見出し画像

【全文】予算委員会 質疑/幹事長 高山聡史(2026年3月9日)

2026年3月9日の衆議院 予算委員会 集中審議における、チームみらい 幹事長・高山聡史の質問と、各答弁者からの回答を全文起こしたものです。

質問者=チームみらい 幹事長・高山聡史
答弁者=高市早苗 内閣総理大臣、城内実 内閣府特命担当大臣(経済財政政策・規制改革)


1.エネルギー安全保障に関する予算について

高山聡史
本日は、まずエネルギー安全保障についてお伺いいたします。

今回のイラン情勢が日本経済に与える影響として最も直接かつ深刻なのは、エネルギー供給の問題であると思います。先ほど後藤(祐一)委員からも第3次オイルショックというワードもありましたが、我が国は原油輸入の9割以上を中東に依存をしており、その主たるルートであるホルムズ海峡周辺ですでにタンカーへのミサイル攻撃という事態があったわけであります。この石油タンカーの航路における情勢不安というのはすでに現実のものになっていると思います。

そして、先日、赤澤大臣がサウジアラビア、UAE両国のエネルギー大臣との会談をされて、安定供給への協力を求めるということをされたと承知しております。両国からも前向きな回答を得ていると承知をしておりまして、こういった迅速な対応というものは大変すばらしいものだと思います。ただ、これはあくまで現状の供給の継続ということを確認したもので、今後事態が長期化であるとか深刻化した場合の備えというのはまた必要なのではないかと思います。

そこで、総理にお伺いいたします。今回の事態を受けて、たとえば、石油備蓄の積み増しであるとか、LNGの調達先の多様化支援であるとか、再生可能エネルギーや電力安定化への投資の前倒しといったエネルギー安全保障に関する予算について、現行予算であるとか予備費の枠内での対応ということはおっしゃっておりますが、それを超えた積み増しであるとか組み替えが現時点では必要ないというご判断でありましょうか。仮に、今後検討に値するというケースがあるならば、そのタイミングであるとか規模感についてもお考えを伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣
我が国の最優先課題であるエネルギーの安定供給の確保のため、政府として、徹底した省エネルギーですとか、化石燃料の調達先の多角化、備蓄の整備、再エネや原子力といったエネルギー安全保障に寄与する電源の最大限の活用などを進めてまいりました。

その上で、現在の中東情勢を踏まえますと、いざというときに備えた石油の備蓄、LNGの代替調達に必要な国際協力体制の構築の重要性、これをあらためて認識をいたしております。

すでに高市内閣では、活発な資源外交を展開しております。そしてまた、エネルギー安全保障に資する技術の社会実装に向けた取り組みも進めております。我が国のエネルギー安定供給確保に万全を期していくため、まずはエネルギー・資源安全保障の強化を盛り込んだ経済対策や、令和7年度補正予算を着実かつ迅速に執行するということとともに、令和8年度予算および関連法案の早期成立をお願いしたいと考えております。

高山聡史
ありがとうございます。エネルギー安保に係る予算というのは、危機が顕在化してから動くとしても、調達であるとか整備に時間がかかるものであると思います。ぜひ先手で、予算措置に関する検討というのは今後もご検討をいただきたいと思います。

2.中東諸国に対する日本の外交的役割について

高山聡史
次に、総理の外交における役割についてお伺いしたいと思います。2019年6月、当時の安倍総理がイランを訪問されました。これは実に41年ぶりの日本の現職の首相による訪問で、当時、イラン側がトランプ大統領との対話に応じないという中で、日本が仲介の役割を果たす、そして、同年12月にイランの大統領が来日されるということになったと記憶をしております。こういった日本とイランの長年築いてきた関係というのは大変意義深いものであると思います。

今回の状況が過去のものと何か直接に重ね合わせられるものでないということは承知をしておりますが、対米国、対イラン、そしてカタールやオマーンを始めとする中東の諸国、そういった関係において、日本固有の外交的な役割を果たすことで何か大きな意味を持てるのではないかと私は考えております。

そこで、総理に2点お伺いしたいと思います。まず1点目は、日本がこれまで長年関係を築いてきた対イランの外交チャネルというものが足下の状況変化を踏まえてもなお有効であるのかを含め、現在の中東外交の状況というものを総理がどのように捉えられているかということ、現状認識を伺いたいと思います。

もう1点。2点目は、対米あるいは対イランにとどまらず、G7であるとか、先ほど申し上げた中東諸国であるとか、こういった幅広い外交の文脈の中で、我が国が、あるいは高市総理が果たされる外交的役割をどのように考えておられるか、そういった積極的な役割を担う思いがあられるかというところをぜひお聞かせください。

高市内閣総理大臣
それでは、まずイランについて申し上げます。我が国は、地域の大国であり豊富な天然資源を有するイランとの間で長年にわたる関係を築いてまいりました。今般の事態発生後ですが、同盟国である米国との間で緊密に意思疎通をするということもしておりますが、イラン政府との間でも、東京およびテヘランの双方で必要なやり取りを継続しております。

他方で、現在、米国とイスラエルとイランとの間で攻撃の応酬が周辺国も巻き込む形で拡大しており、さまざまな人的、物的被害が発生しています。我が国としては、イランが国際社会の懸念にしっかりと応えて、中東地域の平和と安定のために建設的な役割を果たすことが情勢の鎮静化につながり、ひいてはイラン国民の皆さまの平穏な生活の回復にもつながっていくと考えております。こういった考え方はさまざまなルートでイラン側にお伝えをしてまいりたいと思っております。

それから、イランによる核兵器開発については、決して許されないというのが我が国の一貫した立場です。その上で、我が国は従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してまいりました。これらの基本的価値や原則については、FOIP、自由で開かれたインド太平洋の中核的な理念であります。法の支配を重視する我が国の立場については、FOIPの推進も通じて国際社会にしっかり発信してきました。先週の首脳外交においても、ここをしっかりと確認いたしております。

イランをめぐる情勢につきましても、こうした立場を踏まえながら、事態の早期鎮静化に向けて、国際社会と連携しながら、我が国として積極的な外交努力を行ってまいります。すでに積極的に外交努力はしているつもりでございます。率直な意見交換に加えて、資源・エネルギー安全保障の観点からの交渉も続けております。

高山聡史
ありがとうございます。積極的な役割を果たされる意思というところ、大変重い言葉をいただいたと思います。紛争の状況が複雑化あるいは長期化する中で、対話のチャネルというものは非常に重要なものだと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

3.経済財政政策について

中東情勢緊迫に伴う景気悪化の懸念と財政出動の想定について

高山聡史
続いて、経済財政政策についてお伺いいたします。イラン情勢の長期化が仮に現実のものとなった場合、我が国経済への影響は大変深刻になるおそれがあると思います。先ほどエネルギーの話もございましたが、エネルギー価格の高騰によるコストプッシュ型のインフレ、本日時点ですでに原油の価格というのが1バレル110ドルという水準に至ったと聞いておりますが、原油価格の水準が1バレル100ドルを超えるという水準が続くと、我が国経済に対しても、成長率の押し下げ効果であるとかあるいはインフレ、これが確実に進んでいくということになるかと思います。

もう一つ、金融市場の混乱ということも大きな懸念事項で、まだマーケットは、早期に終結するというシナリオと長期化するというシナリオ、両方、揺れるところがあるかと思いますが、長期化シナリオが織り込まれていく中で、株安のリスクもより顕在化をしていくと思います。

こうした状況が重なると、まさに物価が上がりながら実体経済も株式市場も悪化をして、いわゆるスタグフレーションと申しますか、非常に抜け出すのが難しい状況に陥りかねないということを懸念しております。そうしたときに財政出動ということが必要になるわけですが、財政への信認が問われる形になってしまうと、さらに長期金利の上昇であるとか円安が進む悪循環に陥るというリスクもございます。

我々、来年度予算を議論する中で、元々は、実質賃金もプラスに転じて内需もしっかり回復をしていく、こういった前提のもと、議論をしてきたわけでございますが、そのシナリオ自体が大きく狂うというリスクがある状況だと認識をしております。

その上で、総理にお伺いしたいのが、仮に景気が急激に冷え込むということがあった場合に、政府として発動できる経済財政政策の余地をどう捉えておられるかというところ、たとえば、財政出動のタイミングであるとかその判断基準、日銀との連携等の考え方について、あらためて総理の考え方を伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣
今ご議論いただいております来年度予算について、この大きな方向性について変更は考えておりません。何としても強い経済をしっかりとつくっていく、そして税率を上げずとも税収が増えていく、そういった姿をつくっていく。そうでなければ社会保障も含めて日本の国内はなかなか回っていかないと思っておりますので、その方向性をお示ししている政策については変わりません。

ただ、中東情勢による日本経済への影響ということですが、現時点で、これが短期で終わるのか中長期化するのか、予断を持って判断するということは困難です。ですから、まずは物価高対策、それからエネルギー・資源安全保障の強化を盛り込んだ経済対策、令和7年度の補正予算を着実かつ迅速に執行するということが重要です。

エネルギー・資源安全保障の強化については、かなりしっかりとした施策を盛り込んでまいりました。それから、令和8年度予算及び関連法案の早期成立を図っていただくということについても重要だと考えております。その上で、政府としては、原油価格等の動向、これはしっかり見ております。また、世界経済の動向、それに伴う国際貿易、物流、エネルギー価格などをはじめとした物価への影響、これをしっかり注視し、必要な対応については相当なスピード感を持って手を打ってまいります。

高山聡史
ありがとうございます。今いただいたことに対して、ぜひ1点ご提案させていただきたいと思います。

まず政府内々にということでも構わないかなと思うのですが、あらかじめ、どういう状況になったらどういう打ち手を打つかというところのご検討をぜひ深めていただきたいというものでございます。

たとえば、今もありましたが、原油価格がどういう水準になったら何をするということであるとか、あるいは、実質賃金がどの程度低下をしたらそれに対する手を打つであるとか、日銀との政策協調、どのタイミングでどういうコミュニケーションをするかであるとか、これは日頃からシミュレーションされていることとは思いますが、あらためて、それが現実のものになる可能性が高まっていると思いますので、そういったシナリオプランニングというところはぜひお願いしたい。

それを、今この場で具体的な数字をと申し上げると、よりややこしいというところもあるかと思いますので、検討をしっかりしていただいた上で、あるべき枠組みのあり方についても議論は深めさせていただきたいと思います。

経済危機局面における戦略的投資・危機管理投資について

高山聡史
加えて、もう1点。やはりそういった、スタグフレーションであるとかあるいは経済的な危機に近い状況においては、短期に対する対応ということがよりプレッシャーがかかる状況であると思いますが、来年度予算でも中長期に向けた取り組みということは議論を我々はしてきたわけで、それに関するご質問を続いてさせていただきたいと思います。

まず、危機的な局面で財政にも圧迫がかかると、最初によく見直しの俎上に上がりやすいのが、すぐに効果が見えづらい、ある意味での中長期的な戦略投資ではないかと思います。足下の痛みが大きければ大きいほど、そして緊急度が高ければ高いほど、今すぐ効果が見えないのであれば一旦落ち着くまで後回しにするという政治的な圧力が高まるということは、これは国内外を問わず、過去、経済危機であったりとかあるいは安全保障上の緊張状態に陥った国では多く繰り返されてきたパターンではないかなと思います。

一方で、その都度そういった戦略投資が後回しにされると、危機が落ち着いた後に、その間競争力を失っていたというような国もまた多くあるのかなと思います。

たとえば、リーマン・ショックの際も、各国の対応によってその後の競争力には差が出てきたのではないかなと思います。当時、R&Dの投資であるとかインフラ、教育、そういった投資を維持できたかどうかというところで、危機以降の回復であるとか、あるいは成長というところに差が出てきたものと認識をしております。そこで戦略投資を削ってしまうと、危機自体は乗り越えても総体的にじり貧になってしまうということが懸念される。

高市政権においては、まさに責任ある積極投資ということで、戦略的投資はやり切るんだということをおっしゃっておられます。未来にしっかりと投資をするということは、我々チームみらいとしても強く共感をするところでございます。

そして、今回のイラン情勢というものは、まさに危機管理投資の意義というものも浮き彫りにしていると思います。純粋な経済的価値、経済的な意味での投資ということに加えて、危機に際して強い日本にするということですね。

そこで、総理にお伺いしたいと思います。今回、中東情勢が長期化、あるいは経済的な意味で悪化をして財政への圧力が高まるという局面が訪れたとしても、高市内閣が掲げる戦略的投資の方針は変わらないということをおっしゃっていただけますでしょうか。ぜひ決意を伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣
中東情勢が経済に与える影響について、現時点で予断を持ってコメントすることはしません。その上で、我が国の経済の成長に向けて圧倒的に足りないのは資本投入量です。すなわち国内投資ですから、その促進に徹底的なてこ入れをしていく考えは変わりません。

つまり、産業政策の大競争時代に世界が突入している中で、我が国が経済成長を実現するために必要な財政出動をためらうべきではないと考えております。

城内経済財政政策・規制改革担当大臣
お答えします。今、高市総理がお答えしたことに尽きると思いますけれども、いずれにしましても、いろいろな具体的な中東情勢の影響について、予断を持って具体的なコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、政府としては、原油価格等の動向、あるいは世界経済の動向、そしてそれに伴う国際貿易、物流、エネルギー確保をはじめとした物価への影響など、しっかり日々注視しておりますが、必要な対応につきましては、必要が生じたらスピード感を持って手を打っていくということであります。

いずれにしましても、引き続き、中東情勢が経済に与える影響を注視し、経済、物価動向においてしっかり対応してまいりますし、政府としては、成長戦略、17の分野についてやっていくということについては、この姿勢についてはまったく現時点では変わりはございませんので、しっかり高市内閣の成長改革の肝である危機管理投資、成長投資については取り組んでまいります。以上です。

高山聡史
ありがとうございます。国内投資が足りないという状況をしっかりと変えるんだということ、そして、17の分野の投資をやり切るという高市総理そして城内大臣のお言葉、しっかりと受け止めさせていただきたいと思います。

まさに、投資が途中で中途半端な形になるのではなくしっかりと実施をされるということ、そして、その投資の効果に対してしっかりとした検証がなされて、次年度以降もそれが健全な形で継続をされるということが、我が国の成長に対して欠かせないものであると思います。

チームみらいとしては、この成長投資、アクセルをしっかり踏むということと、そして、その内容の科学的な検証がなされて、さらに、どこをアクセルを踏んでどこにブレーキをかけるかという議論をぜひ今後ともさせていただきたいと思います。

こういった危機に際して、それを変革のきっかけであるとか、あるいは、こういった状況においてもしっかりとやり切れるんだということを国内外に示すということに大変大きな意義があるものであると私は認識しております。今後ともよろしくお願いいたします。これで私の質問を終わります。