第4章|二十四の所作という 利する薄紙
二十四の所作は 何かを上達させるためのものではない
動こうとしたとき
すでに生まれている 緊張
手放したとき
自然に起こる ほどけ
その行き来が
もともと體(からだ)に備わっていることを
思い出すための
利する薄紙
緊張を悪とせず
弛緩を目的としない
その 循環そのものを
體に許していく
なぜ 二十四なのか
指先 足首 首筋 腰
それぞれの部位が持つ
緊張と弛緩の波
二十四という数に
絶対的な正解があるわけではない
ただ この切り口が
循環に戻るための 十分な解像度を持っている
所作という「型」をなぞることで
微細な緊張が生まれる
その緊張を手放した瞬間に
訪れる弛緩
収束し やがて拡大し
再び収束へと還る
呼吸と同じ
循環のリズム
頑張るでもなく
崩れるでもない
循環のはざまに
自然な在り方が 顕れる
稽古とは
特別な時間を積み重ねることではない
緊張と弛緩が
體内で滑らかに巡っている状態を
思い出すことに近い
響きを味わい
循環を味わったなら
利する薄紙は 手放される
そのリズムを保ったまま
いつもの日常へと 静かに還っていく
次回|静止の中の動 動きの中の静
二十四の所作は、上達のための課題ではなく、緊張と弛緩の循環を體に許すための「利する薄紙」。味わったなら、やがて手放されていく。
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