非戦的「議論」のつくり方
column vol.1263
連日盛り上がりを見せているパリオリンピックですが、今朝も新競技の「ブレイキン」女子で、湯浅亜実選手が金メダルを獲得!
そして、スポーツクライミングの男子ボルダー&リードで17歳の安楽宙斗選手が銀メダルを獲得しました。
これで日本の金メダルは16個、銀メダルは8個。
銅メダルも合わせると37個になりました。
今夜(明朝)は「ブレイキン」男子のShigekix選手の金メダルを期待したいと思います😊
「金」と「銀」。
この2つのワードで想起する格言が
「沈黙は金、雄弁は銀」
です。
主に
「黙っていた方が気持ちは伝わりやすい」
「余計なことを言わない方がいい」
といった意味がありますが、日々生活していて思うのは「主張すれば反発がある」ということ…
年を重ねれば重ねるほど、議論することが億劫になっているのは私だけでしょうか…?😅
しかし、なぜ議論というものが世の中に存在するのでしょうか?
「議論=争い」というイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、そもそも議論とは何なのか?
本日はそんなことに触れてみたいと思います。
議論の本当の意味
まずは議論の意味から確認してみましょう。
日本国語大辞典によれば
「互いに、自己の意見を述べ、論じ合うこと。意見を戦わせること」
と定義されています。
「意見を戦わせる」という言葉から、…やはり「争い」の匂いがしますね…
一方、60万部のヒットを記録した「頭のいい人が話す前に考えていること」の著者で、生成AI活用支援のワークワンダースCEO・安達裕哉さんは
ビジネスにおいては、もう少し拡張してもいいかもしれない。
意見を戦わせる目的は2つある。
一つは
「意見を戦わせることで、どの意見が優れているか(正しいか)、判定すること」
そしてもう一つは
「意見を戦わせることで、よりよい意見を生み出すこと」
この2つを目的とした議論を、「建設的な議論」と呼ぶことにする。
と提言されております。
〈Books&Apps / 2024年8月8日〉
安達さんは、「建設的な議論ができる人はそれほど多くない」と感じていらっしゃり、その理由を
組織内における議論のほとんどは、「自分の地位を上げること」と、「相手を貶めること」に使われてしまうからだ。
議論の目的が「意見」を出したり、質を高めることではなく、人の評判を操作するだけに使われる状況。
これが「不毛な議論」だ。
と指摘されております。
…確かに、私が議論が億劫になってしまうのも…、こうした「マウンティング」に近いものを察知してしまうからなのかもしれません…
議論には「前提」が必要
しかし、安達さんが仰る2つの定義、特に私は「よりよい意見を生み出すこと」が必要だと思っています。
意見を戦わせるのは勝ち負けを決めて、どちらの人が優れているかを決めることではない。
あくまでも多様な意見を重ねて研磨することで、自分一人では考え付かなかった良策に辿り着くことが議論の価値であると感じています。
まずは、
「よりよい意見を生み出すこと」
ということをディスカッションメンバーの前提とする。
この「前提」というのは議論の中身においても重要です。
このことについては、『「数学的」な仕事術大全』の著者で、2万人の「どんな時でも成果を出せるビジネスパーソン」を育てた実績を持つビジネス数学の第一人者、深沢真太郎さんも「議論における前提」について、このように仰っています。
「前提を確認する」という行為は、数学だと「定義」にあたります。
数学は最初に定義をしないと始めることができない学問です。素数の性質を明らかにしたければまず素数とはどのような数かを定義しなければなりません。まず冒頭で定義する。これは極めて数学的な作法なのです。
〈東洋経済オンライン / 2024年3月15日〉
つまり、「何を決めるのか」ということを明確にしないまま議論することは不毛であるということです。
しかし実は、このことは思っている以上に難しい…
この難しさゆえに、いくら「よりよい意見を生み出すこと」ということを議論するみんなで事前に確認し合っても最後はケンカになってしまうのだと思います…(汗)
「何を解決したいのか?」を問う
例えば、私が大学生の時に所属していた劇団では、打ち上げの度にこんな議論が起きていました。
A:客に媚びた芝居はしない
B:お客さんに評価されてこそ劇団は成り立つ
時は1990年代、お笑いも演劇も「シュールな作品が正義である」的な空気感が漂っていました。
その劇団は、シュールな作風を好む一派と、分かりやすい作風を好む一派がいて、劇作家・演出家によって作風が分かれていたのです。
そうして、いつも飲み会の度に朝まで激論。
最後は寝不足なのか、怒りなのか、みんな目が血走っている状態で己の想いを主張していました…
A一派:自分達の独自性を追求したい。
B一派:収益や客入りがなければ単なる自己満足になってしまう。
という希望をお互いにぶつけ
A一派:どこでもやっていそうな作品を好むB一派が許せない
B一派:やりたいようになってお客さんの評価を無視するA一派が許せない
と一切交わることはなかったのです…(涙)
でも、実は2つの意見、「議論の前提」が違いますよね?
なぜなら、どちらも言っていることは正しいのですから(笑)
つまり
●劇団としてオリジナリティを追求するのは当然
●劇団として収益を上げていくのは当然
どちらも必要なことなのですから。
ですから、正しい議論としては
自分たちの目指す劇団の姿とは何なのか?(ビジョン)
ということを話し合った上で、
その独自性(価値)をどのようにお客さんに伝えていくのか?(コミュニケーション)
を話していく。
「オリジナリティ」と「収益」というのは、芝居に限らず、プロの世界(ビジネス)では切っても切れない関係なのですから😊
〜このように世の中、「卵が先か、鶏が先か」というような永遠に終わりそうもない議論が起こっている時は結構、
「何を解決したいのか?」
「どんなベネフィットを得たいのか?」
といったような前提が抜けてしまっていることが多い。
逆にいえば、しっかりと前提を明確にして議論することで「金の卵」が生まれるはずです。
ぜひ「より良い意見」が生まれるための議論がしたいですね😊
…とはいえ、なかなか世の中、簡単に変わらない部分もある…
〜ということで、議論できる人には議論で、できない人には沈黙で、今後も対応していきたいと思います(笑)
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
