メディアにおける過剰演出や、スポーツやGPSを使った遊びでのトラブル事例
メディアは、面白いネタを提供するためには誇張演出してもいいのか?どこまでOKなのか?公道を使わせて頂くスポーツのトラブルと注意点は?
のような話で参考になりそうな事例や体験について解説します。
①進め!電波少年
このTV番組、とても面白かったのですが、猿岩石のヒッチハイクでは、全ての工程をヒッチハイクで移動したように演出しながら、実際は安全上の理由で危険地帯を回避するために飛行機を使った区間があり、炎上しました。
当時の空気感では、視聴者に飛行機を使ったことを誠実に報告したら、少し興ざめして番組の面白さは半減したかもしれませんが、番組を見て真似して旅しようとした人が予定を組む過程で嘘だと気づいたり、気づかず国境に行って危険な目に遭ったり、現地の旅行業界の人がTV局の虚偽演出の尻ぬぐいに巻き込まれる迷惑があるのなら、仮にTV視聴者数が100万人で迷惑被る人が100人程度ぐらいの差があろうとも、非難を受けるのも仕方がないだろう、と勉強になったのを覚えています。
②進ぬ!電波少年
なすびの懸賞生活は、現代の倫理基準だと人権侵害事件扱いらしいです。25年前だと芸人さんに人権がないような雰囲気でしたからね・・・。
こうした事件は、番組製作者側が再発防止をすればよく一般視聴者には関係ないようにも見えますが、一般人が動画を作る側に立った時に、ずんだもん虐待が流行っているから真似しよう、みたいな染まり方をしてしまうこともあると思うので、人権意識向上に役立つ事例として挙げました。
③エッグ矢沢さん
壮絶なことが書かれてます・・・。昔の芸能界、ヤバイですね。
④スタッフが美味しくいただきました
単純ではない難しい話に感じました。子供向け道徳教育と大人の娯楽は別の話ですし、安直にルール作ると、実際には食べ物を粗末にしておきながらこのセリフを表示しておけばいいんだろ?みたいに流される人もいると思います。
⑤公共の場所でのトレーニングで気を付けること
プロにせよアマチュアにせよ、高強度のトレーニングを公道で行う場合は、他人に迷惑をかけない配慮が必要になると思います。整備された路面でクローズドな運動場の中なら全速力でトレーニングできても、路面がいまいちで歩行者や信号がある一般道で全速力を出したりしたら、危険かつ迷惑でしょう。
東京の荒川サイクリングロード下流では、自転車の暴走に対するクレームから、自転車に対する規制を求める声も上がっていて、マナーの良い自転車乗りからすると、マナーの悪い自転車乗りのせいで規制されたら非常に迷惑な話です。
※同様の話で、登山界隈でのトレランのマナーの話や、皇居ランナーに対する歩行者からのクレームの話もあります。
そのためマナーの悪い人を見つけた場合、関わらないでおこうと思うことがほとんどでありつつも、あまりにもひどい暴走を見かけたら、自分達の文化や居場所を守るためにアクションを起こさないといけないと思い、勇気を出してアクション起こす場合もあるかもしれません。
※余談ですが、県庁所在地の人通りや信号がそこそこある道路でグロス時速10~20Kmのランニングのログを見せられた時には、危険走行の可能性を指摘すべきか悩みました。
⑥GPSログで起きる誤解について
GPSログの数値の解釈は当事者以外には難しいことがあります。スキーで時速70Km、自転車で時速50Kmを瞬間的に記録する、というのはアマチュアでもおかしくないのですが、読み手の多くは危険な印象を受けるのではないでしょうか?
ログの読み方も、平均速度と瞬間最高速度は違いますし、移動平均速度と休憩を含めたグロス値も違います。70Kmや50Kmでも安全か危険かはシチュエーションによって変わりますが、実際の滑走or走行風景を見ずにログだけで判断するとバイアスや推測が入り込みやすいです。つまり炎上しやすいのです。
そのため、動画を作る際などは、危険だと誤解されるような数値には敏感に気付いて編集できるとよいでしょう。インパクトのある数字は大きく露出させたいと思うことがあると思いますが、炎上するリスクも考慮必要です。また、日頃からSNSで信用を蓄積してフォロワーを増やしておくと、炎上した時に味方になってもらえて沈静化させやすいのではないかと思います。
⑦位置ゲー(Ingress)のトラブル
2016年頃、Ingressという位置ゲーが流行していました。このゲーム、2陣営に別れて争うのでフレーミングが起こりやすいことと、位置情報の偽装を運営側が防ぐことが困難だったので、様々なトラブルがありました。
・規約で禁じられている複アカ
・寺社や住民の視点ではプレイヤーは不審者
・位置偽装が技術的に可能
・不正の決定的証拠が掴めない段階でのプレイヤーのストレスの爆発
・運営が不正に対応してくれない状態でのプレイヤーのストレスの爆発
・不正の証拠を掴んだ後に起きるリンチ
・ゲーム上で合理的に遊んだだけなのにストーキング被害を訴えられる
・プライバシー問題(無防備に遊ぶと自宅や通勤通学ルートがバレる)
MMO系のフレーミングもヤバかったですが、Ingressは別格でした。
※このようなトラブルがあるにも関わらず、それを上回る面白さと中毒性があったのも別格でした。
運営も放置していたわけではなく、BOTや偽装と思われる挙動にペナルティを課したりしたものの不完全でした。対策の副作用で、飛行機で移動すると高確率で位置偽装疑惑のペナルティを食らったり、睡眠時間以外ゲームし続けるような廃人プレイヤーがBOT判定で凍結される事件もあり、不正プレイヤーと生身の人間との区別や、仕様上のバランスの取り方は難しかったようです。
⑧位置ゲーでのタイム競争(Ingressのミッション)
Ingressにはミッションと呼ばれるオリエンテーリングのような機能がありました。簡単なものは数分、大作ミッションだと丸一日かけてクリアするようなものもあり、
初期のMD(ミッションデー)では1日クリアの難易度が高い分、達成した時の満足度が高くやりがいがありました。1日クリアは、
・マナー良く移動すること
・タイムを縮めること
の利害が衝突する競争になりやすいので、交通法規を完全に守りつつ、その枠内でいかに最善を尽くすか、という観点を気にしていた記憶があります。
※その後、MDの難易度は大幅に下がりトップを取っても自慢にならなくなるにつれ、タイム競争のリスクは激減したのではないかと思います。
※ちなみに午前0時にミッションが生えて不審者(プレイヤー)が徘徊し始める仕様は今でも続いてるんですかね・・・?→【追記】現在は改善されているようです。
実際に交通マナーの悪い人を目撃してしまうこともありますし、タイムを競おうとしても信号無視する人に勝つには圧倒的な体力差が必要となることも体感できてしまうので、タイムを競う競技は基本的にクローズドなコースで審判を置くべきだろうと思うなど、公道で遊ぶ難しさについて理解が深まりました。
⑨ブルベの良さについて
自転車界にはブルベというイベントがあります、他のスポーツと違う特徴としては完走を認定するという形式で、タイムを競うイベントではないこと、交通法規や安全が重視されることでしょう。
交通法規が重視されるとはいえ、完璧に近く守る人とルーズな人の間で摩擦があったり、不正走者の疑惑指摘などが稀にTLにあったりしますが、おおむね心地よい文化が醸成されていて、他者と競うより自分自身との闘いの枠組みになっていることが健全性に寄与しているのかな?と推測しています。
また、スポーツの中でトップクラスで電子機器が普及している種目の1つで、GPS等を使い科学的に数値と向き合っている分、GPS偽装や不正冤罪に対する弁護でも強い界隈ではないかと思います。
⑩エクストリームスポーツでの不正対策と安全対策
競技場内で完結するスポーツに比べ、広大なエリアで行うスポーツは監視しきれないので不正が入り込みやすくなりますが、チェックポイント通過ルールにして不正を防いだり、シークレットチェックポイントを追加したり、参加者が他参加者の不正の証拠写真を送ったらペナルティを付与できる仕組みを作って不正を抑止したり、スポーツでは公平性の維持のために様々な努力が行われています。
安全性を高める工夫としては、安全装備を省略したら失格にしたり、発信機を携行させたり、海を渡るチャレンジなどでは伴走艇を用意する、などがあります。TJARなどはルールも毎回細かく変化していて、安全性と公平性を保つために工夫され続けているのを感じます。
⑪先達の注意書きから学ぶべきこと
前に「スタッフが美味しくいただきました」の注意書きの例を出しましたが、廃墟探索系レポでは次のような注意書きも見るかと思います。
・地権者の許可を得ています、または、許可を得ていないので自己責任で、のような注意書きを何故するのか?
・普段は立ち入り禁止の場所ですが今回は許可を得て撮影しました表記を何故するのか?
・安全に配慮して行っている旨をいちいちアピールするのは何故か?
この手の文言は、他人が安直に真似してトラブルが起きるのを防ぐためだけでなく、書き手が違法行為や危険行為をしていると読者が誤解するのを防ぐためにも役立ちます。
※合法安全と言い切れないから真似するなら自己責任で、と伝えたくて書いてる場合もあります。
注意書きを略すか略さないかに必ずしも正解はありません。どちらにするかは、自分の責任回避の観点だけでなく、読者の心に誤解や疑念のノイズを発生させないために注意書きを書いた方が良いか?、という観点も加えて頂ければと思います。
※自分に都合よく嘘を書くのは駄目ですよ。もちろん。
最後にまとめ
このように様々な事例が世の中には存在しますので、エクストリームな出来事のレポを書いたり動画を作ったりする際には、
・演出はどこまで許容されるか、どこから虚偽or過剰と非難されるか
・露出させたくない内容に関して、隠した方がプラスになる場合と、隠すと炎上リスクが上がってマイナスになる場合の違い
・GPSの注意点
・公道で遊ぶ際の注意点
について、ご参考にして頂けましたらと思います。
おしまい!
