【7月29日生まれ限定】心を軽くするお守り絵本『あなたがおとなになったとき』~あなたの誕生日に生まれた物語~
こんにちは。毎日、その日に生まれた絵本を紹介する「誕生絵本ソムリエ」、たけゴリラです。
この記事は、今日7月29日にお誕生日を迎えたあなたへ。
そして、大切な誰かのこの日を、そっと祝ってあげたいと願う、あなたへ届ける一冊のお話です。
子どもの頃に置いてきたはずの絵本を、大人になった今だからこそ、もう一度そっと開いてほしい。
そんな願いを込めて、今日の一冊を選びました。

7月29日、特別な今日を迎えたあなたへ
朝いちばん、蝉の声が窓を叩く。
道の上には陽炎がゆらめき、見上げれば空の奥で、入道雲がむくむくと背を伸ばしていく。
夕方になれば、遠くの空でひとつ、雷が鳴るかもしれません。
一年でいちばん光が濃く、命の匂いが立ちのぼるこの季節に、あなたは生まれました。
真夏の太陽の下に生まれたあなたは、きっと、その場をふっと明るくできる人です。
誰にでも気さくに声をかけられて、輪の真ん中にいなくても、気づけばまわりに人が集まっている。
ひまわりのように、まっすぐで、あたたかい。

でもあなた自身が、いちばんよく知っているはずです。
その明るさの裏側に、誰にも開けさせない小さな箱を、そっと抱えていることを。
にぎやかな時間が終わって、ひとりになった帰り道。
ふいに降りてくるあの静けさが、あなたはきっと、嫌いではないでしょう。
むしろ、その時間にこそ、ほんとうの自分と静かに向き合える気がしている。
明るく、軽やかで、社交的。
それでいて、心の奥には、深く澄んだ思索の湖をたたえている。
そんなあなたにこそ、今日、出会ってほしい絵本があります。
7月29日の誕生絵本: 『あなたがおとなになったとき』

「あなたがおとなになったとき、どんな歌がすきだろう」
「あなたがおとなになったとき、空は同じ青さだろうか」

静かで温かなまなざしの語り手が、目の前の「あなた」へ、そっと問いを重ねていく。
この絵本は、あらすじというより、一篇の詩として始まります。
やがて物語は、「思いがけないものでいっぱいの森」
——つまり人生そのものの中へと、少年と少女を歩ませていきます。
高い壁があり、深い森があり、渡らなければならない海がある。
決して甘い理想郷ばかりではありません。
生きていれば避けられない涙や、誰にも言えない孤独も、この本はまっすぐに見つめます。

「それでも」と、語り手は信じています。
それでも、夜明けの小鳥たちは、また歌いはじめる。
何億の夜をこえて、たった一度だけの「きょう」が始まる。
なぜ、この一冊が7月29日なのか。
それは、絵を描いたはたこうしろうさんが、あの抜けるような夏の青空を描かせたら右に出る者のいない絵描きだからです。
一年でいちばん光の濃いこの日に生まれたあなたの季節と、ページからあふれる夏の空気が、静かに重なります。
大人になった今だからこそ、自分の歩いてきた道と、これからの道の両方が、ふいに愛おしくなる。
そんな絵本です。
【書誌情報】
タイトル:『あなたがおとなになったとき』
文:湯本香樹実(ゆもと かずみ)
絵:はた こうしろう
出版社:講談社
2019年7月29日 初版
「今日ご紹介した、大人にこそ読んでほしい決定版はこちらから詳細をご覧いただけます。」
ページをめくるたび、大人の心に深く染みわたる理由
誕生絵本ソムリエとしてこの絵本を開いたとき、まず胸を打たれたのは、言葉と絵が、別々の物語を奏でているという構造の美しさでした。
この本のもとになったのは、東日本大震災のあと、湯本香樹実さんがチャリティのために一枚のポストカードへ綴った、短い詩だったといいます。
その余白の多い、静かな言葉に対して、はたこうしろうさんは「挿絵」を描きませんでした。
言葉をなぞる代わりに、絵だけで進むもう一つの物語を、そっと立ち上げたのです。
だから、優しい問いかけが並ぶページの奥で、絵の風景はしばしば張りつめています。
人けのない荒涼とした景色、逆巻く海。
それは、生きていく上で避けて通れない傷や痛みの、誠実な暗喩です。
きれいごとを、言わない。
まず、あなたの孤独や不安のとなりに、黙って座ってくれる。
だからこの絵本は、大人のためのお守りとして働くのだと思います。
やがてページをめくるうちに、ひとりだった世界に、もう一人の姿が寄り添います。
二人は高い壁を飛び越え、森を抜け、海のほうへと駆けていく。
その疾走感が、「孤独を超えて、誰かと響き合って生きる」ことの手ざわりを、言葉ではなく体で教えてくれます。
そして、言葉と言葉のすきまに、一羽の青い鳥がいます。
表紙にぽつんと一羽だけ描かれていたその鳥が、やがて夜明けの空へ、今度は群れをなして羽ばたいていく。
そのページに辿り着いたとき、ふと気づかされるのです。
自分もまた、見えない無数のつながりの中で、生かされているのだと。
最後に、制作のエピソードをひとつ。
この絵本の結びの一文は、はじめ原稿になかったそうです。
仕上げの段階で、絵を描き終えたはたさんが「ここに、ことばは入らないのですか」と問いかけ、湯本さんが、絵に導かれるようにしてそっと書き加えた。
言葉になる寸前まで張りつめていた、あの静かな熱が、この一行には宿っています。
この絵本が教えてくれる、自分らしく生きるためのお守り
この絵本は、「立派な大人になりなさい」とは、一度も言いません。
「どんな歌が好きだろう」
「ここが自分の場所だと、心に決めるのはどんなところだろう」
答えを押しつけず、ただ静かに、開かれた問いを重ねていく。
その問いの一つひとつが、「あなたの人生は、あなたのままで、あなた自身が選んで生きていっていい」という、深い信頼のあらわれなのだと思います。
誰にも言えずに、涙をこぼす夜があっても。
子どもの頃のあの瑞々しい感受性を、忘れかけてしまっても。
この絵本は、そんなあなたの心に、そっと居場所をつくってくれます。
明るく振る舞ったその帰り道、ひとり静かに孤独と向き合いたくなったとき。
あの、誰にも開けさせない小さな箱を、そっと開けたくなったとき。
この一冊は、きっと、いちばんそばにいてくれます。
読み終えると、張りつめていた肩の力が、ふっとほどけていく。
「大人になるのも、案外わるくないな」と。
今、自分の立っているこの場所を、心から肯定できるような。
そんな、あたたかい安心感に包まれるはずです。
毎朝、あなたの一日に寄り添う一冊を
私たちの「誕生絵本365」は、365日それぞれの日に、たった一冊の絵本を選んでお届けするプロジェクトです。
その日に生まれた本を。
その日の空の色や、風のあたたかさに、そっと寄り添う一冊を。
今日を懸命に生きる大人のあなたのために、毎朝、心を込めて選んでいます。
忙しい毎日のなかで、ほんの少しだけ立ち止まって、自分自身をいたわる時間を持ってほしい。
そんな願いを、一枚一枚の紙のページに託して、こうして言葉にしています。
今日のこの言葉たちが、がんばるあなたの心に、少しでも届いていたなら。
どうか、お祝いの代わりに、画面の下の「スキ」をそっと押して、教えてください。
あなたのそのタップひとつが、明日もまた、誰かのための物語を選ぶ私にとって、いちばんのプレゼントになります。
お誕生日おめでとうございます。最後にあなたへ
\ 今日ご紹介した誕生絵本はこちら /
「画面越しではなく、ぜひ紙のページを一枚ずつめくりながら、あの夏の空の色を、おうちでゆっくり味わってみてください。大人になった今だからこそ見つかる発見が、きっとあります。自分へのお守りとして、あるいは大切な方への贈り物として、本棚に迎えてみませんか。」
改めて、7月29日生まれのあなたへ。
お誕生日、おめでとうございます。
これから歩いていく道が、たとえ深い森のように見える日があっても。
夜が明ければ、また小鳥たちは歌いはじめます。
あなたのそばには、目には見えない、たくさんのつながりがあります。
この絵本が、あなたのこれからの旅路にそっと寄り添う、お守りのような一冊になりますように。
もし、あなたのまわりに今日が誕生日の大切な人がいたら。
お祝いの言葉の代わりに、この記事をそっと届けてみてください。
それだけで、その人の一日が、少しやわらかくなるかもしれません。
明日からも、毎朝、あなたに寄り添う一冊を選んでいます。
見逃したくないな、と思ってくださったなら、そっとフォローして、また会いに来てくださいね。
今日という日が、あなたの笑顔で満ちた、やさしい一日になりますように。
また、明日の誕生絵本でお会いしましょう。

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