脱脱炭素シリーズ 第1回脱炭素に騙されるな
中国が石炭を燃やし、
日本の産業が「環境」の名で弱らされる
「脱炭素」。
一見、きれいな言葉である。
地球にやさしい。
未来のため。
環境を守る。
持続可能な社会。
こう言われると、反対しにくい。
だが、ここで立ち止まらなければならない。
その脱炭素は、本当に地球環境を守るためのものなのか
。
それとも、
日本の産業を弱らせ、
中国を利する構造になっていないか。
私は、ここに強い疑問を持っている。
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圧倒的な世界最大のCO₂排出国は、中国であるからである。
まず、現実を見なければならない。
世界の温室効果ガス排出は、いまだ増え続けている。EDGARの2025年報告によれば、2024年の世界の温室効果ガス排出量は 53.2Gt CO₂換算 に達し、前年より1.3%増加している。そして、中国は2024年も世界最大級の排出国として位置づけられている。 
つまり、環境問題を語るなら、本丸は明らかだ。
現在進行形で
最も巨大な排出をしている中国を抜きにして、
地球温暖化対策など語れない。
それなのに、日本ではどうか。
日本企業に対しては、やれ脱炭素だ、やれ再エネだ、やれカーボンニュートラルだと圧力がかかる。
一方で、中国は巨大な工場を動かし、
石炭を燃やし、世界中に製品を輸出している。
これでは、日本だけが真面目に重いランドセルを背負わされ、中国は横でトラックに荷物を積んで走っているようなものだ。
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中国の石炭消費は異常な規模である
特に深刻なのが石炭である。
IEAは、2024年の中国の石炭需要が過去最高となり、
中国だけで世界の石炭消費の 58% を占めた
と説明している。
さらに、
中国は「世界のその他すべての国を合わせた量より、約40%多く石炭を消費している」としている。 
この表現は、少し分かりにくい。
もっと正確に、読者に伝わる形で言えばこうだ。
中国以外の全世界の石炭消費量を100とすると、
中国だけで約140を消費している。
これが実態である。
「40%多い」と言われると、
どこか控えめに聞こえる。
だが、
「中国以外の世界全体を100として、中国だけで約140」と言えば、異常さが一気に見える。
さらにIEAは、
世界で消費される石炭のうち、
3分の1超が中国の発電所で
燃やされているとも説明している。 
これはもう、環境問題の周辺論点ではない。
つまり、
中国の石炭消費こそ、
地球温暖化を語るうえで
避けて通れない中心問題である。
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石炭だけではない。
石油もガスも中国は巨大消費国である
中国の問題は石炭だけではない。
米国EIAの中国分析では、2023年時点の中国の一次エネルギー消費の内訳は、石炭62%、石油など20%、天然ガス9%である。つまり、中国のエネルギー消費の大部分は、いまだ化石燃料に依存している。 
さらにEIAは、
中国が2024年に
世界で2番目に多く
石油などを消費した国であるとも説明している。

天然ガスについても、IEAは2024年、中国のガス需要が7%超、約30bcm増え、世界最大の絶対増加だったと説明している。 
つまり、中国はこういう国である。
石炭を世界最大級に燃やす。
石油も世界最大級に使う。
天然ガス需要も増やす。
そのうえで、
再エネ製品やEVを世界に売る。
ここに、きれいごとでは済まない構造がある。
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「脱炭素ビジネス」は中国依存を強める危険がある
さらに問題なのは、脱炭素を進めれば進めるほど、中国依存が深まる可能性があることだ。
IEAは、太陽光パネルの製造工程、つまりポリシリコン、インゴット、ウエハー、セル、モジュールなどの各段階で、
中国のシェアが80%を超えると説明している。 
さらに、太陽光パネル製造に使われる電力の60%超は石炭由来であり、その理由の一つは、生産が中国に集中していることだとも説明している。 
ここに大きな矛盾がある。
日本では「環境のために太陽光を増やせ」と言われる。
しかし、その太陽光パネルの製造は中国に集中している。
しかも、その製造過程では石炭電力が大量に使われている。
つまり、
日本が「脱炭素」の名で太陽光パネルを増やすほど、
結果的に中国の製造業、中国のサプライチェーン、中国の利益を支える構図になりかねない。
これは本当に環境政策なのか。
それとも、
環境という美名を使った産業移転政策なのか。
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日本はすでに環境努力をしてきた国である
日本は、何もしてこなかった国ではない。
環境省と国立環境研究所によれば、
日本の2024年度の温室効果ガス排出・吸収量は 9億9400万トン CO₂換算 で、
2013年度比では 28.7%減少 している。
さらに、統計開始以来はじめて10億トンを下回った。 
もちろん、日本にも改善すべき点はある。
しかし、日本はすでに高い省エネ技術、公害克服の歴史、製造業の効率化を積み重ねてきた国である。
その日本に対して、さらに過剰な脱炭素を押しつけ、電気代を上げ、工場を苦しめ、産業を国外へ逃がす。
その結果、製造拠点が中国に移り、
中国で石炭を燃やして製品を作るなら、
何の意味があるのか。
日本国内のCO₂だけ減ったように見えても、
世界全体では排出が減らない。
むしろ、
日本の産業と雇用だけが弱る。
これは環境政策ではなく、国力低下政策である。
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日本に必要なのは「脱炭素」ではなく
「脱脱炭素」
である
いまの日本に必要なのは、
脱炭素という言葉に洗脳されることではない。
必要なのは、脱炭素から脱出することである。
私はこれを、
脱脱炭素
と呼びたい。
脱脱炭素とは、環境を無視することではない。
そうではなく、こういう考え方である。
日本の産業を潰さない。
日本の雇用を守る。
エネルギー安全保障を守る。
中国依存を減らす。
世界全体で本当に排出が減る政策だけを選ぶ。
これが本当の意味での現実的な環境政策である。
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新聞社やメディアのミスリードに気をつけろ
ここで注意しなければならないのが、
新聞社やメディアの言葉遣いである。
彼らはしばしば、数字の見せ方で印象を操作する。
たとえば、
「中国は世界のその他すべての国より約40%多く石炭を消費している」
という表現。
間違いではない。
しかし、この表現だと、読者は「40%」という数字だけに目が行く。
本当はこう表現した方がよい。
中国以外の全世界を100とすると、中国だけで約140の石炭を消費している。
この方が、実態がはるかに伝わる。
メディアは、きれいな言葉を使う。
脱炭素。
SDGs。
グリーン。
サステナブル。
カーボンニュートラル。
だが、その言葉の裏で、誰が儲かり、誰が損をし、どこの国の産業が強くなり、どこの国の産業が弱くなるのか。
そこを見なければならない。
上っ面だけの浅はかなイメージ戦略に、
日本は弱すぎる。
カタカナ言葉で包装されると、
なぜか中身を疑わなくなる。
これは非常に危険である。
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CO₂が原因だと言うなら、
中国こそ本気で脱炭素を進めるべきだ
もし、CO₂排出が温暖化の主要因だと言うなら、現在進行形の最大排出国である中国こそ、 まず本気で脱炭素を進めるべきである。
中国が石炭を燃やし続ける。
中国が巨大工場を動かし続ける。
中国が世界に製品を輸出し続ける。
その一方で、日本だけが「環境」の名で産業を縛られる。
こんな話はおかしい。
中国が本気で脱炭素しなければ、
地球温暖化は止まるはずがない。
それなのに、日本の政治家、官僚、メディア、金融機関、認証ビジネス、コンサル業界は、日本企業にばかり脱炭素を迫る。
これは、地球環境のためというより、
日本企業を縛り、
中国に市場と製造力を渡す構造になっていないか。
ここを疑うべきである。
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日本が守るべきもの
日本が守るべきものは、抽象的なスローガンではない。
守るべきものは、現実である。
工場で働く人。
中小企業の経営者。
電気代に苦しむ家庭。
地方の雇用。
製造業の技術。
エネルギー安全保障。
そして、日本の国力である。
環境は大切である。
しかし、環境を守るという名目で、
日本の産業を破壊してはいけない。
環境政策は、現実を見なければならない。
数字を見なければならない。
中国を見なければならない。
エネルギー安全保障を見なければならない。
日本のエネルギー自給率は2024年度で16.4%にすぎず、OECD諸国と比べても低い水準である。 
この国が、イメージ先行の脱炭素で安定電源や産業基盤を弱らせれば、国民生活そのものが危うくなる。
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結論:脱炭素に騙されるな
脱炭素という言葉に騙されてはいけない。
本当に見るべきは、きれいなスローガンではない。
誰が排出しているのか。
誰が儲かっているのか。
誰の産業が弱っているのか。
誰の国力が強くなっているのか。
ここである。
中国は石炭を燃やしている。
中国は石油もガスも大量に使っている。
中国は太陽光パネルなどの脱炭素ビジネスでも巨大な支配力を持っている。
その一方で、日本は「環境」の名で産業を縛られている。
これを見抜かなければならない。
いま日本に必要なのは、盲目的な脱炭素ではない。
脱炭素から脱出すること。
脱脱炭素である。
環境を守るなら、まず現実を見よ。
地球を守るなら、中国の排出を見よ。
日本を守るなら、日本の産業を守れ。
きれいな言葉に酔っている場合ではない。
脱炭素に騙されるな。
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私は、国家であれ組織であれ個人であれ、理不尽な力から自分を守るための「武器」を言葉と構造分析で届けたいと考えています。
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