第108回全国高等学校野球選手権大会 10日目
どうも、おはようございます。
本日の3試合で、ベスト16が出そろいます。終盤までもつれ込む接戦が非常に多い今年の夏。一時代前よりも、昨今は投手の継投のタイミングが重要な感じもしますね。流れを断ち切りたい場合や、逆にいい流れをうまく切らさない継投。DH制も加味し、エース一人にかかる負担は軽減しつつある傾向です。選手層の厚さが、今後の高校野球のポイントになるかもわかりませんね。
本日は3試合日。よろしくお願いいたします。
大会第10日 第1試合
花巻東(岩手)VS岡山学芸館(岡山)
【花巻東、新田との接戦を4-2で制す】
花巻東が新田との1回戦を4-2で制し、初戦を突破した。2回、二死二三塁から8番・斎藤がレフトへ先制タイムリー。4回には一死満塁から築山の暴投で追加点を挙げると、6回には久保村のタイムリーツーベースでリードを3点差に広げた。しかし直後の6回裏に新田も秋山のタイムリーで1点差に詰め寄り、5回にも1点を返されるなど、終盤までもつれる緊迫した試合展開となった。8回には萬谷の犠飛でもう1点を加え、突き放した。
打線は8安打4得点。4番・古城が3打数2安打で出塁を重ねる勝負強さを見せ、久保村も2打数1安打ながら二塁打で追加点を演出した。萬谷は2打数1安打ながら犠飛で貴重な追加点を挙げるなど、投打で存在感を示している。斎藤・久保村ら中軸から下位まで幅広く得点に絡み、つないで加点する形が随所で見られた一戦だった。
投手陣はエース萬谷が7回を投げて2失点、被安打6、奪三振4とまとめて試合をつくった。8回途中からは赤間、9回は菅原が無失点で締め、3投手による継投で逃げ切っている。
小刻みな加点と終盤の追い上げをしのいだ継投で、接戦をものにした花巻東。次戦に向けても、この投打のバランスがどこまで通用するかが注目される。
【岡山学芸館、序盤の逆転を跳ね返し7-3で初戦突破】
岡山学芸館が鳥取城北との1回戦を7-3で制した。3回に竹本の適時二塁打で2点を先制したが、直後の3回裏に3点を取られて逆転を許す苦しい展開に。それでも6回に繁光・小笠原の絡みで再逆転すると、藤原の適時三塁打でリードを広げ、7回・9回にも加点して突き放した。
打線はスタメン9人合計9安打・7得点と、地方大会で見せていた「つなぐ野球」がしっかり機能した内容だった。藤原は4打数2安打・打点1で、6回には三塁打も記録。竹本は先制の適時二塁打を含む2安打・打点2、小林も2安打・打点2と、上位から下位まで得点に絡んだ。地方大会でチーム打率.197という低打率だった打線が、初戦では9安打を放つ結果を残している。
投手陣は先発の田路が8回2/3を投げ、被安打6、与四球2、失点3・自責点3。地方大会で見せていた「大事な試合ほど託される」エースとしての役割をそのまま担い、序盤の逆転を許しながらも粘り強く投げ続けた。最後は的場が0.1回を無失点で締めている。
序盤の逆転を許しながらも、再逆転で試合をひっくり返した岡山学芸館。「つなぐ野球」の象徴だったチーム打率.197という低さを覆す9安打の攻撃力を見せ、田路の粘投も含めて、地方大会で貫いてきた「1点差を守り切る力」とは違う、打ち勝つ強さを示した一戦だった。
【展望】
接戦を4-2で制した花巻東と、序盤の逆転を跳ね返し7-3で初戦突破した岡山学芸館。ともに一筋縄ではいかない苦しい展開を乗り越えて勝ち上がった初戦だった。花巻東は萬谷が7回2失点とまとめ、赤間・菅原の継投で終盤の追い上げをしのいでいる。対する岡山学芸館は田路が8回2/3を1人でほぼ投げ切り、序盤の逆転を許しながらも粘り強く試合をつくった。
花巻東は古城・久保村ら上位打線で、田路の粘り強い投球にどう対応するかが焦点。一方の岡山学芸館は、藤原・竹本・小林ら初戦で9安打を放った打線で、萬谷を中心とした花巻東の継投をどこまで崩せるかが鍵となる。投手陣を見ると、花巻東は萬谷・赤間・菅原の3投手がそれぞれ無失点あるいは限定的な失点で試合を締めており、継投のバランスが機能している。岡山学芸館は田路が自責点3を許しながらも粘投で試合をつくった内容だった。ともに打線に力があるチーム同士だけに、点の取り合いも十分あり得る一戦だが、継投のかみ合い方を評価して、ここは花巻東を優勢とみたい。
大会第10日 第2試合
鳴門渦潮(徳島)VS霞ヶ浦(茨城)
【鳴門渦潮、延長10回タイブレークをサヨナラで制す】
鳴門渦潮が八王子実践との1回戦を2-1で制し、初戦を突破した。2回に荒井の犠牲フライで先制すると、9回に代打・金子の適時打で追いつかれ、大会初のタイブレークにもつれ込む展開に。迎えた延長10回裏、2番・山本の左安打でサヨナラ勝ちをつかんだ。
投手陣は先発の西村が10回128球を1人で投げ抜き、被安打5、与四球4、奪三振5、失点1・自責点1という粘投で完投勝利を収めた。9回に同点を許す苦しい場面もあったが、そこから崩れることなく延長タイブレークまで投げ切り、エースとして最後まで試合をつくり切った内容だった。
打線は6安打2得点と決して多くはなかったが、要所での一打が光った。山本は3打数1安打、延長10回にサヨナラの一打を放ち、投打で存在感を示した。浜は5打数2安打で出塁を重ね、西岡・荒井もそれぞれ安打を放って得点に絡んだ。犠打を絡めた小刻みな攻撃が持ち味の「守り勝つ・つなぐ野球」が、そのまま延長戦での勝負強さにつながった一戦だった。
鳴門渦潮は現校名としての甲子園初勝利を挙げた。西村の粘投と土壇場での一打で、「出るからには勝って校歌を歌いたい」という主将・西岡の思いを、まずは一つ実現させる形となった。
【霞ケ浦、5回に勝ち越して6-3で中京を下す】
霞ケ浦が中京との1回戦を6-3で制し、初戦を突破した。1回に加藤の後逸で先制を許したが、3回に相田の適時打で追いつくと、5回に村上の適時二塁打で勝ち越し。6回には野口・相田の連続適時打で加点し、7回にも1点を追加してリードを広げた。中京の反撃も7回に2点に留め、そのまま逃げ切っている。
打線は7安打6得点。9番・相田が4打数3安打・打点2の固め打ちで存在感を示し、村上も5打数2安打・打点2と勝負強さを発揮した。野口も適時打を放ち、中軸から下位まで幅広く得点に絡んだ。
投手陣は先発の小林が6回1/3を投げ、被安打5、与四球4、奪三振7、失点3・自責点2とやや制球に苦しむ場面もあったが、要所を締めて試合をつくった。継投の稲山は2回2/3を無失点に抑え、しっかり試合を締めくくっている。
序盤のビハインドを跳ね返し、終盤まで加点を続けて突き放した霞ケ浦。稲山の粘投と相田・村上を中心とした打線の勝負強さで、初戦を危なげなく突破した一戦だった。
【展望】
延長10回タイブレークをサヨナラで制した鳴門渦潮と、5回に勝ち越して6-3で中京を下した霞ケ浦。ともに苦しい場面をしのぎながら初戦を突破したチーム同士の対戦だ。鳴門渦潮は西村が10回128球を1人で投げ抜き、9回に同点を許しながらも延長までしっかり試合をつくった。対する霞ケ浦は先発・小林がやや制球に苦しんだものの、稲山が2回2/3を無失点に抑え、終盤まで加点を続けて突き放している。
鳴門渦潮は浜・山本ら要所での一打で得点を重ねる打線で、小林・稲山の継投をどこまで崩せるかが焦点。一方の霞ケ浦は、相田・村上ら勝負強い打線で、西村の粘り強い投球にどう対応するかが鍵となる。投手陣を見ると、鳴門渦潮は西村が128球を1人で投げ切った直後という点が気がかりな一方、霞ケ浦は小林・稲山の二枚看板でリレーできる分、負担は分散されている。ともに打線に力のあるチーム同士だけに、点の取り合いも十分あり得る一戦。わずかながら、継投で分散できる分、投手陣に余力のある霞ケ浦を優勢とみたい。
大会第10日 第3試合
日南学園(宮崎)VS横浜(神奈川)
【日南学園、9回サヨナラで明徳義塾を破る】
日南学園が明徳義塾との1回戦を2-1で制し、初戦を突破した。1回に里山の適時打で先制を許す苦しい立ち上がりとなったが、7回に鬼塚の犠飛で追いつくと、9回二死一二塁から豊丸のレフト前タイムリーでサヨナラ勝ちをつかんだ。
投手陣は先発の田中が2回で降板したが、2番手・谷口が7回を無失点、被安打6、与四球3、奪三振6という力投で試合をつくった。地方大会で見せていた谷口・田中の「左右で使い分けられる二枚看板」という継投が、初戦でもそのまま機能した形だ。
打線は10安打2得点。3番・田中は3打数2安打・打率.667、鈴木も4打数2安打・打点1と勝負強さを見せた。荒木・豊丸もともに2安打を放ち、上位から中軸まで幅広く安打が生まれた一戦だった。9回のサヨナラ打を放った豊丸は、地方大会で見せていた打率.500の勝負強さを、甲子園の大一番で改めて証明した形となっている。
明徳義塾を相手に接戦を制し、初戦を突破した日南学園。谷口の粘投と、終盤に勝負強さを見せた打線で、過去2年続けて上位で涙をのんだ悔しさを、初戦突破という結果につなげた一戦だった。
【横浜、織田の139球熱投で7-2と昨夏王者を撃破】
横浜が沖縄尚学との1回戦を7-2で制し、初戦を突破した。2回に脇山・千島の連続適時打で2点を先制すると、3回にも江坂の適時打で加点。6回には千島・小野・川上の適時打で一挙4点を追加し、相手を突き放した。
投手陣はエース織田が8回2/3を投げ、139球、被安打6、与四球3、奪三振12、失点2・自責点2の内容で試合を締めくくった。球数がかさみ与四球も3個記録するなど完全に抑え込んだわけではなかったが、12奪三振という奪三振力で要所を締め、打線の援護もあって危なげなく試合を進めた。
打線は10安打7得点。9番・千島が4打数2安打・打点2、8番・脇山も3打数2安打・打点1と、下位打線が大暴れした一戦だった。江坂も2安打・打点1を記録し、上位から下位まで隙のない攻撃力を示す内容となった。
昨夏王者・沖縄尚学を相手に、投打ともに力を発揮して初戦を突破した横浜。織田の奪三振力と、上位から下位まで切れ目のない打線で、総合力の高さを証明する一戦だった。
【展望】
9回サヨナラで明徳義塾を破った日南学園と、織田の139球熱投で昨夏王者・沖縄尚学を7-2で撃破した横浜。ともに強豪相手に力を示した初戦だった。日南学園は谷口が7回無失点の力投で試合をつくり、終盤に豊丸のサヨナラ打で接戦を制している。対する横浜は織田が139球を投げて12奪三振と圧倒し、打線も上位から下位まで10安打7得点と隙のない攻撃力を見せた。
日南学園は田中・鈴木・荒木ら初戦で結果を出した打線で、織田の奪三振力にどこまで対応できるかが焦点。一方の横浜は、千島・脇山ら下位打線まで機能した攻撃力で、谷口の粘り強い投球をどう崩せるかが鍵となる。投手陣を比較すると、織田が12奪三振と圧倒的な内容を見せた一方、日南学園も谷口が7回無失点とまとめており、両者とも初戦から高い水準の投球を披露した。打線の総合力では10安打7得点を記録した横浜がやや上回る印象で、ここは横浜を優勢とみたい。
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