知る人ぞ知る「日本タングステン(6707)」、放電加工に欠かせない超硬材で恩恵爆発の可能性
知る人ぞ知る「日本タングステン」、放電加工に欠かせない超硬材で恩恵爆発の可能性
日本の製造業を支える「縁の下の力持ち」と呼ばれる銘柄は数多くあるが、その中でも本当の意味でニッチな立ち位置を保ちながら、世界の生産ラインに静かに食い込んでいる企業がある。福岡市博多区に本社を構える日本タングステン(証券コード6998)は、社名の通りタングステンとモリブデンを軸にした金属加工メーカーで、超硬合金やファインセラミックスの粉末冶金技術を強みに、紙おむつの切断刃から放電加工用電極、ハードディスク用基板まで、表からは見えにくい産業の核心部分に部品を供給している。
中国によるタングステンの輸出規制をきっかけに、原料価格は2025年に入って急騰し、2026年に入ってからも高い水準で推移している。サプライチェーンの組み替えが世界中で起きており、日本企業のうち「タングステンを自前で扱える事業者」の希少性は確実に上がっている。武器は粉末冶金技術と長年蓄積した加工ノウハウ、独立系メーカーとしての機動力、そして衛生用品向け超硬ロータリーカッター「NTダイカッター」で築いた世界シェアだ。一方で、最大のリスクはほかならぬその原料、すなわちタングステン精鉱の中国一極集中という構造そのものにある。原料が止まれば本業も止まる。だが原料が高騰しても価格転嫁が遅れれば利益が削られる。原料の影と光を一身に浴びるのが、この銘柄の最大の特徴である。
この記事では、表からは見えにくいこの会社の「勝ち方の構造」を、決算数字よりも事業のロジックを優先して解きほぐしていく。原料、技術、用途、顧客の三方向から事業の輪郭を見直したうえで、追い風と逆風の見極め方を整理する。
この記事を読むと分かること
日本タングステンが「タングステン銘柄」と一括りにされた時に見落とされがちな、事業の勝ち方の骨格
超硬合金とファインセラミック、二つの素材技術がどう収益に変換されているか
中国の輸出規制が、この会社にとって追い風と逆風の両面で同時に効く理由
株価が動きやすい論点と、業績が動く論点のずれをどう読むか
中長期で監視すべきシグナルの種類(具体的な数値ではなく、何を見ればいいかの方向性)
数字の予想や買い推奨はしない。読み終わったときに、決算が出るたびに自分でこの会社を点検できる「ものさし」を持ち帰ってもらうことを目的にしている。
企業概要
会社の輪郭をひとことで
日本タングステンは、タングステンとモリブデンという希少金属を粉末冶金技術で「超硬合金」「電気接点」「電極」「線材」「ファインセラミック」などの工業部材に加工し、衛生用品メーカー、自動車部品メーカー、電機機器メーカー、HDDメーカー、医療機器メーカーといったB2B顧客に供給する素材・部品の専門企業である。一般消費者の目には触れないが、紙おむつや生理用品の切断刃、自動車の電気部品の接点、HDDの磁気ヘッド基板などの内部に、この会社の素材が埋め込まれているケースは多い。
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