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【ITリテラシーまんが】AI関連サイトから始まったサポート詐欺 便利さの前に、少し立ち止まる

AIツールを調べていただけなのに

2026年8月、葬祭事業を手掛けるエスケーアイマネージメントが、サポート詐欺をきっかけとした不正アクセス被害を公表しました。

始まりは、特別なことではありません。

従業員が仕事で使う資料を作るため、AIツールについてWebで検索していたところ、突然警告画面が表示されました。

そこには、サポートセンターへ連絡するよう案内が表示されていました。従業員が表示された案内に従って連絡すると、サポート担当者を名乗る人物から遠隔操作ソフトをインストールするよう指示されたといいます。

ここから被害が始まりました。

何が起きたのか

流れを時系列で見ると、今回の怖さがよく分かります。

8月7日
AIツール関連のWebサイトを検索・閲覧

突然、警告画面が表示される

表示された案内先へ連絡

指示された遠隔操作ソフトをインストール

第三者に業務用PCを遠隔操作される

従業員が異常に気づき、社内のシステム担当者へ連絡

同日中にPCのネットワーク接続を遮断

ここまでの対応は比較的早いものでした。

しかし、8月10日の再調査で、個人情報を含む約4,000ファイルが削除されていたことが確認されました。8月11日には個人情報保護委員会へ速報を届け出て、警察にも相談しています。

なお、「約4,000件」は人数ではなくファイル数です。

公表時点では外部へ情報が持ち出された事実は確認されておらず、SNSやダークウェブなどでの情報拡散や二次被害も確認されていません。ただし、第三者による遠隔操作が行われたため、情報漏えいの可能性を完全には否定できないとしています。

どこが危なかったのか

今回、ぜひ考えてほしいのは、

「怪しいAIを使ったから被害に遭った」

という単純な話ではないことです。

AIツールを調べる。
検索結果からWebサイトを開く。

今では誰でも普通に行うことです。

その途中に偽の警告が現れ、**「危険です」「今すぐ電話してください」**と焦らせる。

人は急かされると、

「早く直さないと」
「仕事のデータが消えたら困る」
「会社に迷惑をかけたくない」

と考えてしまいます。

そこを狙うのがサポート詐欺です。

電話した後がさらに危ない

サポート担当者を名乗る相手から、

「確認するため、このソフトを入れてください」

と言われても、安易に遠隔操作ソフトを入れてはいけません。

遠隔操作ソフト自体は、正規のITサポートでも使われるものです。

問題なのは、誰に操作権限を渡しているのか分からない状態でインストールしてしまうことです。

PCを遠隔操作されれば、保存されているファイルを見られたり、コピー・移動・削除されたりする可能性があります。

仕事のPCなら、自分だけの問題では済みません。

顧客情報、取引先情報、従業員情報など、周囲の人の情報まで巻き込む可能性があります。

AI時代だからこそ「便利そう」で判断しない

これからAIはもっと身近になります。

便利なサービスも、新しいツールも、次々と登場するでしょう。

だからこそ、

「AIだから危険」でも、
「有名そうだから安全」でもありません。

新しいサービスを使う前に、

  1. 運営元は信頼できるか

  2. 何の情報を入力するのか

  3. 業務情報を入れても問題ないか

  4. 本当にそのソフトをインストールする必要があるか

  5. 少しでも変だと思ったら誰に相談するか

を一度確認する習慣が必要です。

便利さだけを見て飛びつかない。

これからのITリテラシーでは、かなり重要な考え方だと思います。

子どもだから、大人だからではない

ITトラブルというと、

「高齢者がだまされるもの」
「ITに詳しくない人が引っかかるもの」

と思われがちです。

でも、今回のような手口は年齢だけで判断できません。

仕事中で急いでいたり、もっともらしい警告が表示されたりすれば、誰でも判断を誤る可能性があります。

だから大切なのは、

ITを使う人みんなが、少しだけ意識を持つこと。

難しいセキュリティ技術を覚える必要はありません。

「これ、本当に大丈夫?」

と一度立ち止まるだけでも違います。

企業なら「個人の注意」だけに任せない

企業の場合は、従業員へ「気をつけてください」と伝えるだけでは不十分です。

少なくとも、

  • 警告画面に表示された番号へ電話しない

  • 遠隔操作ソフトを勝手にインストールしない

  • 新しいAIサービスを業務利用する場合のルールを決める

  • 異常を感じたときの社内連絡先を明確にする

  • 業務PCへ必要以上の個人情報を保存しない

といったルールを、誰でも分かる形にしておくことが大切です。

今回の会社も、今後は外部機関による調査に加え、従業員へのセキュリティ教育など再発防止に取り組むとしています。

便利さの前に、リスクを考える

AIそのものは、とても便利な技術です。

使わないほうがいい、という話ではありません。

むしろこれからは、仕事でも生活でも使う場面が増えていくでしょう。

だからこそ、

便利に使う力と、安全に使う力。

両方が必要になります。

警告が出たら、すぐ電話する前に確認する。
ソフトを入れる前に、本当に必要か考える。
分からなければ、一人で抱えず相談する。

子どもでも大人でも、社員でも経営者でも同じです。

年齢や立場は関係ありません。
ITを使うみんなが、少し立ち止まって考える。

その意識が、自分だけではなく、会社や家族、周りの人の情報を守ることにつながります。

便利さの前に、リスクを考える。
それが、これからのITリテラシーです。

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