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意味の意義

vol.1744

最近は生成AIを使ってブレストを行う機会が増えましたが、人にはよく言われる言葉なのに、AIにはまだ言われたことがない言葉があります。

それは

「それって、何の意味があるのですか?」

です。

意味を問う。

このことを改めて考えていくと、意味人にもたらす大きさが見えてきます。

例えば、消費です。

人はこの商品が「自分にとって意味がある」と思って初めて購入します。

だからこそ、その商品の価値一律にならないことが多々あるわけです。

もし、私が大谷翔平選手サイン入りホームランボールをもらったとしたら、卒倒するほど嬉しいですが、全く野球に興味がない人にとって、単なる中古のボールに思うかもしれません…(汗)

次に仕事です。

もし、私が目的が曖昧な業務社員にお願いしたとしたら、間違いなく

「それ何の意味があるんですか?」

詰められるでしょう…😅

人は意味がないと思えば動かない

裏を返せば、明確な意味があれば、人は険しい道だと思っていても心が躍動し、行動するでしょう。


「意味」を製造する缶メーカー

だからこそ、企業はパーパス・ミッションを一生懸命定めるわけです。

そうした企業の1社として、最近、私が注目したのが明治39年創業の缶メーカー「側島製罐」

〈Forbes JAPAN / 2026年6月11日〉

まず、缶市場お中元お歳暮といったギフト需要が減少していることもあり、国内での売り上げ厳しいものがあります。

そうした縮小傾向にある業界会社で起こりがちなのが、社内の不協和音です…

同社の石川貴也さん社長に就任した2020年当時社員同士の不信感言った言わないの衝突現場の空気の重さはあったとのこと…

そこで、まず石川さんは社員と1年かけてミッションビジョンバリューをつくります。

掲げたビジョンは

「宝物を託される人になろう」。

側島製罐は公式サイトで、缶を「人の想いを預かる器」と表現しています。

顧客の商品誰かの思い出の品、缶の中に詰まる様々な想いを預かる会社である。

そう自社を定義づけたのです。

この言葉は、缶を単なる容器から信頼を預かるプロダクトへと変えました。

さらに、同社は2023年自己申告型報酬制度を導入。

これは、過去の実績を評価するのではなく、未来への投資として、自分の役割と報酬を自ら宣言する仕組みです。

つまり、漫然と働く日々から、これから仕事を通して何を実現していくのか意味付ける

そうしたことを石川さんは社員に求めたわけです。

その上で、指示命令決裁承認プロセス役職なくし、社員一人ひとりが自律的に意思決定する組織をつくり上げています。

感動創造企業を目指す

さらに、石川さんは今、創業120周年を記念した社史の書籍化プロジェクトをクラウドファンディングで展開しています。

〈MotionGallery / Webサイト〉

コレクター519人支援総額497万1720円を集め、目標金額200万円を大きく超えています。

(6月10日午前10時現在)

さらに「1000人に届ける」ことを掲げ、1000万円・1000名というストレッチゴールに挑んでいます。

(終了予定は2026年6月30日23時59分)

通常、社史は社内や取引先に配られる「内輪の記録」です。

しかし、側島製罐がつくったのは、社史に見えない社史

●缶の製造現場を撮り下ろした写真
●70年以上缶をつくり続ける社員のインタビュー
●グラフィックデザイナー原研哉さんと考える缶の企画
●歌人・俵万智による短歌

などを盛り込んだビジュアルブックとして構成されています。

そして、これは単なるクラウドファンディングの成功ではありません。

地方の老舗中小企業が、自社の歴史を「販売可能な文化資本」に変えようとしている点に意味があるのです。

こうした書籍が世の中に広がることで、同社のブランディングになるのですが、ブランディングは当然ながら自社の社員にもその価値を伝えることになる。

最近、ヤマハ発動機のインド市場においてのブランディング事例が記事になっていたのですが、同社には「感動創造企業」という企業理念があります。

〈Response. / 2026年6月12日〉

単に製品を販売するのではなく、挑戦する心と独創性を大切にしながら、世界中の人々の人生をより楽しくより豊かにする価値を創造し続ける企業でありたい。

そうした想いが社員の働く意味をつくり出していることが、同社の強みなのです。

意味を生み出し共鳴を起こす

この感動は、私がコーディネーターを務める小売業協会生活者委員会でも非常に重要なキーワードになっています。

AIが今後接客を担う時代に移り変わる中、人間が接客する意味はあるのか?

それに対して小売各社は「期待を超えた価値」を提供することを目指し、これまで以上に感動を届けようとしているのです。

マーケティングの世界でもよく共感で留まらず共鳴を起こしていこうと言っています。

共感感情・感覚の共有であり、共鳴は受け手が行動までしたくなること。

つまり、お客さんから「分かる」「いいね」と共感してもらうだけではなく、その一歩先にある

「私もその未来を実現したい」
「誰かに伝えたい」
「この会社を応援したい」

心が動く共鳴を生み出すことが大事だということです。

それには、心を震わせる感動記憶をいかにお客さんの心に残せるのかが重要となります。

感動を起こすためには、少しでも多くの人たちの心を知りより深くその心を洞察していく

そうした積み重ねを行うことで、より意味のある商品サービス提供できる意味のある企業になっていくのでしょう。

より意味を生み出せる企業やビジネスパーソンが求められる時代になる。

そうしたことを意識して、私もマーケターとして日々精進していきたいと思います🫡

ちなみに、側島製罐の缶の市場についての補足ですが、グローバルに見ると必ずしも衰退産業ではないとのこと。

むしろ、サステナブル素材保存性リサイクル性という文脈で、再評価されつつあるそうです😊

同社のますますのご活躍を期待したいと思います〜

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!

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