アイドルソングの世界観。西條和の人間性と22/7(ナナニジ)の歌詞との関係、「計算中」Season2#32「妄想クイーン決定戦!」の滝川みうの作品から
はじめに
秋元康総合プロデュースデジタル声優アイドルグループ22/7(ナナニジ)に楽曲・ダンスにおいてセンター的位置づけに立つメンバーは西條和がいる。
22/7はアニメキャラクターによる活動とリアルメンバーによるアイドルをする、2次元と3次元の世界で活躍するアイドルグループとなる。西條和が声優を担当するアニメキャラクターは滝川みうである。
西條和はただ単に、グループの中心的メンバーとなっているだけではない。西條和による考え・思考・人間性は、22/7(ナナニジ)のグルーブの世界観の基盤となっていると感じる人は数多いと思う。
22/7の楽曲にある歌詞には、西條和の思考にあるパラドックスが潜んでいるのかもしれない。
西條和の世界観を大きく表したものが、かつての、22/7の冠番組「計算中」(現在は「計算外」との番組が継続している)で表現されていた。
それは、ナナニジメンバーに妄想でタイトルとあらすじを考えてもらい紹介してもらう企画があった。そこで紹介された本は、西條和の人間性が表現された作品となっていた。
1)「計算中」season2 #32
“ない本”を作り出せ!
「計算中」はアイドルグループ22/7が、アニメキャラクターとなり、MCに三四郎を迎えたバラエティ番組である。2018年から始まり5年間の間放送されていた。
その中で、『計算中』Season2 #32 (2020年11月7日放送)において「“ない本”を作り出せ! 妄想クイーン決定戦!」がおこなわれた。それは、ナナニジメンバーに妄想でタイトルとあらすじを考えてもらい紹介してもらう企画だった。
妄想クイーン決定戦!
登場メンバー:
柊つぼみ(武田愛奈)
神木みかみ(涼花萌)
丸山あかね(白沢かなえ)
藤間桜(天城サリー)
滝川みう(西條和)
河野都(倉岡水巴)
その中で、滝川みう(西條和)の作品は、あまりに、意味深で興味深いものであった。内容があまりに強烈すぎたあまり、番組で作品が紹介された後しばらくは、メンバーも言葉を失っていた。
2)滝川みう(西條和)の妄想で作ったオリジナル本
滝川みう(西條和)は、「死なずに生きない」と題した文章を紹介した。その題名と文章とその内容の説明は次のような内容である。
1.「死なずに生きない」
欲も希望もなくなった。
欲や希望がある人が羨ましく見えた。
その羨ましさを持ってでもうごかせなくなった足。
昔見てた青は薄まった。
ちょっとずつ、色がみづらくなっている。
世界はこんなにもくすんでいたのだろうか?
明日を待つことをやめたのはいつからか?
まぎれもなく大人で、紛れもなく生きてしまっている。
ただ、それをうけいれられずにいる。
いっそのこと、もう掘り起こせないほど
奥の奥まで埋めに行きませんか。

2.滝川みう(西條和)による作品の説明
私にとって、日常が一番の恐怖なので、
一番日常っぽい写真を選びました。
顔が見えていないっていうのが
表情がわからなくて・・・
私は、作り話を書くのが苦手なので
本を作ってくださいと言われた時に
ちょうど携帯のメモにのこっていた文をそのまま・・・
「死なずに生きない」っていう
第3の選択肢があったらいいなって
ずっと思ってて
その方法を探したい・・・
と語っていた。
22/7の世界観は西條和によりつくられているのだと、感じさせるものとなっている。
3)西條和の言葉の答えとなる
22/7の楽曲たち
この西條和の「死なずに生きない」という言葉に対し、簡単に答えを求めることは難しい。
この西條和の言葉は、22/7の楽曲の世界観のベースとなるのだろう。
🎤1.「死なずに生きない」
生きていることを前提にこの言葉を読むと、「死なず」というのは生きているということを表しているものとなる。一方で「生きない」は生きないつまり「死ぬ」を意味する言葉となる。
西條和による「死なずに生きない」とは「死なず」と「生きない」との矛盾した関係となる。
つまり、「死なない」と「生きない」との間で心揺れる気持ちを表した題名となる。このパラドックスの中に西條和の思考があるのだろうか。
22/7のデビュー曲である「僕は存在していなかった」にある、生きてはいるが自分の存在を「無」としたいことをうたっていた歌詞につながるものとなるのだろうか?
また、「人格崩壊」では、自分の存在意義を思い巡らす様子を唱える歌詞がある。「自分とは誰だ?、自分とは何者なんだ?」心揺らしている自分の気持ちを語る歌詞とも共通するものがあるのかもしれない。
🎤2.うごかせなくなった足
欲も希望もなくなった。
欲や希望がある人が羨ましく見えた。
その羨ましさを持ってでもうごかせなくなった足。
8thシングル「覚醒」には、この言葉に対応する歌詞が含まれていることが興味深い。
僕には何にも見えていなかったんだ
誰かが差し出す救いのやさしさも…
突然 世界から拒絶されたかのように
絶望の闇に包まれてた
🎤3.昔見てた青は薄まった
昔見てた青は薄まった。
ちょっとずつ、色がみづらくなっている。
世界はこんなにもくすんでいたのだろうか?
青とは何を示しているのかは、説明されていないので、詳細は不明である。
しかし、空の事を表していたのであれば、9thシングル「曇り空の向こうは晴れている」にある歌詞は、グレーに覆われた空の先には、青い晴天が存在するのだと歌っている。
まさに西條和に対するアンサーソングとなっていたのではないかと思わせるものがある。
その点に注目すれば、青天の美しさと人生の素晴らしさを歌っている「ハレロ」もその性格をもつ歌なのかもしれない。
また、15thシングル「あなたでなくちゃ」のミュージックビデオは、鮮やかな青を舞台としたテニスコート、白と青を基調とした衣装となっていることは、この言葉に関連するのだろうか?大変興味深い。

🎤4.まぎれもなく大人で、紛れもなく生きてしまっている。
明日を待つことをやめたのはいつからか?
まぎれもなく大人で、紛れもなく生きてしまっている。
ただ、それをうけいれられずにいる。
西條和生きていることへの絶望感をもちながら、今日を生きている。そこに明日を望む心はないようだ。ムズイで語られた台詞は、西條和の心の声を代弁しているかのように聞こえてこないだろうか?
5thシングル「ムズイ」は西條和の気持ちを表した歌詞となっていると言えるかもしれない。
歌のはじめに「大人たちは簡単に言うけど、私にとっての希望ってどこにあるの?」という台詞がある。大人に対する問いかけでもあり、大人になった自分への問いかけを行っていると言えるかもしれない。
一方で、その悩み・苦しむ気持ちを打ち砕くように語る歌詞が含まれているのが「覚醒」にあると言えるのかもしれない。
🎤5.奥の奥まで埋めに行きませんか。
いっそのこと、もう掘り起こせないほど
奥の奥まで埋めに行きませんか。
死を求めたようなこの言葉は強烈だった。この言葉が、「曇り空の向こうは晴れている」の中に「死にたかった、死ななくてよかった」という歌詞を導いているのかもしれない。
🎤6.第3の選択肢
私にとって、日常が一番の恐怖なので、
一番日常っぽい写真を選びました。
顔が見えていないっていうのが表情がわからなくて・・・
私は、作り話を書くのが苦手なので
本を作ってくださいと言われた時に
ちょうど携帯のメモにのこっていた文をそのまま・・・
「死なずに生きない」っていう
第3の選択肢があったらいいなって
ずっと思っててその方法を探したい・・・
西條和は、「死なずに生きない」という第3の選択肢を探したいとしたところは興味深い。

「叫ぶしかない青春」では「求めている何かが見つからない その何かが何かもわからない」と歌っている。西條和は、拒むものははっきりしているが、自分が求めているものは分かっていないようだ’(・・・言わないだけかもしれないが・・・)
「未来があるから」では「何より大事な基準はいつでも、白とか黒とか二つに一つだ」となっている。22/7の初期の楽曲は二つに一つだとと歌っているものが多い。
第3の選択肢
ある時からその歌詞内容に変化が表れる。二つの道、どちらかを選ぶのではなく、自分の道(第3の選択肢)を選びそれに進めと歌っている楽曲が多くみられるわけである。
それを語る楽曲となるのが、
8thシングル「覚醒」
10thシングル「神さまだって決められない」
11thシングル「僕は今夜、出て行く」
13thシングル「YESとNOの間に」
14thシングル「ロックは死なない」
などがあげられるのだろう。
おわりに
西條和の言葉を論理学的に分析した記事も作成しました。関心ある方はどうぞ、さらっと覗いてください。
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