空耳お爺さん
今日も子どもたちは、LINEで話しながらゲームをしている。私はそっと耳をすます。
時におもしろ発言が飛び出す彼らの会話は、ネタの宝石箱だ。今日も聞き捨てならないワードが飛んできた。
お爺さん150人スタンバイ!
文脈を追いきれなくて残念だ。いったいなんのはなしですか。ずらっとお爺さんが並ぶのを想像するだけでも面白い。
しかし、いくら子ども達でもこんな発言をするだろうか。ネタを求めるあまり、空耳アワーでそう聞こえてしまっただけなのではなかろうか。
ムスコに確認してみた。
「お爺さんたちどうなった?」
「何それ」
空耳な可能性が極めて高くなりました。どうやら150人のお爺さんは、私の頭の中だけでスタンバイしていたようです。
ときにスタンバイしたお爺さんたちは何をするんでしょうね。やっぱり集まったなら行進でしょうかね。150人なので、横に5列だと縦に30人です。
近所の小学校の一学年よりは多いです。でも全校生徒の行進に比べるとだいぶ少ない。そう思うとインパクトが薄れてしまいます。
いっそ1,500人、いや15,000人くらいに増えてもらいましょうか。賑やかになってまいりました。
せっかくなので装いも統一しましょう。お揃いのシルバーっぽい服に、お揃いの杖を持ってもらいます。あとやっぱり15,000人じゃなくて15,001人にしましょうか。追加の1人は司令官です。司令官だけは黒い服を着てもらいます。
さあ黒い司令官に率いられた15,000人のシルバーっぽい隊列が整いました。いざ凱旋門へ。これはもうパレードになりそうです。
お爺さん150人の話はパレードに至る。どうやら結論が見えてきました。そうだ、ムスコは話を忘れている可能性もあるぞ。
未練がましい私は、もう一度ムスコに尋ねます。お爺さんたち、パレードしたよね?
ムスコは戸惑いつつ答えます。父さん、また変なこと書いてるの?
やはり空耳による妄想だったようです。子どもは子ども。私は私。今日も暑いですが、皆さま熱中症には気をつけてお過ごしください。


