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2024/04/16 フジテレビとトランプ大統領---ジャーナリズムとルサンチマン

1)気分の国---日本

ある放送コラムニストと称している方が、ネットの記事で、

「あのころ、売れっ子のとんねるずの番組がフジに集中していたのもうなずける。日本テレビの元幹部は「ウチはワインのセットを贈るのがせいぜいだった」と苦笑しながら振り返る。日テレは編成幹部たちが過度な接待を許さなかった。」

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/87705

と書いていますが、これは本当でしょうか。

件のとんねるずが全盛期に、日本テレビにレギュラー枠を持つのは1991年10月期からの「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」です。フジテレビの後塵を拝したのは事実です。では、どうやって口説いたのでしょう。

ネット上を探せば、見つかるかもしれませんが、その枠が始まるにあたって、かつて彼らはこんな事があったと語っています。

日テレの担当プロデューサーの方から、日テレ局内で打ち合わせを希望され、渋々、日テレに。行ってみると、彼らは、テレビ局の事務的な打合せ室に、中国料理店のような回転する台のついたテーブルが持ち込まれている事に驚いたとの事。そして、その後、運ばれてきた料理がなんと、熊の掌の煮込みやら鱶鰭やら、豪華極まりないものの数々。これは、いわゆる満漢全席と呼ばれる、清朝最盛期の皇帝・乾隆帝(1711-1799)の時代に始まった、中国料理の豪華フルコース。中国全土の選りすぐりのメニュー100種類以上を数日間かけて食べるものだと言われていました。バブルの頃に流行っておりましたね。それが、彼らの目の前に登場したのです。この“接待”で口説かれ、番組を持つようになったとか。

勿論、単なるネタ、の可能性もあります。でも、これを嘘だと言う証拠がありません。(※筆者注:この時の経費処理の伝票なんて、今更在りっこ無いし) 

あくまでも、ワタシの記憶が確かなら、という(注)付きですが、一方で、日テレさんが“過度”な接待を許さなかった、というのも、“証拠”はありません。大体、この「ワインのセット」というのが怪しいというか、妙な言葉。どんなワイン?

「こうしたフジテレビの気風は、いつしか変質し、タレント依存の番組作りが当たり前になっていった。そして行き着いた過度なタレント偏重の制作現場の空気がさまざまな不祥事の温床になったと言えるのではないだろうか。」

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/87705

 

そうかもしれませんが、これもまた、その証拠はありません。まさに「だろうか」と文末をせざるを得ない内容でしかありません。

とあり、そもそも、その記事のタイトルが

 

「中居問題が石橋貴明にまで延焼したフジテレビ、大物芸能人に食い込んだ社員が出世する特異な企業体質は変わるのか」

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/87705

 

となっていますが、まず、「大物芸能人」というのは視聴率を稼ぎ出すのに必要な要素であり、その要素を放送番組に取り入れる事が出来る社員が出世するのがおかしい=特異、だとしているのはそもそも奇妙です。視聴率が取れる出演者を番組に出す事が評価されない会社組織の方が「おかしい」のではないでしょうか。ワタシはそのようなディレクターではなかったので、そのような風潮はどうかと思っておりましたが、これは仕方がありません。 

普通の会社、放送以外の他の業種でも、会社に利益、それも多大な利益を出す社員が出世するのが普通です。つまり、この記事は何が言いたいのでしょうか。それが良いか悪いかは別です。でも、実社会では残念ながら、「数字」の成績を上げた人物が、その人格などもこれまた別にして、出世するのが当たり前になっています。それをおかしいと言うのは自由ですが、実態である事は否定できません。

そして、この方、ご自分は、その当時、スポーツ新聞で芸能関連の記事を書いていたようですが、その当時から、この点について批判を繰り広げていた、ならまだ理解できるのですが、そんな片鱗は全くない。

この方の取材というより、個人の記憶で、裏付けのない、思い出と聞き書き(それも匿名)を元にした、後出しジャンケンの批判記事。そう、先ほどワタシの記憶で書いた満漢全席の話と大して変わらないレベルで、専門家として“感想”を書いているのは、疑問でしかありません。

このような雰囲気記事、または憶測記事、このような類がフジテレビ関連では許されているといのが不思議です。「企業風土」やら「社風」という言葉を使って、「雰囲気分析」の記事が許される事が。

あの作家・高村薫さんでさえも、そんな記事をお書きになるのでガックリします。

「高村薫さん、万博は「反権力の関西文化と正反対」 でも「行く」理由」

https://www.asahi.com/articles/AST4D2D7KT4DPTIL009M.html

朝日新聞の記事のタイトルです。(※筆者注:有料記事)

日本テレビの人気番組「秘密のケンミンSHOW」ではないですが、人間の往来が規制されていた江戸時代なら、いざ知らず。令和の御代に「関西」という大括りの文化論。あり得ない。イメージとしての大阪の反・東京という構図は、理解出来ない事はありませんが、「関西」という括りはかなり大雑把です。さらに反権力という文化があると言われると、首をひねるだけです。一種の「美化」ですよね。

結局は、好き嫌いに理屈を張りつけているだけ、なのでは。

元・朝日新聞、現・記者会見場荒らしチーム、Arc Timesの尾形さんの呟き。

「今日開幕した万博会場に来ています。待ち時間で大混乱です。11:50に地下鉄の夢洲駅につきましたが、まず地下鉄の改札から出るのに15分かかり、いまは50分が経過していますが、一向に入場できそうもありません。もう帰りたいと、近くで泣いている子供がいました。並ばぬ万博、など嘘です。雨も強くなってきました。 #万博#万博大混乱」

https://twitter.com/ToshihikoOgata/status/1911263856372138116

なんでしょうね、これをジャーナリズムというのでしょうか。単なるケチつけ、です。または素人の感想。(※筆者注:朝日新聞絡みなのは偶然です。)

データも無い、裏付ける事実も無い、憶測と雰囲気だけを理由にした批判がジャーナリズムの仕事ではないはずです。

気分の国―日本、だからでしょうか。

天に唾しながら、万人の妬み気分を刺激する“文春砲”とネットジャーナリズムが、自省と始末を忘れないでもらいたいのですが、いかがでしょうか。

「調査報道には莫大なコストがかかります。時に10人を超すチームが動き、北海道から沖縄、あるいは海外まで取材に飛ぶ。」

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6599?ref=innerLink

「多くのメディアは取材費の問題に直面しています。」

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6599?ref=innerLink

「本格的な調査報道を断念せざるを得ない媒体は、日に日に、確実に増えています。」

https://bunshun.jp/denshiban/articles/b6599?ref=innerLink

「週刊文春が良質な調査報道を続けるために」と、縷々、“窮状”を訴えるページを設け、クラウド・ファンディング=寄付を募るなら、テレビに出ている以外はただの一般人であるNHKの女性アナウンサーの不倫話で、文字通り北海道・小樽から千葉の東京ディズニーランドまで密着するような無駄な出費は抑えたほうが良いと考えます。御一考ください。

気分は暴走します。それも外部の力によって、です。

2)ルサンチマンの国--アメリカ

トランプ大統領を支持するアメリカの白人層は、有権者の中で大きな割合を占めています。特に「大卒でない白人」や「白人労働者階級」からは圧倒的な支持を得ています。彼らの「グローバリズムが我々を迫害してきた」という思いが、関税を諸外国への懲罰であるかのように見せ、悪者への懲らしめだとするトランプ大統領のナショナリズムの発揮に熱狂を加味しています。

一方で、国内はグローバリズムどころか、かつてないくらい、権力が一手に掌握されようとしています。

4月9日のニューヨークタイムズの記事です。

Trump Wants to Merge Government Data. Here Are 314 Things It Might Know About You.

https://www.nytimes.com/2025/04/09/us/politics/trump-musk-data-access.html 

内容としては、アメリカのトランプ大統領は政府データの統合を望んでいる、という内容です。一瞥すると、何のことだろうと思われるかもしれません。 

これは、DOGEのメンバーに、アメリカの全ての省庁データへのアクセスを許す大統領令の前段なのです。DOGEに全部、見せなさいという命令です。 

そのために、各省庁でバラバラに保管しているデータを全てマージ(merge)する、つまり、複数のファイル、データ、プログラムなどを1つに組み合わせる事を望んでいるとの事です。

そもそもアメリカには、日本の住民基本台帳のような全国規模で個人情報を一元管理するデータベースは存在しません。基本的に、各州や地方自治体が独自のデータベースを運営・管理しており、情報の共有も限定的です。運転免許証や医師免許などは州ごとに発行され、それに伴うデータも州単位で管理されています。犯罪者情報や納税者情報など、一部の分野では連邦政府と州政府間で情報共有が行われていますが、一般市民の個人情報を広範囲で共有する仕組みはありません。また医療分野では、例えば、がん患者の登録プログラムが存在し、特定目的に応じたデータ収集が行われていますが、これらも全米を完全に網羅するものではなく、対象地域や目的が限定されています。

このように、アメリカでは全国規模で統一された個人情報管理システムはなく、地方分権的な運用が基本となっています。

これを全部、繋いでしまえ、一元化してしまえ、というのは、実はアメリカ建国以来の大事件なのです。

DOGEのイーロン・マスクさんは、こんな大きな仕事の機会、逃してなるものか、とエンジニア魂剥き出しで挑むとは思うのですが、本当に良いのでしょうか。全てを政府に把握される事を良しとしない、建国以来の自主自立の精神の一端を失うのです。

これは、トランプ大統領が進める「小さな政府」とは、真逆の動きです。そして、驚くべき事に、今のところ、この動きに大した反応が起こっていない様に見えます。トランプ大統領に何か他の意図があるのかと邪推したり、実は新たなエリート層で超富裕層である、トランプさんの周りを固めるテクノ・リバタリアンたちが糸を引いているのではないかと下衆の勘繰りをしたり、何がひっくりかえってしまったのか、まだわかりません。

ルサンチマンという言葉があります。デンマークの思想家セーレン・キルケゴールが想定した哲学上の概念で、これを後に、哲学者フリードリヒ・ニーチェが使った事によって、一般的になった言葉です。ワタシ的には、Wikipediaのこの解説がしっくりきます。

ルサンチマン(仏:ressentiment)は、弱者が敵わない強者に対して内面に抱く、「憤り・怨恨・憎悪・非難・嫉妬」といった感情。そこから、弱い自分は「善」であり、強者は「悪」だという「価値の転倒」のこと。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ルサンチマン

今のアメリカに渦巻いている、アメリカやヨーロッパのエリートに対する憎悪から産まれた強烈なルサンチマンが、否定と存外なアップデートを加速させています。

そして、気分をルサンチマンに変えるのは、独裁者の力次第です。  了 

 

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