庭づくりは家づくりの序盤から。農園で木を選んで気づいたこと
プロローグ植栽を楽しみたかった。
neieの施工事例を見たとき、どの家も庭と一体化しているような印象がありました。
植栽が家の外にあるんじゃなくて、家の一部として庭が設計されている。
そういう家に住みたいと思って、最初から「植栽を楽しめる庭がほしい」と要望として伝えていました。
荻野寿也さんの「美しい住まいの緑」85のレシピという本があります。
建築家やデザイナーから依頼が絶えない人気造園家の本です。
そこにこんな言葉があります。
「建築という器に庭を生ける」と。
器がどれだけ美しくても、中に何も生けなければ完成しない。植栽も家づくりの一部なんだと、この本を読んで改めて確信しました。
この記事では、設計士さんと農園に行って植栽を選んだ話を書きます。
植栽の管理が大変そうで避けていた方に、まず1本からでも植えてみようという気持ちになってもらえたら嬉しいです。
第1章 植栽を序盤から考える理由
植栽には、見た目以上の力があります。
落葉樹は夏に葉が茂って日射を遮り、冬には葉が落ちて暖かい日差しを室内に取り込む。
壁やフェンスより柔らかく、光や風を通しながら視線を遮ることもできる。
窓の先に緑があるだけで、空間に奥行きが生まれる。そしてお茶を点てる、コーヒーを飲む、
そういう何気ない時間も、背景に緑があるだけで特別な時間に変わる。
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でも家づくりを始めるとき、多くの人は間取りや素材、設備から考え始めます。
植栽は最後に考えるもの、外構工事のついでに決めるもの、そういうイメージがあると思います。
でも植栽を後から考えると、建物と庭がバラバラになりやすい。
窓の位置と木の位置が合わなかったり、アプローチの動線と植栽の配置がかみ合わなかったり。
建物と庭を一体で考えるには、序盤から植栽のことも頭に入れておく必要があります。
「どこから見るか」を最初に決めることも大事です。玄関から見る庭なのか、リビングから見る庭なのか、風呂から見る庭なのか。
見る場所が決まると、木の高さや配置が決まってくる。
うちは設計士さんと一緒に、序盤から植栽の話をしていました。どの窓からどんな景色が見えるか。どの場所にどんな木を植えるか。
そういう話をしながら間取りを決めていきました。
建物と庭を別々に考えるのではなく、一緒に考える。そうすることで、家全体に一体感が生まれると思っています。
次は、実際に農園に行った話です。
第2章 設計士さんと農園に行った
設計士さんと一緒に、三重県鈴鹿市の農園に行きました。
着いてまず驚いたのは、雰囲気でした。
森の中に入っていくような感じで、木々が並んでいる。植栽を売っているというより、森の中で木を選ぶような場所でした。
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3月は一年で一番木が出回る時期だと教えてもらいました。選択肢が多いぶん、迷う時期でもあると。
そして実際に行ってみると、もう一つのことがわかりました。
いい木はすでに他に取られているものもある。
積水ハウスや住友林業といった大手ハウスメーカーも同じ農園で木を選んでいる。
まさしく争奪戦が繰り広げられていました。
気に入った木があっても、すでに予約が入っていることもある。
木との出会いは一期一会だと思いました。
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農園の中を設計士さんと歩きながら、木を選んでいきました。
最初はどの木が美しいのかよくわからなかった。
でも選んでいくうちに、少しずつわかるようになってきました。
この木は樹形が綺麗だな。この木は自然な感じがするな。目が育っていく感覚がありました。
次は、農園育ちと山採りの話です。

第3章 農園育ちと山採りで、木の表情が全然違う
農園に行って、初めて知ったことがありました。
同じ種類の木でも、農園で育った木と山で育った木では、表情が全然違うということです。
農園で育った木は、日をたっぷり浴びて育っています。幹も太く、枝ぶりも整っている。
見た目は綺麗です。
でも整いすぎているというか、どこか人工的な感じがする。
山で育った木は違いました。
周りの木々と日を取り合いながら育っている。
日を求めて枝を伸ばし、隙間を縫うようにして成長してきた。
その過程が、木の表情に出ている。幹のねじれ方、枝の広がり方、葉の付き方。自然な感じがする。
ソヨゴを何種類か見せてもらったとき、最初に出てきたのは農園で育った木でした。
「これは農園育ちなので、幹も太く綺麗すぎるんですよね」と言われました。
どちらがいいというわけではなく、好みの問題だと思います。
僕は山採りの自然な感じが好きだなと思いました。
選ぶ基準は、株立ちであること、樹形が綺麗なこと、山採りで自然な感じがすること。
そういう目で農園の中を歩くと、だんだん見えてくるものが変わってきました。
目が育ってきたところで、庭師さんから大切なことを教えてもらいました。
次は、どこから見るかで木を選ぶ話です。
第4章 どこから見るかで木を選ぶ
「どこから見る木か」ということでした。
庭師さんと設計士さんがいつも聞いてくれていたのはそのことでした。
玄関から見える木なのか、リビングから見える木なのか、風呂から見える木なのか。
見る場所が違えば、選ぶ木も変わってくる。その視点が、最初はよくわかっていなかった。
庭師さんと設計士さんが建物の条件も踏まえながら教えてくれました。
この窓からはこの角度で木が見えます、この部分はここから見えますと。
自分では気づかなかった視点でした。言われてみると、確かにそうだと思うことばかりでした。
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玄関に入って正面と、風呂から見える庭は同じ庭です。
ここには2本のイロハモミジを植えることにしました。2.3メートルと2.9メートル、高さの違う2本を組み合わせます。
庭師さんが「高さの違う木を組み合わせることで、庭に奥行きと立体感が生まれる」と教えてくれました。
荻野さんの本にも書いてありました。高さの違う木を組み合わせて立体的に見せる。
今の流行りは複数の木を組み合わせることだとも聞いていました。
玄関から入ってきたとき、風呂に入りながら、どこから見ても美しい庭になるようにと考えました。
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新芽が出始めた春の樹形が美しかった。」
アプローチには、帰ってくるたびに緑が出迎えてくれるようにと考えました。
ドウダンツツジ、イロハモミジ、ヒサカキ、ヤマボウシを植えます。
毎日立つキッチンからもアプローチ側の緑が見える。
アプローチからは梁現しの軒も見える。
植栽と建物が一緒に見える景色になります。アプローチを色っぽくするという荻野さんの言葉が頭にありました。
リビング側には、窓の先に緑がある暮らしをイメージしました。ヤマコウバシ、利休梅、ジュンベリー、シラカシを植えます。
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場所ごとに木を選んでいくうちに、庭の全体像が少しずつ見えてきました。荻野さんの本で読んだ言葉が、農園での木選びの中で少しずつ形になっていきました。
次は、庭に木を植えることについての話です。
第5章 庭に木を一本植えてみてください
植栽を選び終えたとき、庭の景色がイメージできた気がしました。
玄関に入って正面に、2本のイロハモミジが並んでいる。
風呂からも同じ庭が見える。
季節によって表情が変わる庭。
春は新芽が出て、夏は葉が茂り、秋は紅葉して、冬は枝だけになる。
その変化が毎日の暮らしの中にある。
建物は完成した瞬間が美しさのピークになりがちですが、植栽は違います。
時間をかけて育っていく。古美る。外壁も床も天井も照明も家具も、住むほどに味が出るものを選んできました。
庭も同じでした。
気づいたら、全部つながっていました。
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人間には本能的に自然を求める性質があると言われています。バイオフィリアという考え方です。
木を1本植えるだけで、毎日の暮らしの中に自然が入ってくる。
それだけで心が安らぐのではないかと思います。
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管理が大変そう、お金がかかりそう、そう思って後回しにしてきた方へ。
まず1本からでいいと思います。
シンボルツリーとして1本だけ植える。
それだけでも、窓の外の景色が変わります。
暮らしの中に季節が入ってきます。
家づくりをしている方へ。
植栽は後回しにせず、序盤から一緒に考えることをおすすめします。建物と庭を一体で考えると、家全体に一体感が生まれます。
庭に木を一本、植えてみてください。
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最後に、ひとつ聞かせてください。
あなたの家に植えてみたい木や、お気に入りの植栽はありますか?ぜひコメントで教えてください。
