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スタートアップのIPOにおける市場選択~TPMという選択肢~

こんにちは、タスキーグループでスタートアップ支援事業を担当している会計士の菊池です。

今回は、IPOを目指す企業にとって重要な「どの市場を選ぶか?」というテーマを、2024年のIPO動向を踏まえて整理してみます。

IPOというと、資金調達や上場ゴールが先行しがちですが、実際には「どの市場で上場するか」によって、求められる体制や上場後の姿は大きく異なります。スタートアップにとっては、まさに成長戦略の分岐点となるため、2024年のデータを参考にしながら、自社に合った市場選びのヒントをお伝えできればと思います。

2024年のIPO件数と市場の内訳

2024年に新規上場した企業数は以下の通りです(TPMを含む):

やはりグロース市場への上場がスタートアップ企業にとって主流ですが、それ以外の選択肢にもそれぞれの良さがあります。
以下に改めてそれぞれの市場の概要を説明したいと思います。

各市場のざっくり特徴と企業像

グロース市場

スタートアップに最も身近で、実際の上場件数も最多。
成長性が重視されるため、黒字でなくても、ビジョンやスケーラビリティが明確であれば上場可能です。
2024年も、AI、SaaS、宇宙、DXなどさまざまな業種のスタートアップがこの市場を選びました。特にVCから資金調達を受けている企業は、グロース市場をEXIT手段と位置づけているケースが多いです。
一方で、市場環境の影響を受けやすい面もあり、株価が不安定になるリスクも。短期的な成長性と長期的な持続力、両方を見据えた上場準備が求められます。

スタンダード市場

中堅企業向けの市場。黒字化していて、一定の事業規模がある企業に選ばれています。2024年の上場企業を見ると、地方の老舗企業や、公共性の高いサービスを提供する会社が中心です。
スタートアップにとっては少しハードルが高めですが、「堅実な成長」を軸にしている企業にはフィットします。採用や取引先の信頼獲得といった目的で選ばれることもあります。

プライム市場

東証の最上位市場で、ガバナンスや流通株式比率など、上場基準が非常に厳格です。2024年の上場は4社と、非常に限定的。
基本的には、時価総額数百億円以上を想定している大手企業や、既に高い収益基盤を持つ企業が目指す市場です。スタートアップが最初に目指す先としては現実的ではないものの、長期的な目標としては意識しておくと良いかもしれません。

TPM(東京プロマーケット)という選択肢もある

一方で、近年少しずつ注目を集めているのがTPM(Tokyo PRO Market)です。プロ投資家向けの市場という位置づけで、一般の個人投資家は原則として売買できません。その代わり、上場要件は他市場に比べて大幅に緩和されています。

たとえば、

  • 監査は1期分でOK

  • 株主数や時価総額などの形式基準がない

  • 四半期開示や内部統制報告が不要

などです。
つまり、「まずは上場企業になる」ことを優先したい企業にとっては、非常に現実的な選択肢となり得ます。

特に、以下のような企業にはTPMがマッチしやすいと感じています:

  • 規模はまだ小さいが、いずれグロース市場やスタンダード市場への移行を目指したい

  • 地方の中小企業で、上場によって採用・営業の信頼度を高めたい

  • オーナーシップを維持したまま、対外的な評価を得たい

2024年には50社がTPMに上場しており、その中には不動産業や建設業、IT系企業など多様な業種が含まれています。中には、TPMからグロース市場等にステップアップ上場を果たす企業も出てきています(2024年は3社)。

また、「地方の中小企業が上場することで、採用面や取引先への信頼性を格段に高められる」という点は、私たちが掲げる『LOCALから新たな価値を』というビジョンとも重なります。
地元に根ざしながら、これまで培ってきた技術やサービスをより広く届けるためには、上場という“看板”が強い追い風になります。特にTPMは、そうした企業にとって無理なく踏み出せる上場の第一歩として、現実的かつ効果的な手段になり得ると考えています。

このように、TPMは資金調達面では制約がある一方で、信用力の獲得や事業拡大の後押しという意味では、悪くない選択肢かと思います。

まとめ:自社に合った“最適な市場”を

IPOは目的ではなく手段です。資金調達だけがゴールではなく、信頼性向上、採用力強化、事業承継の円滑化など、さまざまな目的があります。

IPO市場は多様化しています。ぜひ、自社の目的や現在地を見つめながら、最適な市場選択を考えてみてはいかがでしょうか。

タスキーグループでは、スタートアップや中小企業の皆さんに向けたIPO支援や市場選定のご相談を承っています。
ご不明点やお悩み等ございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください(タスキーグループ)。

それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございました!!


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