“雑談”という時短術
vol.1780
時間がないからこそ、雑談をする。
…にわかには信じ難いですが…、優秀な人はそう考える人が多いそうです…
実際、『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』の著者で、元マイクロソフト役員の越川慎司さん(株式会社クロスリバー代表)は
「仕事ができて出世する人の66%が会議の冒頭で雑談をしている」
と仰っています。
〈DIAMOND online / 2026年8月5日〉
時間がないときこそ本題から入りたいところですが、なぜ雑談をすると良いのでしょうか?
会議冒頭は“2分の雑談”がカギ
まず、驚いたのが越川さんが行った調査結果についてです。
「815社17万人の行動を分析したところ、雑談をバッサリ削る会議ほど時間が長引き、参加者を『置物』に変えてしまうことが分かった」。
その理由をこのようにお話しされています。
「ウォーミングアップのないまま本題に突入すると、参加者は心理的な緊張から身構えてしまう。
発言のハードルが上がり、室内に重苦しい沈黙が流れる。
結果として意見が出ず、合意形成に時間がかかり、予定時間をオーバーしてしまうのだ。
一方で、出世する人は「時間がない」からこそ、会議の頭に「2分間の雑談」を差し込んでいる」。
なるほど、なるほど、いわゆるアイスブレイクですね。
雑談が心の氷を溶かすことにより、発言しやすくなったり、他人の意見を前向きに聞くようになったり、お互いが協力しやすくなる。
そんな効果を優秀な人たちは狙っているわけです。
実際、8社が参加し、累計4,000時間を費やして行った実験では、社内会議の冒頭に2分間の雑談タイムを設けることで会議の進行がスムーズにいく傾向にあったとのこと。
同じチームで、冒頭で2分間の雑談をした会議と、しなかった会議で比較したところ、雑談をした会議の方が
●発言数1.7倍
●発言者数は1.9倍
となり、会議が予定よりも早く終わる確率は45%も上がったそうです。
越川さんも
「本音を言っても大丈夫だという「安心感」が確保されて初めて、活発な議論が生まれる。最初に心を開いているからこそ反論も素直に受け入れられ、決断が圧倒的に早くなる」
と太鼓判を押していらっしゃいます。
さらに上級者は最初の雑談でメンバーたちのコンディションを察知することができる。
だからこそ、心に寄り添った進行ができるのでしょう🤔
退屈な話題も効果的
ただ、“雑談が苦手”という人もいるでしょう。
そこは安心していただきたいのが、越川さんは
「急に冷え込みましたね」
「先週末、何か面白いことありましたか?」
という簡単な投げかけで良いと仰っています。
まずは、
●温かい雰囲気を出すこと
●相手のコンディションを把握すること
が大事で心を通わせることがメインで、盛り上がることが目的ではありません。
それに、盛り上がり過ぎたら、会議が長引きます…(笑)
さらに、苦手意識を持っている方に朗報なのが、アメリカのミシガン大学の研究結果です。
〈Care Net / 2026年5月18日〉
同大学の研究チームは約1,800人を対象に9つの実験を実施。
参加者に自分が興味を持てない「退屈な話題」について会話してもらったのですが、多くの人は会話前には
「きっとつまらないだろう」
と予想していたにもかかわらず、実際に話してみると
「予想していたよりずっと楽しかった」
と評価したのです。
これは友人との会話だけでなく、見知らぬ人との会話でも確認されています。
理由は、人の心は単に会話が「面白い」「面白くない」だけを求めていないからです。
例えば、自分の言葉に共感してくれたり、笑ってくれたり、一生懸命言葉を返してくれたり、相手のそうした反応に心が弾む。
つまり、心を通わせながら行う人と人との相互作用そのものが楽しさを生み出しているのです。
ですから、「私はあなたの仲間です」が最低限伝わっていれば、雑談は成功ですし、それによって上手く運ぶ仕事もあるでしょう😊
雑談は商談の的中率を上げる
その上で、さらに雑談力を磨いていく。
モルガン・スタンレーやグーグルを経て、現在は企業の組織作りや人材育成を支援するプロノイア・グループ代表のピョートル・フェリクス・グジバチさんは、一段上の雑談術をオススメしています。
〈ビジネス+IT / 2026年8月6日〉
例えば、「今日暑いですね」ではモッタイナイ。
「今日暑いですね。普段そういう暑い時にお客さまは何をなさっているんですか?」
と広げていけば、相手が普段は何を大切にしているかを知ることができます。
仮に
「海が好きで子供と遊びに行くんです」
と言われたら「何歳ですか?」とさらに広げる。
そこで得た情報を覚えておけば、次回の会話や提案の際に、相手が大切にしていることを踏まえたコミュニケーションができます。
ここで重要なポイントなのが、雑談力を磨くというのは、話術を磨くということはないということです。
それよりも、「聴く力」を高めることが重要となります。
大抵の人は、相手の面白い話を聞くよりも、自分の語りたい話を興味深く聴いてくれることの方が嬉しいですし、楽しいと思うでしょう。
そうして、雑談を通して相手の知り、仕事の上でも何を求めているかを把握する。
その上で、自分(自社)が提供できることを頭の中でつなげていく。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
つまり、的中率の高い商談を行えるようになるということなのです〜
「心を通わせる雑談」
「相手の心を開かせる雑談」
を意識すれば、結果的に仕事は早く終わる。
雑談は効果的な時短術でもあるという話は、一理ありますね〜
「愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ」。
夏目漱石の『虞美人草』に出てくる一説です。
雑談は愛嬌を伝えるものと考えると、非常に意義深いものに感じるのではないでしょうか😊
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
