ホルムズ海峡リスクに強い日本企業 厳選20銘柄 ── 原油高・円安・物流混乱でも利益が伸びる会社はどこだ?
2026年2月28日、米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を実施したことで、中東情勢は一変しました。イランの報復措置によりホルムズ海峡は事実上の封鎖状態に陥り、世界の原油輸出の約20%が通過するこの要衝が機能不全に。WTI原油先物は一時111ドル台にまで急騰し、日経平均株価は3月4日に前日比2,571円安(4.37%減)という、2025年4月のトランプ関税ショック以来の暴落を記録しました。
日本はエネルギー調達における中東依存度が極めて高く、輸入原油の約9割がホルムズ海峡を経由しています。封鎖が長期化すれば、原燃料コストの上昇を通じた企業収益の悪化、インフレ加速による個人消費の下押し、さらには「円安・株安・金利上昇」のトリプル安リスクまで懸念されます。4月8日には米国とイランが即時停戦に合意し、原油先物は91ドル台まで急落する場面もありましたが、海峡の通航量は依然として正常化には程遠い状況です。
しかし、こうした有事の混乱は、特定のセクターや企業にとっては追い風となります。原油価格の上昇がストレートに収益拡大につながる資源開発企業、船舶需給のひっ迫で運賃が高騰する海運会社、脱・中東依存の加速で需要が爆発する再生可能エネルギー企業、そして地政学リスクと表裏一体のサイバー攻撃激化に対応するセキュリティ企業──。本記事では、ホルムズ海峡リスクという極限シナリオの中でも利益を伸ばせるポテンシャルを持つ日本企業を、全5カテゴリ・20銘柄に厳選してお届けします。
「有事にこそ、冷静に企業のファンダメンタルズを見極める」。この姿勢が、混乱相場を乗り越えるための最大の武器になるはずです。
(免責事項) 本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載している情報は2026年4月時点の公開情報に基づいていますが、正確性・完全性を保証するものではありません。株式投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。投資判断は、ご自身の責任と判断のもとで行ってください。また、個別銘柄の株価・業績・配当等は常に変動しており、本記事の内容が将来の成果を示唆・保証するものではありません。投資に関する最終的な判断を行う際には、証券会社や金融アドバイザーなどの専門家にご相談されることをお勧めします。なお、筆者は本記事に掲載されている銘柄を保有している場合があります。
カテゴリ1:原油高の直接的な恩恵を受ける資源開発企業
【国内最大の産油・産ガス会社として原油高を丸ごと享受】石油資源開発 (1662)
◎ 事業内容: 国内最大の産油・産ガス会社で、通称「JAPEX(ジャペックス)」。石油・天然ガスの探鉱から開発、生産、輸送、販売までを一貫して手がけるE&P(Exploration & Production)企業。国内では北海道・秋田・新潟などでの天然ガス生産を中心に、海外ではカナダやインドネシアなどでも権益を保有する。
・ 会社HP: https://www.japex.co.jp/
◎ 注目理由: ホルムズ海峡リスクが顕在化する局面において、石油資源開発はINPEXに次ぐ国内E&P企業として、原油価格の上昇がダイレクトに収益拡大につながるポジションにあります。同社は国内に強固な天然ガスインフラを保有しており、中東からの原油供給が途絶えた場合でも、国産エネルギーの供給元としての役割が格段に高まります。自己資本比率は約79%と財務基盤が極めて堅固で、原油価格が乱高下する不安定な局面でもバランスシートの毀損リスクが低い点は大きな安心材料です。さらに、同社は国内天然ガスパイプラインのインフラ事業も展開しており、LNG代替需要の高まりが追加の収益源となりえます。2026年3月期の第3四半期決算では、原油・天然ガス価格の下落で営業利益は前年同期比27.9%減となりましたが、中東有事以降の原油高を織り込めば通期業績の上振れ期待が高まります。時価総額は約6,600億円規模で、INPEXほど大型ではないため、原油高局面での株価の反応が機敏に出やすい傾向がある点も注目ポイントです。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1955年に石油資源開発株式会社として設立。旧石油開発公団系の国策企業がルーツ。2003年に東証一部上場を果たし、国内外のE&P事業を拡大してきた。2026年3月には、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けて株価が上場来高値を更新。52週の変動幅は893円~2,819円と大きく、地政学リスクに対する感応度の高さが如実に表れている。
◎ リスク要因: 停戦合意や海峡再開放による原油価格の急落リスク。国内生産量は限定的で海外権益の地政学リスクも存在。天然ガス販売量の季節変動にも注意が必要。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/1662
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/1662.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://www.japex.co.jp/ir/
【コスモ石油を中核に据えた総合エネルギーホールディングス】コスモエネルギーホールディングス (5021)
◎ 事業内容: コスモ石油を中核とする持株会社。石油の精製・販売を主力としつつ、石油開発事業(アブダビでの油田権益)や風力発電などの再生可能エネルギー事業も展開する。全国にコスモ石油のサービスステーション網を持つ。
・ 会社HP: https://ceh.cosmo-oil.co.jp/
◎ 注目理由: 同社最大の強みは、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビに石油開発の上流権益を保有している点です。ホルムズ海峡リスクが高まると石油元売り各社は一般にマージン悪化の懸念が生じますが、コスモエネルギーHDは上流の開発権益を持つことで原油価格上昇の恩恵を直接受けることができる「上流×下流の二刀流」構造になっています。加えて、国内の石油精製マージンは原油高局面で一時的に圧縮されることがあるものの、在庫評価益の発生により見かけ上の利益が膨らみやすい特性があります。さらに、同社は風力発電事業にも積極投資しており、脱・化石燃料の長期トレンドにおけるヘッジも効いています。アクティビスト投資家の参入を契機に株主還元姿勢が強化されており、自社株買いや増配の実績も投資家に好感されています。原油高局面でのカタリストが豊富な銘柄と言えるでしょう。
◎ 企業沿革・最近の動向: 1986年にコスモ石油として設立、2015年にコスモエネルギーホールディングスとして持株会社体制に移行。旧大協石油・旧丸善石油の流れを汲む。近年はアクティビスト対応で株主還元方針を大幅に見直し、中期経営計画で積極的な自社株買いと増配を打ち出している。
◎ リスク要因: UAE権益がペルシャ湾に位置するため、ホルムズ海峡封鎖が長期化すると生産・出荷自体に影響を受ける可能性。石油精製マージンの変動リスクも常に存在する。
◎ 参考URL(みんかぶ): https://minkabu.jp/stock/5021
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス): https://finance.yahoo.co.jp/quote/5021.T
◎ 参考URL(最新のIRや関連するニュース記事): https://ceh.cosmo-oil.co.jp/ir/
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