プラス、情報通信環境の整備がないとスタートしません。

現状で、携帯電話などのサービスの通信エリアの農地カバー率が、今、全国で約97.7%まできております。農地の一部もしくは全部でサービスを利用できない面積は、全国で400万haを超える農地のうち10万haで、全国の農地の約2.3%がまだカバーし切れていないという状況です。

このため農林水産省では、圃場整備事業等、要するに基盤整備ですね、公共事業をやる際に農地の大区画化や自動給水栓などの整備を図るだけでなく、令和7年度の補正予算において「農業生産基盤情報通信環境整備事業」を新たに創設いたしました。光ファイバーや無線基地局などの情報通信施設の整備を加速化することを支援しているところです。

これらでなるべく多くをカバーすることで、スマート農業をやりたい人が導入しやすいという環境を整えていきたいと思います。

高山聡史
ありがとうございます。まさに「できるところから」という言葉もありましたが、テクノロジーは届くべき人、使いたいと思う方にきちんと届いて価値を発揮するものだと思います。ぜひ引き続き、大規模な農家だけでなく、中小規模あるいは個人の農家さんであるとか、あるいは通信環境も整ったところだけでなく、そのカバー率を高め、必要な方に必要な環境が整うということを、ぜひ進めていただきたいということをお願い申し上げて、私の次の質問に移りたいと思います。

2. 交通空白の解消に向けた地域交通のDXについて

交通空白の解消に向けた現状の認識と具体的な目標について

高山聡史
続いて、交通空白の解消に向けた地域交通のDXについてお伺いしたいと思います。

人口減少や高齢化が進む中、地方を中心に「移動の足」の確保がますます深刻な課題になっています。路線バス事業者さんの赤字であるとか、あるいはドライバーさんの高齢化、人手不足、そういったことも相まって、バスの減便や廃止、その他の公共交通機関にも影響が出ていると認識しております。

この交通空白の問題は大変深刻で、昨年の調査結果では、全国2,057か所、717の自治体で交通空白が存在することが明らかになったと認識しております。

そこで、まず金子大臣にお伺いさせてください。交通空白の解消に向けた現状の認識と、集中対策における具体的な目標について、大臣のお考えをお聞かせください。

金子国土交通大臣
お答え申し上げます。私は政治家として、これまでも「地域の繁栄なくして国の繁栄なし」との(信念の)下で活動しており、まさに地域公共交通は地域の繁栄の礎だと考えております。

人口減少や担い手不足等によりバス路線等の減便・廃止が進む一方で、免許返納、学校や病院の統廃合等により、通学や通院、買い物などの移動手段の確保に対する社会的需要はむしろ高まっております。

この結果、全国で約2,500におよぶ交通空白が生じており、国土交通省においては、令和7年度から9年度までを集中対策期間と定め、私を本部長とする国土交通省「交通空白」解消本部の下、これらの解消等に向け総合的支援を推進しているところであります。

具体的には、スクールバスや介護施設・商業施設などの送迎車両を地域住民の移動手段としても利用するなど、地域の輸送資源のフル活用等を進めるための新たな枠組みを盛り込んだ地域交通法改正案の今国会への提出、財政面での後押しとして、令和7年度補正予算と令和8年度当初予算案を合わせて約600億円を確保。民間企業の技術やノウハウを生かした官民連携の促進、利便性・生産性向上に資する地域交通DXの推進などに取り組んでおります。

今後とも制度、予算等のあらゆる政策ツールを総動員して、持続可能な地域公共交通を実現してまいります。

高山聡史
ありがとうございます。あらゆる政策を総動員するというお話がありましたが、地域交通においては、あわせていろいろな交通モード、つまりバスもあれば、鉄道もあれば、タクシーもあれば、新しいデマンド交通やライドシェアの仕組みといったものを組み合わせて、あるいは、それら一部を統合して提供することが不可欠なものだと認識をしております。

複数の交通モードにまたがる仕組みの整備・標準化について

高山聡史
一方で現状を見てみると、たとえば配車のシステム、予約のシステムであるとか、そこに溜まっていくデータであるとか、事業者の運営の仕組み、それらがすべて今の瞬間はバラバラになっていて、それをどう整理していくかが重要な課題になると思います。

そこでぜひお伺いしたいのが、交通空白を解消していく各地域での取り組みに対して、複数の交通モードをまたがる仕組みを、データ面・運用面それぞれでどのように整備を進める、あるいは標準化を進めていくお考えであるか、ぜひ、お答えいただければと思います。

池光審議官
お答え申し上げます。交通空白解消に向けましては、デジタルの技術を活用を積極的に進めまして、地域公共交通の利便性や生産性を向上させていくことが重要であり、これまでMaaS(Mobility as a Service)やキャッシュレス決済、配車アプリの導入などの普及を促進してまいりました。

これらのデジタル技術を活用したサービスは一定程度普及してきておりますが、システムやデータがそれぞれで発展し、連携することが難しい、いわゆる「サイロ化」「タコツボ化」といった課題への対処が求められております。

このため国土交通省では、昨年4月から地域交通におけるデジタル技術活用の先進事例の創出と標準化を進める新たな取り組みとして「地域交通DX推進プロジェクト」、私どもはこれを「COMmmmONSコモンズ」と呼んでおりますけれども、これを新たにスタートさせたところであります。

この「COMmmmONS」では、システムやデータ、業務プロセスなどの標準化を進めることで、地域の輸送資源のフル活用や共同化・協業化などの地域公共交通の連携、協働の技術的基盤の整備に取り組んでおります。

具体的には、今年度の取り組みにおきましては、鉄道やバスの乗降実績データの仕様や、QRコードを用いたチケット認証の相互運用技術など、多様なテーマで標準仕様をまず設定いたしました。さらに来年度からは、この策定した標準仕様を用いたサービスや業務システムの運用も含めまして、導入への支援として「地域交通DX推進事業」を予算措置として創設しておるところでございます。

引き続き、デジタル技術やデータの力を最大限引き出し、地域交通を持続可能なものとするべく、取り組みの具体化をしっかりと進めてまいる所存であります。

高山聡史
ありがとうございます。まさに標準化がしっかり進むということと、その標準化された内容が各地域にしっかりと伝わって、その標準化の仕組みを使った取り組みの成功事例が各地で広がっていくことが、このテーマにおいては非常に大事であると思います。ぜひ、交通空白をなくすという取り組みがより加速されていくことを期待いたします。

3. オーバーツーリズムと二重価格の考え方について

高山聡史
続いて、オーバーツーリズムと二重価格の考え方について、大臣から一言だけいただければと思います。

金子国土交通大臣
観光施設やサービス等における料金設定については、個々の施設等の状況や地域住民の皆さまへの配慮の観点、観光需要の動向なども踏まえ、二重価格や価格変動制の導入の有無なども含め、一義的には各施設管理者やサービス提供者等において適切に設定されるべきものだと考えております。

国土交通省としましては、各施設管理者等が料金を自律的に検討できるよう、今後、国内外のオーバーツーリズム対策や料金設定の事例も踏まえつつ、ガイドラインの設定等、必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。

高山聡史
ありがとうございます。まさに事例をつくっていくときに、標準の形、これを国が示していくことには大きな意義があると思います。ありがとうございました。


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