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裸の心――弱さが先にあるということ

あいみょんの「裸の心」は、
強い感情をぶつける歌ではない。

むしろ、
どう扱っていいかわからない気持ちを、
そのまま抱えている時間に近い。

わかってほしい気持ちと、
知られたくない気持ち。
近づきたい思いと、
傷つくことへの怖さ。

この歌の中には、
そうした矛盾が、
きれいに整理されないまま残っている。

裸の心という言葉は、
正直でいることよりも、
無防備であることに近い。

強くなる前の状態。
守る言葉を、
まだ持っていない状態。

だからこの歌は、
前に進もうとしない。
立ち直ろうともしない。

ただ、
そう感じてしまう自分を、
否定せずに置いている。

誰かを好きになるとき、
自分の弱い部分が、
思いがけず前に出てくることがある。

それを隠そうとして、
言葉を選びすぎて、
結局、何も言えなくなる。

「裸の心」は、
そんな時間を、
無理に肯定しない。

でも、
間違いだとも言わない。

何もできなかった日や、
うまく笑えなかった時間も、
そのままでよかったのかもしれないと、
少しだけ思わせてくれる。

裸の心でいることは、
勇気の話ではない。

それは、
弱さが先にあって、
あとから、どう生きるかを考える、
そんな順番の話だ。

この歌を聴く日は、
無理に前向きにならなくていい。

気持ちを整えなくてもいい。

ただ、
自分の中にある、
扱いきれない感情を、
そのままにしておく。

それだけで、
十分な夜もある。

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