出よ! “おじさん” 力
column vol.886
当社では6日から営業開始になるのです、本日からアイドリングを始めています。
改めて考えるのは、組織の中での自分の役割について。
そんな中、『-30年調査でみる-哀しくも愛おしい「40代おじさん」のリアル』の著者で、博報堂生活総合研究所・上席研究員/コピーライターの前沢裕文さんによる「40代おじさんの実態調査」が非常に面白かったので、共有させていただきます。
〈東洋経済オンライン / 2022年12月28日〉
前沢さんは私と同じ40代半ば。
2020年と2022年を比較していらっしゃるのですが、40代おじさんは一体どのように変化をしているのでしょうか?
実は素直でマジメな「40代おじさん」
40代は「責任世代」という名にふさわしく管理職に就いている方が多いと思います。
コンプライアンスが厳しい時代でもあるので、組織の不都合を受け止めていかなければなりません…
また良い管理職(リーダー)を定義する上で、三流は「先頭に立って指示を出す人」、二流は「丸投げする人」、一流は「いると何だかチームが上手くいく人」と言われるように、どうやら任せる役割であることは間違いなさそうです。
ゆえに、プレイヤーほど功績が分かりにくい部分もあります…
そういうこともあってか、このコロナ禍(特に初期)で「管理職不要論」も生まれました。
「働かないおじさん」なんて、メディアを賑わしたこともありましたね…(涙)
そんな世間の声がある中で、さてさて40代おじさんはどのように変化したのか?
ちなみに、2020年の調査では以下、7つの項目が顕著だったそうです。
許さない 闘わない 燃えない 連(つる)まない 直さない 人情派 庶民派
「許さない」から「直さない」まで5項目を見ると、プライドは高いが意欲・向上心の見られない様子が窺えます…(汗)
では、2022年の調査はどうだったのか?
律する 愛する 高める 縛られない 庶民派 アクティブ派 アナログ派
まるで別人!ポジティブな変化が見られますね(嬉)
向上心溢れる「New40代おじさん」
細かい変化は、東洋経済オンラインの記事を読んでいただければと思うのですが、特に私が気になった点をピックアップいたします。
それは「高める」という項目です。
・いくつになっても、学んでいきたいものがある
38.9%(全体1位) 全体平均:35.0% *2020年36.0%(男性4位)
・知識・教養を高めるための読書をよくしている
21.7%(全体1位) 全体平均:16.5% *2020年19.6%(男性3位)
同調査では、20〜60代・男女別で回答を集計していますが、40代男性の向上心がアップしております。
では、学んだことや得た知識・教養をどう生かそうとしているのでしょうか?
前沢さんは、「次に挙げる4つの項目がヒントがある(かも)」と語っていらっしゃいます。
・日本は子育てしづらい国だと思う
36.7%(男性1位) 全体平均:34.9% *2020年35.3%(男性1位)
・今の日本は悪い方向に向かっていると思う
54.4%(全体1位タイ) 全体平均:46.5% *2020年58.3%(男性1位)
・何か社会のために役立つことをしたい
36.2%(男性1位) 全体平均:34.6% *2020年33.5%(男性3位)
・仕事を通じて世の中にある問題を解決していきたい
21.7%(全体1位) 全体平均:13.9% *2020年19.9%(男性2位)
ふむふむ…、40代男性は以前に比べて「社会のために役立つことをしたい」「世の中にある問題を解決したい」と考えるようになったということですね。
ちなみに、日本政策金融公庫の「2021年度新規開業実態調査」を見ると、国内で起業する人の平均年齢は43.7歳。
40代の起業が増えていると言われていますが、一般的な定年を考えても(65歳)、あと15年〜25年も働く時間が残されています。
世間から、社内からいろいろ言われても腐ってはいられない…
やはり、一念発起する方が多いというのは頷けますね。
「管理職」として働くためのヒント
一方で、組織に残って管理職として頑張ろうとする方もいらっしゃるでしょう。
ちなみに、9万部突破のベストセラー『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』で語られているように部長職を担う世代は、50代が53.5%で最多。
〈現代ビジネス / 2023年1月3日〉
来る50代に向けて、責任の重さは増していきます。
では、管理職を担う上で大切なことは何か?
それについては、Googleの実例が非常に参考になります。
〈プレジデントオンライン / 2022年12月7日〉
Googleが、創業から3年経った2001年。
すでに社員は数百人にまで大きくなっていた時のことです。
途中入社してきたウェイン・ロージングさんという幹部が、管理職の働きに不満を感じ、開発部門の管理職を全廃して、組織をフラットにすることを提案。
創業者のラリー・ペイジさんとセルゲイ・ブリンさんは、そのような緩やかな体制を好んでいたので賛成し、提案は実行されました。
昨今、「ホラクラシー」や「ティール組織」など、特定のリーダーを置かない組織形態に注目が集まっていますし、Web3の技術を使ったDAO(自律分散型組織)に期待が集まっています。
Googleでは20年前からそういったトライアルを行ったわけですが、何と一年で管理職のいる元の体制に戻したそうです。
「元に戻せ」と提言したのは、アメリカ・シリコンバレーの伝説的な経営コーチであるウィリアム・キャンベルさん。
スティーブ・ジョブズさん、ジェフ・ベゾスさん、ジャック・ドーシーさん、シェリル・サンドバーグさんといった経営者たちの相談役としも知られています。
理由は1つ、「何かを学ばせてくれる人や、議論に決着をつけてくれる人が必要だから」とのことです。
「育成」と「決断」がカギ
もちろん、キャンベルさんだけの考えで元に戻したのではありません。
現場のエンジニアの人たちへのヒアリングでも同じような要望があったからです。
ロニー・リーさんというペンシルベニア大学ウォートンスクールの経営学者も、「『フラットなスタートアップ企業の神話』という論文の中で、“スタートアップが失敗する原因は、組織にヒエラルキーがないことだ”」と語っていらっしゃいます。
組織とは多様な考え方、価値観の集まり。1つとして “同じ” はありません。
当然、全員が賛成の案はありませんし、賛成・反対、それぞれの中に差異が見られます。
そういった意見の違いを調整する上で、力を発揮する人が必要です。
そして調整したとしても、さまざまな不満が残ります。
では、その不満はどこに向かうのか?
上司が受け止める他ありません。
その上で、その不満を持つ社員に日頃の感謝と敬意を示し、モチベーションを保っていくことが重要ですね。
さらに、社員の育成という観点も重要となります。
フラットな組織は、他の社員を育成する義務はありません。
もしフラットな関係なのに、常に相手を活かし、肯定し、成長を促すことを優先する人がいたとしたら、その人は恐らく組織の中で突出した存在になるはずです。
そして、プレジデントオンラインの記事では、育成について、このような深い考えを示しています。
そもそも「多様性」というのは、今現在は「できなさそうな人」「無能な人」に見えてしまう人でも、どこかで何らかの役割を発揮して、ひょっとしたら社会を救うかもしれないという可能性を考え、あらゆる多様な人を包摂しておこうというものである。
「決断」と「育成」。
もちろん、他にもあるとは思いますが、この2つだけでもまだまだ管理職としてやるべきことはありそうです。
どうやら「管理職」を哲学していくことが、New40代おじさんの活躍のカギを握りそうです。
その辺を肝に銘じて、2023年も仕事に取り組みたいと思います!
