【全文】衆議院・予算委員会 質疑/幹事長 高山聡史(2026年3月5日)
2026年3月5日の衆議院予算委員会における、チームみらい 幹事長 高山聡史の質問と、各答弁者からの回答を全文起こしたものです。
質問者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=黄川田仁志こども政策担当大臣、松本洋平文部科学大臣、松本尚デジタル大臣、こども家庭庁 中村英正成育局長
1.病児保育の拡充について
高山聡史
委員長、ありがとうございます。チームみらいの高山です。
本日は、まず、病児保育の拡充についてお伺いいたします。私もこどもがおりますが、朝、こどもが急に熱を出す、これは子育て中の世帯ではいつ起きても仕方ない、おかしくない、そういった日常でございます。そのとき預けられる場所がないとなれば、共働き世帯であればどちらかが休む、あるいは、一人親世帯であればまさにそのご本人が仕事を休む、ということしかなくなるというわけでございます。非正規雇用の方であれば収入にまさに直結しますし、そうでなくても、何回も続くと仕事を続けることも難しくなってしまう。
病児保育は、こういった共働きであったり、一人親であったり、子育てを支える最も基本的なインフラの一つだと思います。ですが、現実には、使いたいときに使えないという声もよく耳にします。そもそも近くに施設がないであるとか、あっても定員が少なくて、朝もう満員になっている、予約が取れない、こういったことが多くあると。
実際に、こども家庭庁の調査においても、病児対応型の施設というのは約6割が年間の延べ利用者数500人未満。これを日数で割ると、少ない人数であるということは分かると思います。大変小規模で、必要なときに受け皿が足りていないという実態がうかがえます。
しかし、これはなぜこうなっているかというと、そもそも、同じ報告書から見えてくる構造は、病児保育施設というのはなかなか経営的に難しい、規模が大きくなるほど赤字の額が大きくなる傾向がある、というところでございます。結果として、各施設が運営を続けるためには、なるべく規模を小さくして、少ない職員の方で受け入れられる児童・こどもの数だけ受け入れて、予約がいっぱいになる。現場の方は大変心苦しいのだと思いますが、お断りをせざるを得ない、そういったことになってしまっているんではないかと思います。この構造を変えていかないといけない。
そこで、黄川田大臣に伺います。まず、「病児保育を使いたいときに使えない」という状態がどの程度広がっているのか、定量的に把握をされておりますでしょうか。施設の有無だけではなく、実際のアクセスのしやすさという観点で、実態が把握された上で、打つ手を考える必要があると思います。いかがでしょうか。
こども家庭庁 中村成育局長
お答え申し上げます。我々、病児保育について、非常にニーズが高まっておる、年々年々利用者が増えている、というところは把握しておりまして、それに応じて施策を重ねてまいっております。その上で、現在どの程度の方が、「申し込んだけれども無理だった」というところは、個々のお話は伺っておりますけれども、全国ベースでちょっと手元に数字はございません。申し訳ありません。
高山聡史
今まだ全国的には把握が十分進んでいないというところ、ご答弁ございましたが、病児保育施設のアクセスのしやすさというのは、地域間の格差もあると認識をしております。自治体ごとにも、どれぐらい施設があって、どれぐらい埋まっているか、という状況には、ある意味格差であるとか違いがある。そして、逆に、利用者の方からすると、自分の家から近いところであれば、隣の自治体であっても行きたい、あるいは、家の近くではないけれども職場の近くにあるからそこに頼りたい、そういったさまざまなケースがあるわけでございます。
施設の空き状況の探しやすさ、というところに関しても課題はたくさんあるように思います。つまり、一つの自治体だけではなく、自分が行き得るところ、そのどこが今空いていて、どこなら頼れるのか、ということを必死で探すようなケースもあるわけです。まさに地域間格差であるとか、あるいは需要と供給、ここは空いているけれどもここは埋まってしまっている、というミスマッチ、こういったものに対して、どう改善の取り組みをしていくか。利用者の利便性を真に高める取り組みについて、今どのようなことをなされていて、どうすべきかというところ、大臣のお考えを伺いたいと思います。
黄川田こども政策担当大臣
ご質問ありがとうございます。病児保育については、委員のおっしゃるように、ニーズに対応した体制整備を進めることが、大変重要かと思っております。そこで、自治体間の広域連携や、利用者の利便性の向上を推進することも、重要ということを認識しております。私たちの取り組みとして、具体的には、空き状況の見える化や、予約・キャンセル等のICT化を行うために、事業者や事業所、また市町村が必要なシステムを導入する場合について、支援をしているところでございます。
また、令和7年度補正予算では、都道府県によるシステムの導入についても、補助対象に加えることを行っております。さらに、令和8年度予算案、この予算でございますが、ここにおきましても、他市町村に居住する方も、予約できるシステムを導入した事業所を新たに評価するということで、的確にニーズの把握に努める、そのことについて支援をしようとしております。
高山聡史
ありがとうございます。まさに、今、来年度予算のところでも、手当てがなされようとしている部分、非常に重要なポイントだと思います。複数の自治体にまたがる形で、この施策が周知をされ、前に進んでいくことを期待いたします。
2.AI for Scienceについて
高山聡史
続いて、また横文字なんですが、AI for Science、すなわち科学研究におけるAIの利活用について伺います。
科学技術研究にAIを使うというところ、大変熱い領域でございまして、2024年、たんぱく質の構造予測を行うアルファフォールドの開発者がノーベル化学賞を受賞いたしました。AIというものは科学研究の在り方そのものを大きく変える時代になっております。文部科学省としても、科学の再興に向けた取り組みの中で、一つの柱としてAI for Scienceを位置づけておられると認識をしており、この方向性自体は、我々チームみらいとしても大変高く評価しております。
しかし、取り組みの規模感というところに関しては、率直に懸念もございます。米国あるいは中国のAI投資規模というものは、ご案内のとおり、日本の数十倍に当たります。そして、欧州においても計算基盤等のインフラに対して5兆円単位の投資を行うということです。こういった状況に対して、我が国の現在の投資規模で、本当にAI for Science、世界をリードする、世界と戦える形になっていくのかというところ、文部科学大臣として率直なご認識を伺いたいと思います。
松本文部科学大臣
科学技術にAIを利活用するAI for Scienceにつきましては、研究の効率性、生産性の向上や研究者の創造性の最大化につながるものとして、類似の取り組みが国際的に急速に進められている、今ご案内のとおりであります。
文部科学省では、令和7年度補正予算に関連予算として総額1,527億円を計上いたしまして、その中で「AI for Scienceによる科学研究革新プログラム」を立ち上げたところであります。重点領域における最先端AI基盤モデル等の開発・利活用を促進する取り組みと、アカデミア全体でAI for Scienceの波及・振興を促進する取り組みを両輪で推進してまいりたいと存じます。加えて、令和8年度当初予算案において、AI駆動型研究開発の強化や研究データ創出・活用の高効率化と、これらを支える計算基盤や研究データ基盤の整備などの取り組みを一体的に進めるため、総額193億円を計上しているところであります。
今後も急速に進展する国際潮流や我が国の勝ち筋を見据えつつ、AIの基礎研究を含めた我が国の研究力強化、および、それを支える研究インフラの構築と、AI for Scienceの推進に向けた取り組みを、産官学で連携して全力で進めてまいりたいと存じます。まずは、このお認めいただいた、そして今ご審議いただいている予算で全力を尽くしつつ、しっかりと必要に応じた予算編成をすることができるように、予算を獲得することができるように、これからも頑張っていきたいと思います。
高山聡史
ありがとうございます。投資金額としても、あるいは計算基盤としても、これで足りるのかという点は、引き続きしっかり検証させていただければと思います。海外の各国が、国家戦略として桁違いの投資を進めている中、我が国としても、しっかりそれに伍する取り組みが必要、そして、それがもし後手に回ってしまうと、我が国の優秀な研究者たちが更に海外に流出するというこにもつながりかねないと思います。
大臣もおっしゃいましたが、今重要なのは、この取り組みをしっかり成果を出していただいて、厳格な効果検証を前提として、これが今の5倍、10倍の予算をつけても費用対効果は合うのだということが示されていく、そういった前向きな結果になるということを大変期待しております。科学技術への投資は、我が国の未来への投資であると思いますので、ぜひ、大臣のリーダーシップの下、これを進めていただければと思います。
委員長、来年度予算において、未来に向けた投資、これはいろいろな質疑でも出ていると思います。十分な踏み込みを持って計画をされているのか、ぜひ、危機管理投資、成長投資に関して集中審議の場をお求めしたいと思います。
坂本委員長
後刻、理事会で協議をいたします。
3.医療DXの推進 パブリック・メディカル・ハブ(PMH)について
高山聡史
ありがとうございます。続いて、医療DXの推進に関して、特にデジタル庁が開発・運営をするパブリック・メディカル・ハブ(PMH)についてお伺いしたいと思います。
このPMHは、医療費の助成や予防接種、母子保健などに関する情報を、自治体と医療機関の間で、デジタル連携する基盤でございます。これが全国に行き渡ることで、たとえば子育て世帯であれば、紙の医療証を持ち歩く必要がなくなる、マイナンバーカード一枚で受診ができるようになるというものであります。
チームみらいとしては、申請をしなくても必要な方に必要なときに行政の支援が届く、こういったプッシュ型の行政を掲げております。また、母子手帳情報のデジタル管理、これによって子育てを切れ目なく支える、こういったことも訴えております。このPMH、医療や母子保健の分野において、まさに基盤となる取り組みであると期待をしております。このPMHの導入、既に令和8年度中に全国規模の導入を目指す、というところを掲げられているものと承知しております。
そこで、まず松本デジタル大臣に伺いたいと思います。全国1,700の自治体すべてでPMHが利用可能になるのは、具体的にいつ頃を目標として、そのための取り組みとしてどういった計画をお持ちでしょうか。具体の計画であるとか、あるいは今後の具体化に向けた大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
松本デジタル大臣
ご質問ありがとうございます。今委員がおっしゃったとおり、パブリック・メディカル・ハブ、情報連携基盤というのは、基本的に、今の医療費助成を受け取るとか、介護、それから予防接種情報、母子保健情報、それから自治体の検診情報、こういったものを自治体とそれから医療機関間で共有しましょうという、いわゆる連携の基盤ということになります。
実は、今、医療費助成のお話があったと思うんですけれども、こういったことを、これまでは、患者さんがマイナ保険証を持っていって、同時に、助成を受けたいための書類を、紙ベースで持っていかなければいけないという手間が非常に生じていた。もう一つは、資格確認をするために、ちゃんとそれが医療機関や薬局でできないので、齟齬が生じるというか誤記が生じてしまう、というような問題があったということを解消しようということでございます。
現状、マイナ保険証一枚で公費負担が受けられるようになっているところというのは、これは自治体と、それからあと細かいところも今からお話ししますけれども、令和6年度までで183の自治体、これは1,700幾つありますから、まだ1割程度なんですけれども、令和7年度までに累計で600を超える自治体に増える、という予定になっています。したがって、自治体全体でいうと3分の1ということになります。
それから、医療機関がいわゆるオンラインの資格確認システムにアクセスしているのが、大体21万施設あるのですけれども、それと今度は逆に、マイナポータルを使って患者さんの側と連携できているのが、大体6万件ということで、29%ぐらいということになります。
大方、自治体がこれをアクセスができるようにしてくれれば、同時に医療費の助成が受けられるようなところには、入っているとは思います。けれども今後、今委員がおっしゃったように令和8年度で全国展開ということを考えておりまして、最終的に令和8年度で100%になるのは、なかなかこれは今大変なのですけれども、我々としては、こういう数字をモニタリングしながら、しっかりと全国展開に向けて進めていきたいと思っております。ありがとうございます。
高山聡史
ありがとうございます。今大臣もおっしゃった自治体でこの導入が進んでいくということと併せて、医療機関や薬局の側で対応が進んでいくこと、この両方が必要であるものと認識をしております。
このデジタル化の恩恵というのは、まさに困っている現場、たとえば、今、こどもの医療費の話でいえば、小さなお子さんを連れて病院に行かれる方であったり、あるいは自治体でも、医療証に関わる事務に関わっておられる方、そして、資格確認を各医療現場でやられている方、この多くの方にとって影響がある、そして、その効率化によって恩恵があると思いますので、ぜひ、来年度にぐっと進めていただければと思います。
そしてチームみらいとしては、このPMHの取り組み、資格確認にとどまらず、自治体であるとか医療機関でデータ連携できることによって、更にプッシュ型の行政サービスを進めることの、重要なインフラとして活用し得るものであると思っておりますので、その辺りについても、ぜひ、今後引き続き議論の場を持たせていただければと思います。
以上で私からの質問を終わります。
