EU車関税25%で恩恵を受ける厳選20銘柄リスト
2026年5月1日、トランプ米大統領は、欧州連合(EU)製の自動車やトラックにかけている関税を「来週から25%に引き上げる」とSNSで表明しました。
これは、世界の自動車業界の勢力図を一気に塗り替える可能性のある一手です。
米国は2025年夏のEUとの貿易合意に基づき、EUに対する自動車関税の上限を15%にしていましたが、ここから一気に10ポイントの引き上げ。一方で、日本車は2025年7月の日米合意で「2.5%+15%上乗せ」の合計15%に据え置かれており、米国市場における日本車とEU車の相対優位が一気に広がる構図となりました。
特にダメージが大きいのは、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンといったドイツ勢、そしてアルファロメオ、マセラティを抱えるステランティス、ボルボ、ジャガー・ランドローバー。これらのブランドはこれまで、米国市場における日本車(レクサス、アキュラ、インフィニティなど)と熾烈な競争を続けてきましたが、25%関税というハンディは販売価格、ディーラーマージン、米国の販売台数のすべてに直撃します。
その裏返しとして、米国市場で価格競争力を増すのが日本車。SUBARUやマツダのように米国売上比率が高い企業、北米での現地生産比率が高いホンダ、欧州プレミアム勢の代替候補となるブランドを抱える日産などは、シェア奪取の千載一遇のチャンスを迎えます。さらに、欧州OEMが関税回避のため米国内に新工場を急ピッチで建設する流れが加速すれば、産業ロボットや部品装置を供給する日本の機械メーカーにも特需が見込まれます。
タイヤ、シート、ライト、軸受、シール、ガラスといった部品サプライヤーも、日本車の販売が伸びるほど追い風を受ける構造です。本記事では、この歴史的な関税変動から恩恵を受ける可能性が高い東証上場銘柄を、自動車本体・部品・産業機械までバランスよく22銘柄厳選し、注目理由を深掘りで解説していきます。
【免責事項】
本記事は投資情報の提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、その正確性・完全性について万全を期しておりますが、保証するものではありません。株価・業績・市場環境・関税政策等は刻々と変化しますので、最新の情報は各企業のIR資料、有価証券報告書、適時開示等でご確認ください。EU関税政策は流動的であり、今後変更される可能性があります。
【米国売上7割超の北米特化メーカー】株式会社SUBARU (7270)
◎ 事業内容:
スバルブランドの自動車を企画・開発・製造・販売する完成車メーカーです。 水平対向エンジンとシンメトリカルAWDを核に、フォレスター、アウトバック、クロストレック、レガシィ、インプレッサ、WRXなどを展開。航空宇宙事業も保有し、防衛・民間航空機部品も手掛けます。連結売上の大半は自動車事業で、地域別では米国市場への依存度が極めて高いのが特徴です。
・ 会社HP:
◎ 注目理由:
SUBARUは全販売台数の約7割を北米市場で稼ぐ「米国特化型」メーカーです。米国市場ではアウトバック、フォレスターがアウディA4オールロード、アウディQ5、ボルボXC60、メルセデスGLB/GLCといった欧州プレミアム勢と価格・カテゴリで競合してきました。今回、EU車に25%関税が課されると、欧州勢は米国小売価格を引き上げざるを得ず、5,000~10,000ドル超の価格差が生じる可能性があります。これは「クロスショッピング」する米国消費者にとって、SUBARU側に買い替え需要を傾けさせる強力な追い風です。
加えて、SUBARUはインディアナ州ラファイエット工場で米国販売の大半を現地生産しており、米国生産比率の高さは関税影響を最小化する強みです。直近では電動化投資を加速し、トヨタとの共同開発EV「ソルテラ」後継や独自ハイブリッドの拡大も進行中。販売単価の上昇トレンドと北米市場のSUV選好という構造的追い風に、関税ショックが重なる構図は中期業績シナリオを押し上げる要因となり得ます。
◎ 企業沿革・最近の動向:
前身は中島飛行機。1953年に富士重工業として再出発し、2017年に現社名「SUBARU」へ変更。スバル360で大衆車市場に参入し、その後、水平対向エンジンを軸とした独自路線で米国に深く根を張りました。直近ではトヨタとの資本・業務提携を強化し、EV共同開発や生産連携を加速。2025年には次世代ストロングハイブリッドの投入と米国向け新型フォレスターの本格展開を発表しています。
◎ リスク要因:
米国市場依存度が極めて高いため、米国景気後退・自動車ローン金利高止まり・現地販売環境の変化に業績が大きく左右されます。為替(ドル円)の変動影響も大きい構造です。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
【魂動デザインで欧州プレミアムに切り込む】マツダ株式会社 (7261)
◎ 事業内容:
マツダブランドの乗用車・SUVを開発・製造・販売する完成車メーカーです。 主力車種はCX-5、CX-50、CX-90、MAZDA3、ロードスター(MX-5)。SKYACTIV技術と「魂動デザイン」を軸にプレミアム化戦略を推進し、独自路線のラージ商品群でレクサスや欧州ブランドの下位レンジに切り込んでいます。北米・欧州・中国・日本がメイン市場です。
・ 会社HP:
◎ 注目理由:
マツダはCX-50を米アラバマ州のMazda Toyota Manufacturing合弁工場で現地生産し、米国市場への対応を強化しています。北米はマツダ最大の収益源であり、CX-5、CX-50、CX-90、CX-70はメルセデスGLA/GLB、BMW X1/X2/X3、アウディQ3/Q5、フォルクスワーゲンのSUV、ボルボXC40/XC60といった欧州勢と競合カテゴリが完全にオーバーラップしています。25%関税で欧州車のリストプライスが押し上げられれば、マツダのプレミアム戦略にとっては最大級の追い風です。
「ラージ商品群」と呼ばれる縦置きFRプラットフォーム車(CX-60/70/80/90)は、明確に欧州プレミアム代替を狙った戦略商品。ブランド評価の高まりと、欧州車の価格競争力低下が重なれば、米国販売台数とブランドミックスの両面で利益貢献が期待されます。さらに、トヨタ系資本との連携によりHEV・PHEV開発のスピードも加速。営業利益率の改善トレンドが「関税ボーナス」で増幅される構図は、本格的な業績モメンタム転換のトリガーになり得ます。
◎ 企業沿革・最近の動向:
1920年に東洋コルク工業として創業、1984年に「マツダ」へ社名変更。ロータリーエンジンで独自地位を築いた後、SKYACTIV技術と魂動デザインで再ブランディングに成功しました。近年はトヨタとの資本提携を活かし、米国合弁工場の本格稼働、ラージ商品群の投入、EV・PHEVラインアップ拡充を進めています。
◎ リスク要因:
中国市場の苦戦が続いており、北米依存度の上昇は両刃の剣。販売金融費用の高止まりと販売奨励金の動向によって利益率が左右されます。
◎ 参考URL(みんかぶ):
◎ 参考URL(Yahoo!ファイナンス):
◎ 参考URL(最新のIRや関連ニュース):
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