取引先の代表者個人を調べる合法的な方法|探偵が教えるOSINT信用調査術
「会社の登記は問題なかった。でも代表者個人が信用できるかどうかわからない」
法人調査をした後に、こういった依頼が来ることが多いです。
探偵歴8年の現役調査員として、取引先の代表者個人を調べる依頼は法人調査と並んで多いテーマです。
会社の実態は問題なくても、代表者個人に問題があるケースは少なくありません。
今回は、公開情報を使って代表者個人を合法的に調べる方法をお伝えします。
なぜ代表者個人を調べる必要があるのか
会社の信用調査と代表者個人の調査は、別物です。
登記上は問題のない会社でも、代表者個人に以下のような問題がある場合、取引リスクは高まります。
■ 過去に別の会社でトラブルを起こしている
■ 複数の会社を掛け持ちしており、実態が薄い
■ 言っている実績や資産と、実際の行動が一致しない
■ 過去に訴訟・自己破産の経歴がある
調査① SNS・ネットの発言から資産・収入を推測する
実際の調査でこんなケースがありました。
「投資話を持ちかけてきた会社の代表者を調べてほしい」という依頼で、
代表者のSNSを確認したところ、高級車・海外旅行・高級レストランの投稿が頻繁にありました。
一方で登記情報の資本金はわずか50万円、
会社の設立からまだ8ヶ月しか経っていませんでした。
「成功した実業家」という見せ方と会社の実態がまったく釣り合っていませんでした。
確認するポイント:
■ SNSの投稿内容と会社の規模・実績が一致しているか確認する
■ 「年収〇億」「資産〇億」という発言の根拠を登記情報・実績と照合する
■ 生活水準を示す投稿(車・旅行・住居)と会社の規模が釣り合っているか確認する
■ LinkedInの経歴・実績と実際の登記情報が一致しているか確認する
調査② 登記情報から別会社との関係を発見する
実際にこんな調査がありました。
「取引を検討している会社の代表者の素性を確認したい」という依頼で、
代表者名で国税庁サイトを検索したところ、同一人物が現在進行形で4社の代表を兼任していることが判明しました。
さらに過去に代表を務めた会社を調べると、
2社が短期間で廃業していました。
表向きは「実績豊富な経営者」でしたが、
登記情報を辿ると別の実態が見えてきました。
確認するポイント:
■ 国税庁サイトで代表者名を検索し、関連会社を洗い出す
■ 過去に代表を務めた会社の廃業・解散状況を確認する
■ 兼任している会社の事業内容が本業と矛盾していないか確認する
■ 関連会社の登記住所が一致しているか確認する
調査③ 過去のトラブル・訴訟情報を確認する
実際にこんなケースがありました。
「業務委託を検討している個人の信用調査をしたい」という依頼で、
代表者名をGoogle期間指定検索で過去5年分調べたところ、3年前に元取引先との金銭トラブルに関する書き込みが複数の掲示板に残っていました。
さらに裁判所の判決情報データベースを確認すると、同姓同名の人物が原告となった少額訴訟の記録が見つかりました。
確認するポイント:
■ 「代表者名+トラブル」「代表者名+詐欺」「代表者名+訴訟」で検索する
■ 期間指定検索で数年前までさかのぼって確認する
■ 裁判所の裁判例検索(https://www.courts.go.jp)で名前を検索する
■ 官報で自己破産・民事再生の情報を確認する
調査④ 行動パターンから居住地・勤務実態を確認する
実際にこんな調査がありました。
「取引相手が言っている拠点が本当かどうか確認したい」という依頼で、
代表者のSNS投稿の場所タグと投稿時間帯を分析したところ、「東京在住・東京で活動中」と名乗っていたにもかかわらず、投稿の場所タグや背景の建物から実際には地方都市を拠点にしていることが判明しました。
言っていることと実際の行動が一致しない場合、他の情報にも虚偽が含まれている可能性が高まります。
確認するポイント:
■ SNSの場所タグ・投稿内容から実際の活動拠点を確認する
■ 投稿時間帯のパターンから勤務実態を推測する
■ 写真の背景・映り込みから行動範囲を絞り込む
■ 申告している拠点と実際の行動範囲が一致しているか確認する
調査時の注意点
代表者個人の調査は、合法的な範囲で行うことが大切です。
■ 公開情報の閲覧に留める(不正アクセス・盗聴は違法)
■ 調査結果は取引判断にのみ使用する
■ 個人情報を第三者に提供しない
■ ストーキング・嫌がらせに使わない
調査の目的は「取引リスクの判断」です。この目的を忘れないようにしてください。
まとめ
取引先の代表者個人を調べる4つの方法をまとめます。
■ SNS・ネットの発言から資産・収入と実態の乖離を確認する
■ 登記情報で別会社との関係・廃業歴を洗い出す
■ 期間指定検索・官報で過去のトラブル・訴訟を確認する
■ 行動パターンから申告内容と実態の矛盾を見つける
会社の信用調査に加えて、代表者個人まで調べることで取引リスクを大幅に下げられます。
次回は「探偵が見た『騙されやすい経営者』の共通点」を解説します。
探偵歴8年の現役調査員がOSINTの知識を発信しています。
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