老後のために貯めてきたお金。では、いつ使う?【前編】
これまで、ずっとお金を貯めてきた。
老後のために。
現役時代、具体的な金額の目標があったわけではない。
「老後までに3000万円」とか「5000万円あれば安心」とか、そういう数字を決めていたわけでもない。
ただ、
「老後のために、お金は貯めておいたほうがいい」
そう思っていた。
毎月の収入から少しずつ貯蓄に回し、余裕があれば投資もする。
いくら貯めても、「もう十分」とはなかなか思えない。
もう少しあれば安心。
もう少し余裕があれば安心。
そんな感じで、働いている間は貯めることを続けていた。
そして60歳になり、仕事を辞めた。
気がつけば、その「老後」がもう始まっている。
そこで、ふと思った。
「では、このお金をいつ使うんだろう?」
1年間、実際に取り崩してみた
仕事を辞めてから、生活費の一部を資産から取り崩して生活している。
始める前は、やはり不安があった。
毎月お金を使えば、その分だけ資産は減っていく。
「このまま減り続けたらどうしよう」
そんな気持ちもあった。
でも、1年間やってみて分かったことがある。
取り崩し方さえ間違えなければ、資産をなるべく減らさずに、お金を使っていくことができる。
毎月決まった額を機械的に売却するのではなく、生活に必要な現金を確保しながら、運用資産の状況を見て調整する。
相場が好調なときには必要な分を現金化しておく。
逆に相場が大きく下がっているときには、できるだけ売却を急がない。
そんなふうに、その時々の状況を見ながら取り崩していく。
実際に1年間やってみると、
「お金を使う=資産がどんどん減っていく」
という単純な話ではないことが分かった。
そして、もう一つ気づいたことがある。
資産をなるべく減らさずに取り崩せるのであれば、これ以上、無理に資産を積み上げる必要はない。
現役時代は、収入があるうちは少しでも多く貯めようと思っていた。
でも、今は違う。
すでにある資産を運用しながら、必要な分を使っていく。
運用を続けていれば、今ある資産そのものが成長して増えていくこともある。
もちろん、毎年必ず増えるわけではない。
相場が下がれば、資産が減ることもある。
それでも、資産を持ち続けて運用することで、お金にも働いてもらえる。
1年間やってみて、それが少しずつ実感できるようになった。
だから今は、「もっと貯めなければ」という気持ちが以前ほどなくなった。
それよりも、
「今ある資産をどう使いながら、どう育てていくか」
を考えるようになった。
老後のために貯めてきたお金。
その「老後」は、もう始まっている。
では、これからそのお金を何に使っていくのか。
次回は、60歳になって変わってきた「お金の使い方」について書いてみたいと思う。
時間は有限。
このことを、最近強く意識するようになった。
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