【大学受験】医学部受験を迷うあなたへ「将来医師が余る」は本当か?今、医学部を目指す価値
医師はいつだって激務なのに「医師が余る」という矛盾
「医師は将来、余るらしい」
「AIに仕事を奪われるんじゃないか」
「苦労して入っても割に合わない、儲からない時代になる」
医学部受験を考える子どもを持つ親御さんや、医師という職業を夢見る高校生に向けて、こうした言葉が向けられることが増えてきました。確かに、医師の数が増え続けているので国が制限するというニュースがある。にもかかわらず、現場の医師たちは今もなお、激務の中にいるはず。この一見矛盾した状況は、いったい何を意味するのでしょうか。
この記事では昨年、医学部へ進学した子を持つ、私自身の疑問でもある「医師余り」の実態をデータから検証しながら、それでも今、医学部を目指すことに確固たる価値がある理由を、私なりに丁寧にお伝えしていきます。私の結論は医師を目指す価値はまだまだあると考えます。
1. 「どこにいるか」の偏り(地域偏在)
医師の総数は増えていますが、「必要な場所にいない」のが大きな問題です。
地方 vs 都市: 人口10万人あたりの医師数を比べると、一番多い徳島県と、一番少ない埼玉県では約1.8倍もの差があります。
都市部の中の空白: 東京などの大都市でも、有名な大学病院には医師が集まりますが、近所のクリニックや地域を支える中核病院では人手が足りていません。
「日本全体で足りているか」ではなく「あなたの住む街に、必要な専門医がいるか」が重要なのです。
2. 「何科か」の偏り(診療科偏在)
いま、若手医師の間で「3ない科」という言葉が注目されています。
・癌がない(命に関わる重い病気が少ない)
・当直がない(夜勤がない)
・救急がない(突発的な呼び出しがない)
自分たちの生活を守り、訴訟リスクを避けるために、皮膚科や美容外科を希望する人が急増しています。一方で、外科や産科、小児科など、命に直結するハードな現場の医師は減り続けています。
なぜ「給料」を上げても解決しないのか?
国も「大変な科の報酬(病院に入るお金)を増やす」という対策をしていますが、うまくいっていません。理由は3つあります。
責任の重さ: 「訴えられるかもしれない」という精神的プレッシャーは、お金だけでは解消できません。
病院の仕組み: 国が報酬を増やしても、それが直接「医師個人の給料」に反映されるとは限りません。
まだ足りない: 美容外科などの自由診療(保険がきかない診療)で稼げる金額に比べると、現在の底上げはまだ「焼け石に水」状態です。
3. 医師の「働き方改革」
2024年4月から、医師にも「残業時間の上限」がルールとして適用されました。
これまでの異常事態: これまで多くの勤務医は、過労死ラインを大幅に超える猛烈な時間働いて、日本の医療を支えてきました。
改革の副作用: 働く時間が制限されると、今まで1人の医師がこなしていた仕事を、1.5人〜2人で分担しなければなりません。
つまり、「1人あたりの労働時間が減る = 実質的なパワーが減る」ということ。医師の数が増えても、それ以上に「働ける総時間」が削られているため、現場はさらに人手不足を感じているのです。
今の日本の医療は、お金や制度の不備を、「目の前の患者を救いたい」という医師たちの使命感が埋めているのが現実です。!
4.医学部受験を目指す価値がある理由
これだけの歪みと矛盾を抱えた現実を踏まえた上で、それでもなお、医師という職業には今の時代だからこそ輝く価値があると私は考えます。その理由を一つずつ説明していきます。
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