乗り遅れ厳禁!次の大化け候補が潜む「造船サプライチェーン」絶対監視すべき中小株ベスト20
世界の造船業界がいま、数十年に一度の「スーパーサイクル」に突入しています。
かつて世界シェア50%を誇った日本の造船業は、中国・韓国の台頭により近年は約1割にまでシェアを落としていました。しかし2025年、潮目が大きく変わりつつあります。トランプ米大統領が国内造船業を含む海事産業の再生に向けた大統領令に署名し、日米造船協力覚書が締結されたことで、安全保障と経済安保の両面から「造船」が国策テーマとして急浮上。日本政府も造船業再生基金の創設を発表し、補正予算に1,200億円を計上。さらに「特定重要物資」に船体を追加指定するなど、国として造船業を支える姿勢を明確にしました。
民間でも動きは加速しています。今治造船など国内17社で構成する「日本造船工業会」は3,500億円規模の設備投資を表明。大型つり上げクレーンの導入をはじめとする生産能力の増強に踏み切り、2035年までに建造量を倍増する目標を掲げています。この業界団体による巨額投資は、政府が検討する「1兆円規模の造船業支援基金」の創設を後押しする狙いもあります。
こうした巨大なうねりのなかで、投資家が見落としがちなのが「造船サプライチェーン」に属する中小型株の存在です。1隻の船を完成させるためには数万から数十万点にも及ぶ部品が必要であり、エンジン、塗料、バルブ、配電システム、航海計器、ポンプ、ボイラーなど、裾野は極めて広い。造船所が受注を獲得すれば、その恩恵はサプライチェーン全体に波及します。しかも、部品メーカーの多くは新造船への納入だけでなく、就航後のメンテナンス需要という高収益なストック型ビジネスも持っているのが特徴です。
三菱重工業や川崎重工業といった大手完成船メーカーはすでに市場の注目を集め、株価も大きく上昇しました。しかし、サプライチェーンの深部に位置する中小型の専門メーカーには、まだ「出遅れ」と言える銘柄が数多く存在します。世界的な新造船ラッシュに伴う受注拡大、環境規制強化に伴うアンモニア・水素燃料対応エンジンの開発需要、そしてデジタル化・自動運航への技術シフト。これらの追い風を正面から受けるニッチトップ企業を、今のうちからウォッチリストに入れておくことが、次の大化けを掴む第一歩になるはずです。
本記事では、造船サプライチェーンにおける「エンジン」「バルブ・ポンプ」「塗料・素材」「電装・計器」「機器・設備」の5つのカテゴリーに分け、投資妙味の大きい中小型株を20銘柄厳選しました。それぞれの事業内容、注目理由、企業沿革と最近の動向、リスク要因を詳しく解説しています。造船セクターの裾野の広さと奥深さを実感しながら、次の投資候補を見つけていただければ幸いです。
⚠ 免責事項(必ずお読みください)
本記事は、造船サプライチェーンに関連する銘柄についての情報提供を目的として作成されたものであり、特定の銘柄の購入、売却、保有を推奨するものではありません。記事中で紹介している企業の業績、財務情報、株価に関する記述は、執筆時点で入手可能な公開情報に基づいていますが、その正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。
株式投資にはリスクが伴い、元本の一部または全部を失う可能性があります。投資の最終決定はご自身の判断と責任で行ってください。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者および掲載媒体は一切の責任を負いません。
投資判断にあたっては、最新の有価証券報告書、決算短信、適時開示情報等の一次情報を必ずご確認のうえ、必要に応じてファイナンシャルアドバイザーや証券会社にご相談ください。また、本記事で紹介している銘柄の株価は日々変動しており、記事公開後に大きく変動している可能性があります。過去の業績や株価推移は将来の成果を保証するものではありません。
─ エンジン・動力系 ─
【大型舶用エンジンの国内唯一の開発拠点】ジャパンエンジンコーポレーション (6016)
◎ 事業内容: 大型船舶用ディーゼルエンジン(UEエンジン)の開発・設計・製造・販売・アフターサービスを一貫して手がける国内唯一の専業メーカー。三菱重工業の舶用エンジン事業と神戸発動機の統合により誕生した。独自開発のUEエンジンのライセンス供与を中国・韓国の造船所にも展開し、グローバルなロイヤリティ収入を確保している。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 世界の新造船需要が過去最大級に膨らむなか、同社のライセンスビジネスが急拡大している。UEエンジンのライセンスを中韓メーカーに供与し、エンジン1基ごとにロイヤリティと部品売上が入る高収益構造が魅力。さらにアンモニア燃料エンジンや水素燃料エンジンなど次世代環境対応エンジンの開発にも積極的で、脱炭素時代の造船需要を取り込む成長ストーリーが明確。第2次中期事業計画では持続的な事業成長と企業価値向上を掲げ、攻めの経営姿勢を継続している。
◎ 企業沿革・最近の動向: 三菱重工業の舶用ディーゼルエンジン事業を源流とし、2003年に神戸発動機との統合で設立。長年培った100年超のエンジン製造ノウハウと最先端技術を融合し、LSH型エンジンを中心に受注残高を積み上げている。2022〜2024年度の第1次中期事業計画では全事業領域で想定を大きく上回る成果を上げ、「新たな成長ステージ」に突入。赤阪鐵工所とはアンモニア・水素燃料エンジンの共同開発も進めている。
◎ リスク要因: 中韓造船所の景況に依存するライセンス収入構造。為替変動リスク。次世代燃料エンジンの開発遅延リスク。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
【明治43年創業の舶用エンジン老舗】赤阪鐵工所 (6022)
◎ 事業内容: 1910年創業の老舗舶用エンジンメーカー。自社オリジナルの4ストロークディーゼルエンジンを主力とし、ジャパンエンジンコーポレーションからのライセンスによる2ストロークエンジンの製造も手がける。エンジン遠隔操縦装置や機関監視装置など船舶用の各種制御機器も提供している。 ・ 会社HP:
◎ 注目理由: 時価総額が極めて小さい超小型株であり、造船サプライチェーンの中でも「穴株」的な位置づけ。自社オリジナルの4ストロークエンジンは漁業用船舶向けで高いシェアを持ち、ニッチトップの強みがある。ジャパンエンジンコーポレーションとアンモニア燃料エンジンや水素燃料エンジンといった次世代エンジンの開発にも取り組んでおり、技術革新の恩恵を受ける可能性が大きい。造船ブームの波が小型株にまで波及する局面では、大きな値動きが期待できる。
◎ 企業沿革・最近の動向: 明治43年に大阪で創業し、100年以上にわたり舶用エンジンの製造に携わってきた歴史ある企業。近年は環境対応エンジンの研究開発を強化しており、ジャパンエンジンコーポレーションとの協業で次世代船舶向けエンジンの開発を推進中。直近の2025年7-9月期では経常利益が前年同期比で大幅増益を達成し、業績の改善が鮮明になっている。
◎ リスク要因: 時価総額が小さく流動性が低いため、急激な値動きに注意。漁船向けの需要は景気変動の影響を受けやすい。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
ここから先は

本日の注目銘柄
今日の株式市場、どの銘柄に注目すべき? このマガジンでは、毎営業日、マーケットの最新動向やニュース、決算情報、テクニカル分析などを基に、そ…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?

