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みみずく通信#07 | 耳をすます


◯月×日

雨の日を、とくべつな日にしてくれた生きものがいる。

その生きものは人前になかなか姿を見せないそうで、何度か「ここに住んでいるらしい」と巣のあるところへ連れて行ってもらった時も会うことはできなかった。

ただ、連れて行ってくれたその人がその生き物について話す時のなんとも言えない顔(嬉しそうに、でも「みんなに話してるわけじゃないんだよ」というヒミツがちょっと混じっている)と、「どうしてもその声を聞いてほしい!」と感じさせてくれるような素振り(そこへ向かう道中のしっかりした足取り、それから鳴き声が聞こえるまで巣の前で待ち続ける粘りづよさ)にずっと心がひっぱられていて、「いつか会えたらいいな」と願っていた。


雨が続いた日、体が鈍るような感じがあったので、散歩がてら近所の林まで出かけた。

早春の森の散策ですっかり目を鍛えられていたので、その日は「もしかしたら何か発見があるかも……」と、道から外れて、いつもなら入らない雑木林の中に入ってみた。


背の高い針葉樹が傘になってくれ、雨は少し小降りになる。

蛇行して流れる小さな小川に沿って歩く。

雨と泥が音を吸い込んで、しんとした空間がつづく。


その音が、土の壁から聞こえてきた。

土の棲家で合唱する“タゴガエル”の姿をおもって、じいっと耳をすましてみる。

結構な雨だというのに、負けじとにぎやかな声。
彼らは一体どんな顔をしていて、何匹で鳴いているのだろう。



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