大きな器の中の小さな自分
vol.1483
「あの人は、器が大きい」
器がおちょこ程度の私からすれば、一度は言われたい言葉です(笑)
でも、そもそも「器が大きい」とは何でしょうか?
今日は、その正体に迫りたいと思います。
“器”の正体
「器が大きい」と聞くと、一般的には
「人としての度量が広い」
「能力が十分に備わっている」
「細かいことや小さいことを気にしない」
というイメージかと思います。
ちなみに、フォーブスジャパン編集部編集長の藤吉雅春さんも、逆に「器が小さい人」を
一、自分のことしか考えていない、視界が半径ゼロメートル。
一、独断的で常に自分が正しいと思っているので、人の意見を聞かない。
一、部下の失敗を許容できずに、常に感情的になる。
一、人を信用していないので、指示が細かい。
と定義されているので、大体あっているかと思います。
〈Forbes JAPAN / 2025年6月24日〉
では、器の大きさは生まれ持ったものなのでしょうか?
それについて、藤吉さんは
「器を大きくすることはできる!」
と希望が持てる言葉を仰ってくださっています。
では、どのように大きくしていけば良いのか?
藤吉さんは、そのヒントをユニクロの柳井正さんが語った次の言葉から見出しています。
「成功したと思っていい気になるのは、実は恐ろしいことです。失敗を恐れず挑戦し、その失敗から本質を見抜くプロセスこそが必要なのに、安易に成功したと思い上がり、あるいは失敗に目をつぶると、成長につながる大事なことに気づかなくなります。そうならないようにする方法があります。上には上がいることをよく知ることです」。
上には上がいることを知ること…、確かにそれは大切かもしれませんね…
その上で、藤吉さんは世界的ファッションブランドのブルネロ・クチネリを率いるクチネリさんについて触れています。
読書家であり、2000年以上前のローマの哲学者たちの本を愛読することで知られていますが、一方で、アメリカのITの億万長者たちに
「300年後の地球のために何をしているのか」
と問うている。
太古の昔と遥かなる未来を頭の中で行き来しているのです。
2300年のモノサシ
古典の世界に現代への教訓を求め、300年先の未来を考える。
そして、時間の軸を人間の一生の長さを遥かに超えたモノサシにして、大きな器の中に自分を置く。
器を大きくするには、大きな器の中に入って、己の小ささに気づくということなのですが、この感覚は非常に大事だと思うのです。
今、スマホ・パソコンから目を逸らしてみてください。
その目には何が映っているでしょうか?
そして、その景色は地球全体の景色の中で、何分の1くらいを占めるでしょうか?
地球全体で考えたら、ごくごく小さな一点ですよね?
人生で見てきた全ての景色で考えても、それは地球のほんの一部であり、しかも、これまで見た景色も今は変わっているかもしれない。
次に地球にいる80億人で会ったことがある人は何人いるでしょうか?
人生全体で考えても、ごくごくわずかだと思いますし、会ったことがある人も今はその頃と変わっているかもしれない。
今度はたった一人で考えてみましょう。
家族であっても24時間見ているわけではないので知らないことは多いでしょうし、仮に見たとしても、相手の頭の全てが分かるわけでもない。
そう考えると、私たちはこの世の中のことを、ほとんど知らないと言えるのではないでしょうか?
でも、なぜか私たちは自分が見たものだけで、全てが分かっているような錯覚に陥ってしまう…
「普通は〜」とか、「常識で考えれば〜」という言葉を使ってしまうのは、不思議なことです…(汗)
私は幸いにも副社長という立場を経験できましたが、一番の学びは「人の数だけ正義がある」という事実を知れたことです。
だからこそ、経営は難しい…
私にとって会社は、最も「大きな器の中にいる小さな自分」を身近に感じる存在なのです。
成長を奪う「べき」と「絶対」
私をその立場にしてくれた先代社長は、物事を決めつけて話す若い頃の私を
「『べき』とか『絶対』という言葉を使うな、視野が狭くなるぞ」
と、よく嗜めてくれました。
人間関係の揉め事があった際も、リーダーになる人間は「一方の話を聞いて沙汰してはいけない」と言う。
正義は人と人の間に置くように心がけなさいと教えられました。
そして、どんな偉人の言葉であっても
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
と受け止める。
偏らず、決めつけず、思考の余白に目を向ける。
それが、未来の可能性を広げることにつながるというわけです😊
ちなみに、そんな先代は、朝令暮改どころか、朝令朝改が日常でした。
時折、頭に来て「さっきと言っていることが違うじゃないですか!」と反論すると、
「そりゃそうだ、さっきのオレから今のオレは進化しているんだ」
と、返される…
そう言われて腹が立ちながらも、自分の考えを柔軟に変えられる先代を尊敬している部分もありました。
もちろん、そうした先代の教えに対しては
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
と、受け止めていますが(笑)
大切なのは、大きな器の中の小さな自分を認識し、未完である自分を認識する。
そうした姿勢を大事にしてからの方が、ほんの少し自分の周りで人の輪が広がってきたような気がする。
…気のせいかもしれませんが…
日々自己を刷新しながら生きていく
最近、知った心に刺さるドラッガーの言葉があります。
「私たちが直面している挑戦は、知識を再び人格形成のためのものにすることです」
これまでの道具としての知識を超えるためには、人格を錬磨するのに相応しい言葉(知識)に出会い、自己対話を続け、新しい視点を取り入れ、実践し、日々自己を刷新しながら生きていく。
そうした姿勢を教えてくれる言葉です。
〈JBpress / 2025年6月17日〉
でも、よくよく考えると、未完であることって幸せなこと。
まだまだ伸び代があると思った方が、人生は楽しいからです。
ちなみに、年間約2億個を販売する人気商品・森永製菓「チョコモナカジャンボ」は、2001年から続く「鮮度マーケティング」と呼ぶ独自の取り組みにより、20年間で売り上げを約5倍に伸ばしていますが、まだまだ成長に貪欲です。
〈ITmediaビジネスオンライン / 2025年6月21日〉
パリパリの食感を向上させるため、
「チョコモナカジャンボはまだ完成されていない」
を合言葉に、現在も吸湿遅延技術の検討を進めているそうです。
あんなに美味しいチョコモナカジャンボですら、そうなのですから、私も謙虚に自分を磨いていきたいと思います😊
そして、皆さんもこうした話に共感いただけるようでしたら
今日の私の話や、これから書く私の話に対して
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」
と受け止めていただけると幸いです(笑)
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
