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inagakijunya
恋花粉【毎週ショートショートnote】
春が近づいてくる。
みんなは花粉症で困っている。
「今日は、花粉が非常に多いから注意ふるんだよ」
父は母へのディープキスの合間に僕へ告げた。どうやら、またスキ花粉が飛散しているらしい。
学校までの道では、至る所でカップルがいちゃついていた。僕はマスクをして知らんぷりをしながら登校した。
僕と真奈美ちゃん以外、クラスのほとんどが花粉症だ。だから授業中や休憩時間に繰り広げられる甘酸っぱい愛のキャッチボールをマスク姿で傍観していた。
僕は昼休みに真奈美ちゃんを屋上へ誘った。
「なにがスキ花粉だよ、うぜえわ」
「すぐ時期が過ぎるわよ」
「花粉とか消えればいいのに。あと受験も、人生も、政治家も、金持ちも、全部消えればいいのに」
「翔君も花粉症?」
「なに言ってるんだよ、僕は・・・」
「それ、ブツクサの花粉」
僕はハッとした。普段は無口だったことを忘れていた。
そして真奈美は僕を見て笑った。
「実は、私もずっと花粉症なんだけどね」
真奈美はくしゃみをした。
今日はマツ花粉も飛んでいたらしい。
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