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深夜のラブレター

土曜日の深夜のラジオ番組『真夜中の散歩道』のオープニング曲を合図に、冷蔵庫から缶ビールと枝豆を取り出し、ローテーブルに置く。

周平は、毎週この時間を楽しみにしていた。

周平は「星空の下で」というラジオネームで、リスナーとして番組に参加していた。

曲をリクエストしたり、面白いエピソードを送ったりと、毎週のようにハガキを出している。

時々、それが電波に乗ってラジカセから流れると、心が躍るのだ。

リカの心地よい声で……。

数週間前は、「海の思い出」と題してエピソードを募集していた。

そこで周平は、子どもの頃の思い出をハガキに書いて番組に送った。
すると、リカの声が読み上げる。
 

次はラジオネーム『星空の下でさんから』

リカさん、こんばんは。

夏休みの思い出と言えば、自宅から海までダッシュして、シーグラスを拾うのが日課でした。

拾ってきたシーグラスを姉に持って行くと、お駄賃や、おやつのプリンをくれたりと、物々交換をしていたのです。

そして新学期が始まり、貯金箱コンクールの大賞に姉の作品が選ばれたのですが、その貯金箱はシーグラスをふんだんに使って作られたものでした。

姉は楽をして賞を受賞してしまい、もちろん口止め料をくれました。

 

リカはハガキを読み終えると、

「星空の下でさん、まさかお姉さんの夏休みの宿題の材料集めをさせられていたなんて、思ってもみなかったですよねぇ。本当におつかれさまでした。……って、バラしてしまいましたけど、大丈夫? まあ、時効ですよね」

そして、少し間を置いて、

「私もシーグラスのペンダントを持っているんですけど、海の漂流物とは思えないほど綺麗ですよね。星空の下でさん、いつもありがとうございます」



それは、リカと一緒に出かけた花火大会で、最後の花火が消えた余韻の中、周平がプレゼントしたものだった。

リカは、まだ持っていてくれたんだ。

周平は嬉しかった。



「それでは、星空の下でさんのリクエスト曲をお聴き下さい」


この放送終了後、番組から周平の元に一通の手紙が届くのだった……。

おしまい。


こちらの企画に参加させていただきました。⏬

#海まで走った夏休み
#花火が消えたあと
#深夜放送から届いた手紙
#3つのお題に空想のひらめきを

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