【創作】紫陽花男子 #毎週ショートショートnote
うちの中学校は毎年6月末に開催される伝統行事「校内男子マラソン大会」があった。
名物は地獄坂と呼ばれる坂道と沿道の紫陽花。

登り始めは興奮して顔を赤くする生徒たちが、中盤からは疲れや酸欠で顔色が青くなってくるのを村人や女子生徒たちが
「頑張れ、紫陽花男子!」
と冷やかすように応援するのが慣例で、娯楽の少ない山あいの村で、選手以外の皆が楽しめるイベントだった。
一、二年生の時は惨敗だったけど、今年は密かに練習を重ねてきた、上位入賞を目指すんだ。
「いいぞぉ、けど、まだ顔が赤いぞ。もっと頑張れるぞ」
沿道からの声援に、軽く手を振って応えた。地獄坂を登り切り、降り登りを繰り返して折り返し、先頭でゴールした。
呼吸を整えていると美幸が
「優勝おめでとう、カッコよかった」
ポカリを差し入れしてくれた。
「賢治、真っ青だった顔が赤くなったぜ。お前の紫陽花は、また花開くんだな」
剛君に冷やかされたけど、天国みたいな良い気分だった。
(おしまい)
#毎週ショートショートnote
たはらかにさんの企画に参加です。
#何を書いても最後は宣伝
選手に引き続き、こちらの作品のキャラクターに出演していただきました。
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