みみずく通信#05 | あたらしきものはかわいらし
◯月×日
春は何かといそがしくて、5月はあっというまに過ぎてしまった。
もう初夏。
今のうちに書いておかないと、季節はどんどんめぐっていってしまう!
…というわけで、振り返っての記録です。
案内人のツアーに同行しようにも4月5月は予定が合わず、とはいえこの時期は森がもっともうつくしい季節。4月の終わりから5月の頭にかけて、幾度かひとりで森に通った。
とにかく緑がまぶしい。
木々がみずから発光してるのでは?と思わされるくらい、森には光が注いでいる。花の名前がわからなくても、ひっそり咲く花を見つけられなくても。あたらしい緑にふれて歩くことがただただたのしかった。
この日、朝から降り続いた雨があがったばかりの午後、いつもの森を訪ねた。
日陰に入ればまだ寒さもあった3月。その時出会ったちいさくはかない花々とはちがって、この時期の花や緑は色も形も少しずつ勢いのあるものになっている。
そして、水を豊富に含んでいる森。
ぬかるみの上を歩き、土から蒸気がのぼり、川はごおごお音をたてて流れ、木々からは水分が滴る。
緑はいつだって太陽に向かっていて、まるで息をする森の中を歩いている気分。

アケビの実は見たことがあったけれど、花を見たのははじめてでした。
七五三の髪飾りのような、どこか品のある花。

この日出かけたのは、この花を見たかったからなのでした。
沢沿い、影になっている斜面に群生していて
下から覗くと、お椀を逆さにしたようなちいさな花がうつむき気味に咲いている。
ちなみに、徳川家の家紋のモチーフは、このフタバアオイの葉っぱだそう。


通称、ミズ。
もっと近づいてみる。

こんなに透明感のある植物ははじめて。
ルーペでのぞくと、金平糖が咲いてるみたいでした。

全身緑色になっていた。

あたらしきものは、かわいらし。
