共感マーケの教科書は『渡部のロケハン』だった件
皆さんはYouTube番組の
『アンジャッシュ渡部がいつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組』
をご存じだろうか?
実は僕は登録者がまだ4桁にも乗っていない頃から見ている、いわゆる古参ロケファンなのだが、イチ視聴者だけではなくマーケティング的に最高の教材だと今更ながら気づいてしまった…
仕事柄いろんなSNSコンテンツや広告に触れるけど群を抜いて
「これ、マーケ的に神やな…」
と思ってしまった、なんか少し悔しい。
というのも、最初はただのグルメ動画やと思って見てたけど、気づいたら
・ご飯を食べながら視聴したり
・視聴した後に思わず飲みに行ったり
・ロケハングッズを購入したり
とにかく没頭している自分がいた。
で、ソロ飲みしている時に気づくわけよ。
「これ、マーケティング設計としてめちゃくちゃ完成されてるくね?」
単純に映像のクオリティだけじゃない。
“共感”という軸で考えたときに今の時代に刺さる要素が全部詰まってる。
そんなことをXでポストしたら意外にも好評で、ディレクターのソマさんにも引用をいただいたりなど、とにかく反響があったのでnoteで再度深掘りしてみようと思う。
今回のポストはめっちゃ力を入れました。
— 澤村樹|結 - MUSUBI - 代表 (@tatsu_musubi) March 30, 2025
これからSNS発信を行いたい人はぜひ読んでください。
また、SNSを仕事にしている人からはぜひ意見が欲しいです!
今回取り扱うのはYouTubeチャンネル
「アンジャッシュ渡部のロケハン」です。
(@Wataberoke )… pic.twitter.com/k1lTzPSwf2
改めて、この記事では
・『渡部のロケハン』がなぜここまで刺さるのか?
を共感設計という視点で5つのポイントに分けて掘り下げてみたい。
マーケ担当者だけじゃなく、SNS運用してる人、クリエイターにも響く内容になっているはずなのでぜひ最後まで読んでほしい。
1. クオリティ=映像・音・言葉の三層構造
一言で言ってしまえば
「地上波 × YouTube」のいいとこどりクオリティ
といったところです。
シンプルに驚いたのが映像のクオリティ。
ポストにも書きましたが
・テレビ的なカメラワーク(寄り引きの切り替え・画角設計)
・映像の丁寧さ
・音の扱い
・料理の見せ方
・トークのリズム感
はさすがテレビクオリティだなと。
それに加えてYouTubeらしいテンポと間の取り方が融合されています。
この番組は1話が大体30分強くらいで構成されていますが、普通の人からすると30分強も飽きずに見続けるのが難しかったりします。
しかし、ここにひと工夫が隠されています。
照明・構図・音質も高く、料理が「うわ、うまそう…」って画面越しに伝わってくる。さらに渡部さんの食レポが相変わらずヤバい。
「濃いけどくどくない」
「酸味で背筋が通る」
って、もはや文学のようなお家芸。

さらにマーケ視点で見ていくのであれば、ただ“映像が綺麗”なだけではなく「五感への疑似体験」を設計してるところにポイントがある。
視覚+聴覚+言語的快感の三層構造。
渡部さんが美味そうに食事をすることで疑似体験が出来て、思わず近くの飲み屋さんに行きたくなるような衝動に駆られます。
(実際に僕は4回くらい飲みに行ってます)
SNSでもテキストや動画でこれが再現できると、圧倒的にエンゲージが跳ね上がるので意識してみてほしい。
2. UGCからUCCへ。参加型コンテンツの理想形
番組を見ている人なら分かりますが、番組の最後にスナックへ行くと言う恒例行事があります。
そこで「ボトルリレー企画」を行なっていますが、これが本当に最高のコンテンツになってるんですよね。
渡部さんが最初に買った“誰が飲んでもいいボトル”を、最後に空けた人が次のロケ先にバトンとしてつないでいくという形式。
面白い企画だから行なっているわけではなくコンセプトにもある
「お店を元気に!街を元気に!」
を体現しているので視聴者がコンテンツを作るではなく、視聴者が一緒になって参加するコンテンツになっている。

さらにこの仕組みの面白いところは、SNS的な相互性が間接的に組み込まれてること。
SNSは本来、一方通行の発信ツールじゃなくて、コミュニケーションツールであるべきと言われてる。
その点、この企画では
「ウチの地域にも来てくれるかも…!?」
という期待感が芽生えるから、普段から番組を観てる人の視聴継続にもつながってるのでかなり面白い設計になっています。
3.スポンサーとの“熱量を共有する関係性
『渡部のロケハン』ですごいと思うのは、スポンサーの「これは広告です!」という押し出し感がまったくないこと。
なぜなら、スポンサーがただの協賛者ではなく、“番組の一員”として描かれているから。
スポンサー=番組共創者
シンプルに番組と相性のいい商品のスポンサーが付いているので自然とコンテンツ内で商品にフォーカスすることができる。
また、実際に商品を使っているお店と偶然出会うことでさらに番組が盛り上がる、いわゆるドラマが生まれたりするので、違和感なく溶け込んでしまっている。
実際にコメントを見ていると
「導入しました」
などの声も出てきているので、影響力は半端ないな、と。

広告が嫌われる今の時代において、コンテンツに自然に溶け込みながら商品をPRできる番組構成と相性は今後大事になってくるだろう。
インフルエンサーにPR依頼をする企業さんなどはこの辺りを気をつけたが方がいいし、オーガニックで運用する場合も構成は大事にすべきである。
4. 世界観へのファン化。人じゃなく思想に惚れる
面白いのが
“渡部さんだから観る”というより
“このチャンネルの空気が好き”って人が多いこと。
実は渡部さんのチャンネルのようで渡部さんが主人公ではない、というのがミソ。
この番組を作っている全ての人が主人公
本来であれば渡部さんがずっと出ずっぱりのコンテンツになるはずが裏方のディレクターさんたちが人格を持っているのが面白いところ。
ここが本当に新しい魅せ方だと思っています。


“チームとしての透明性”を出すことで、視聴者との心理的距離がぐっと縮まってるし、裏方も人格を持ってて面白いから「このチームが作るものは面白い」ってなる。
実際に渡部さんではなくADの石坂ちゃんにファンがいたり、大食いの新熊カメラマンにファンがいたりするので、個人ではなくチャンネル自体にファンがついていると言っても過言ではない。
これは 今のZ世代以降が求める
「フラットな関係性」
「作り手の顔が見える安心感」
にしっかりと合ってる。
これがこの番組のブランドとして機能している。
実は他のプラットフォームでも言えるように企業アカウントでも、“中の人文化”や“トンマナの一貫性”が重要と言われるのと同じ文脈なのでぜひ意識して見てほしい。
5. プロセスエコノミーと再起のストーリー
実はこの番組は
とんでもなく巧みなプロセスエコノミー型のコンセプトになっています。
渡部さんの失敗から再構築までの過程を見せることで視聴者が応援者になっているな、と。
実際に明確なゴールが存在することもそうですが、“再起”というテーマが、あえて前面に出されていないのも秀逸。
押しつけがましい反省じゃなく、行動と誠実さで信頼を取り戻そうとしているのが番組内でのリアルな姿勢から伝わってくる。
しかも、視聴者が勝手に自分ごとのように
「渡部さんが再起する物語の一員」
として関与していると無意識に解釈するため、非常に応援されやすくなっています。

ちなみに、コンテンツ自体もすごく見せ方が上手く、何回か僕自身も泣きそうになりました。
渡部さんの既存の武器も現状の立ち位置も全てを生かしたコンセプトになっているわけです。
視聴者が「復活の過程を見届ける一員」になる。
これぞまさにプロセスエコノミー。
「完成品」よりも「変化の過程」に人は共感する。
復活や成長、後悔や失敗などをオープンにすることで、ブランドにも親近感が湧く。D2Cブランドの“製品開発の裏側公開”やクラウドファンディングなどもこの手法である。
まさに『ドキュメンタリー番組』である。
最後に
『渡部のロケハン』って、ただ面白いだけじゃない。
あの番組には、共感・信頼・参加・空気感といった
“現代マーケの本質”
が詰まってる。
「これってうちでもできるかも?」とピンと来た方。
まずは、“ファンと一緒に何かを作る”ことから始めてみてほしい。
そしてこういったコンテンツを一緒に作りたい方はぜひ連絡をいただけたらと思う。
実際に僕が代表として動いている結 - MUSUBI - では
・Instagram
・TikTok
をメインに企業様の支援をしています。
このnoteのように市場に出ている事例を分析しながら、どうしたらクライアント様の目的に合うようにコンセプトを作って市場で勝ちに行けるかを常に考えています。
チームメンバーには僕以上に素晴らしいマーケティング能力を持っている者もいるため、高確率でKGIを達成できると自負しております。
何かあればぜひご相談ください。
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