“実感”の2026
vol.1611
明けましておめでとうございます。
元旦の今日、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
私は新年初日から活動的に楽しむことができました。
特に大学生のとき以来、久しぶりに見たのが初日の出です。
今の場所に住んで20年近くになるのですが、実は家の近所に初日の出スポットがあったようで、日の出前の暗闇の中、出かけることに。
そこで見たのは、予想以上に集まっていた人の波。
「このまちに、こんなにも人がいたのか!」
と思うくらい、人がいて驚きました…😅
結局、雲がかかっていて期待通りに初日の出を見ることができなかったのですが、こんなにも新年を実感した年は久しぶり。
そして、この「実感」というのは非常に重要なポイントになっており、2026年のトレンド予測を見ていても、キーワードに反映されていると思うのです。
極み体験を求める若者たち
芝浦工業大学デザイン工学部UXコース教授であり、「さとり世代」「マイルドヤンキー」「Z世代」の名づけ親として知られる原田曜平さんも若者にとって
「体験できるかどうか」
ということが価値基準になると仰っています。
〈東洋経済オンライン / 2025年12月23日〉
体験価値の主役となるのが “食のエンタメ化”。
例えば、私の会社のオフィスがある中目黒で流行っているのが「BLUE ENTRANCE KITCHEN」の “飲むタコス” です。
肉・野菜・ソースが非常にジューシー。
細かくほぐされ、トルティーヤの中で一体化しており、そのため噛むというより、口に入れるととろっと流れ込む感覚が強く、「飲める」と表現されるほどのなめらかさになります。
さらに、ソースがたっぷり使われ、タコス全体がスープやシチューに近い感覚。
どんな感じなのかは、こちらのTikTok動画を見ていただけると、よく分かるかと思います。
@uta_osaka_ 女性も夢中で頬張る噂の飲めるタコス専門店! SNSで今話題のタコス専門店が大阪初上陸! 正直、普段あまり「タコス食べよう」ってならないと思うんだけど、ここのタコスは本当に全然レベル違うくて僕も一度食べてからどハマり。無性に食べたくなる中毒性抜群の飲めるタコスは自家製のディップソースに豪快につけて食べるのが最高。 シンプルかつド直球のタコスに胃袋を一瞬で掴まれちゃうよ、、、 予算:1000-2000 【店名】 Blue Entrance Kitchen 大阪心斎橋店 【住所】 〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋2丁目6−7 道頓堀ビル 4階 S-FRONT 【予約】 予約不可 【営業時間】 月・火・水・木・金・土・日 11:00-16:00 17:00-22:00 𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃 - 大阪のここ行ってみたい!が見つかる - : 大阪のおしゃれ×美味しいグルメを厳選 : お友達に喜んでもらえるスポット : 大阪をもっと知りたい人はフォロー👈❤️🔥 uta⌇大阪のおしゃれグルメ 𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃 #大阪グルメ #大阪ランチ
♬ Prelude from the athletic meet's classic opera "Carmen"(1197916) - Yuji Okazaki
重要なのは、味だけではなく「食感」と「ライブ感」。
断面の迫力、肉汁があふれるビジュアル、かぶりつく瞬間などなど、特に若者たちは単に「美味しい」というだけでは物足りなくなっているのです。
“音”で楽しむグルメ
もう1つ取り上げたいのが、“音” のグルメです。
その代表格といえば、何と言ってもASMRでしょう。
ASMRとは「Autonomous Sensory Meridian Response」の略で、特定の音や動き、話し方などによって、心地良い感覚や深いリラックスを感じる現象のことです。
例えば、
●ささやき声
●紙をめくる音
●咀嚼音
などがそうです。
このASMRを楽しむグルメとして有名なのが「天使の海老」。
ニューカレドニア産のブランド海老で、身が非常に引き締まっており、噛んだ瞬間の「プリッ」「パキッ」という弾力のある音が鮮明に響きます。
また、殻が非常に柔らかいため、揚げ物や焼き物にした際に「パリパリ」という軽快な咀嚼音を楽しめるのも特徴です。
もちろん味も美味しいのですが、それだけではなく「音と食感」の合わせ技で人気が広がっています。
「アテンション・デトックス」の流れ
当然、こうした体験をSNSで発信していくのですが、 “映え” を楽しむ一方、カウンターカルチャーも顕在化しています。
デジタルデトックスというのは皆さん聞いたことがあるかと思いますが、もう1つ、最近キーワードになっているのが、「アテンション・デトックス」です。
〈PRTIMES / 2025年12月9日〉
アテンション・デトックスとは、SNSなどによって常に奪われがちな注意力を意図的に休ませ、回復させるための考え方や行為。
情報過多の環境から一時的に距離を取ることで、細切れになった注意を取り戻し、集中力や思考の深さ、感情の安定、創造性を取り戻すことが目的となっています。
デジタルデトックスはスマホやPCなどのデジタル機器そのものから距離を置くことに主眼を置いている。
それに対し、アテンション・デトックスは機器を使うかどうかに関わらず、通知や情報過多によって奪われている「注意力の使われ方」を見直します。
注意の主導権を自分に取り戻すことを目的としている点が違いであり、前者が行動レベルの遮断であるのに対して、後者は注意資源の配分を再設計することにあるのです。
「気づいたら奪われている状態」から抜け出し、「これは今、注意を向ける」「これは後でいい」と選ぶ習慣をつくる。
具体的には
●通知をすぐ見ない
●SNSは目的があるときだけ開く
●集中したい時間は他の刺激を入れない
といったように、注意が勝手に消費されない環境を先につくることがポイントなのです。
バズるにこだわらない2026
例えば、「SHIBUYA109 lab.トレンド予測」では「スマホなし旅行」がキーワードに挙げられています。
これは、スマホ依存やSNS疲れの中、
「スマホを使わずに旅行すること」
が自身を見つめなおす機会や心身のリフレッシュとなり、対人コミュニケーションの深化などの効果が期待されています。
また、興味深いと思ったのが「BeReal.ノート」です。
これは、BeReal.で撮影した写真をプリントし、ノートに貼ってつくるアルバムのこと。
リアルな日常を残す楽しさと、自分だけの思い出をカタチにできる特別感が話題になっています。
このリアルを楽しむというのは他でも見られており、先日ご紹介した「シール交換」なんかも、その1つです。
また、Pinterestが発表した2026年のトレンドを予測する年間トレンドレポート「Pinterest Predicts 2026」でも、過度な刺激や絶え間ないデジタルノイズにあふれた現状のオンライン世界の喧騒を「ambient chaos」(アンビエント・カオス)と定義し、
「Z世代はよりゆっくりとしたペースや、自分の意に沿ったオンライン体験を求めている」
とコメント。
2026年の主要なカルチャードライバーの1つとして
「感情的な安らぎや帰属意識」
を挙げています。
体験という実感、つながりという実感。
何が本当か嘘か分からないデジタルの世界の中で、確かな実感を欲する傾向にある。
“リアル”というのが、私たち生活者にとっての休息地と考えると、より2026年の解像度が高まっていくでしょう😊
そんなところをポイントにしながら、今年もマーケターとして精進して参りたいと思います。
本年も引き続き何卒よろしくお願いいたします!
