〈閑話〉名古屋のはるかぜに乗って:ON READINGに行った話(追記2025/04/02)
雨宮と申します。
今日はあいにくの花曇りですが、ぽつぽつと桜も咲き始めた頃。1ヶ月ほど前に比べれば、だいぶお出かけがしやすくなりました。
3月に住居を名古屋に移して以来、アトリエや書店をはじめとして、機会を見つけては気になる場所を巡ってみています。その過程で是非足を運んでほしいと思うお店を見つけることができましたので、今回の記事で紹介させていただきます。
東山線で行けるひっそりと佇む本屋さん兼ギャラリー、ON READING。
※写真撮影を除き、取材やブログ紹介の許可はいただいています。本記事に利用させていただいた写真はすべて公式サイトからの引用です。
↓公式サイト
↓アクセス
地下鉄東山線「東山公園」から徒歩で5分以内。
少しわかりづらいですが、お店がビルの2階にあることだけ注意して書店のアイコンを探してみてください。

ちなみに同ビルの1階には喫茶店があります。
こちらにはまだお邪魔できていないのですが、プリンやチーズケーキがおいしいんだとか。買ってきた本をそのままこちらで楽しむのも良いですね。
自分へのごほうびリストが肥えていきます。
カメダビルの2階に上れば、のびのびと育つ観葉植物とアンティーク調のドアが出迎えてくれます。手前がギャラリー、奥が書店です。ビルの端を切り取ったように立ち現れる独特の空間に少しだけわくわくししました。
ギャラリー
3月27日(木)に私が伺った際には、片岡俊さんの個展『Life Works』が開かれていました。

片岡俊 Shun Kataoka
写真家。1984 年生まれ。「自然」と「人」の関わり合いに着目した写真作品を制作している。2020年THEBACKYARD PITCH GRANT ファイナリスト。2021年KYOTOGRAPHIE International PortfolioReview 2021 DELTA Award 受賞など。主な個展に「Life Works」(PURPLE 2024)、「SUITEN」(今宮神社御旅所 2024)など。2024年に赤々舎より写真集『Life Works』を刊行した。
私が来た時は丁度他のお客さんがいなかったため、扉を開けてしまってから入って良いのかな……?と迷っていましたが、どうぞと静かに出迎えていただけて嬉しかったです。
静謐で穏やかな時間でした。特に目の覚めるような蒼色をした、サイアノタイプの作品群が印象に残っています。
これは紫外線によって物体の影を映し取る古典的な写真の手法ですが、草を固定せず揺れるままに任せることで、庭園の時間を切り取ることを試みたのだそう。よく見ると写し取られた葉の輪郭がところどころ重なったり、揺らいだりしているのがわかります。
眺めているうち、白昼に土の上に落ちる影は灰色でなく、寧ろ淡い藍色をしていることに気付かされました。その色はどこか懐かしい、思い出せないような子どものころの夕暮れにかき分けた草葉を想起させてくれます。

書店
入口を通ってすぐには、小ぶりで懐かしい雑貨たちに加え、手に取りやすい大きさや価格帯の本が手前に並んでおり、どうしても引き込まれてしまいます。
最新の書籍や雑誌については控えめな一方、学術書や詩集の品揃えは豊富。テーマもかなり幅広いです。私の専門である人類学、美術に関しての書籍もたくさん。
「考える人のための本屋」がコンセプトのようですが、たしかに、急かすことなく各々のペースで、興味を持っていることに向き合わせてくれる穏やかさがありました。
少し足を踏み入れれば、個人の出版物がびっしりと並んだコーナーがあり、恥ずかしながら私はそこでZINEという出版の形式(書籍の形態)があるのだと知りました。
自分の見出した意義を信じて主張を書くということ、言語化によって自身を割り開くことへの恐怖を甘受すること。そういう綴り方に真摯なひとと、それを読み手と繋げる本屋があるということは素敵なことです。
お近づきの印として気になった一冊を購入してみるなど。
私が何より嬉しかったのは、点滅社さんから出ている詩集「死のやわらかい」(著:鳥さんの瞼)を見つけられたことです。
石棒や土偶が儀式のためじゃなく 単に好きすぎてだったらいいね
とても気になっていて通販を考えていたので、思いがけず現物を見ることができて驚きました。
非常に少人数で構成されている出版社だということ、詩集をはじめとした独特の書籍を世に出しているということからずっと気になっていたので……。
こちらも購入してしまいました。
開いてみると、岡本真帆さんをはじめとした三者による評論が書かれている「栞」が入っています。

それを含めて一冊と考えると、ますます手元に置くことにしてよかったという気持ちになってきます。こちらぱらぱらと読みながら、また読書録として感想を整理しようかなあと考えています。よろしければそちらも是非。
今回はこの辺りで締めさせていただきます。
ご覧いただきありがとうございました。
追記(2025/04/02)
・鳥さんの瞼さんが本記事をご覧になってくださりました。こちらのマガジンに加えていただいています。影ながら、X(旧Twitter)でも作品を追いかけている方なので、届いていて嬉しい限りです。
・たよろよろ図書館DATABASEさんの下記の記事で、本記事をご紹介いただきました。ありがとうございます。
