New York Journal #20|Day2-1「2nd Ave / 1st St」
飛行機は到着し、僕らは前旅行(フランス旅行)の帰りのたらい回しのような状況にはならずに無事にパスポートセンターへ行き、黒人の女性職員の入国審査をクリアしてアメリカへ入国することができた。僕らの前に審査を受けていた日本人のいい身なりをしている熟年夫婦の受け答えを少しだけ見本にしながら、何を聞かれているのか探っていたが、あまりわからなかった。ちなみに熟年夫婦の男性の方は少し英語が話せるようで、女性の方はほぼうなずいているだけだった。どちらかが対応すれば、なんとかなるらしい。それくらいのことがやり取りからわかった。僕は不安からエスタ(アメリカ入国申請)を準備していた。なにかあったときエスタを見せれば向こう側(入国審査員)がなんとなく”英語の話せないジャパニーズねぇ…ったっくしょうがねえなぁ、通してやるから一杯お金を置いていけなっ、絶対だぞ!”的に…通してくれまいか…と思ったのだ。僕としてはどんな風に思われようと、通してもらえらば、それでいい。”勝ち負け”ではないけれど、きっと、勝ちみたいなものだから。僕はエスタを提示しようとした…ものの、それは黒人(入国審査員)から「いらない」と言うような感じで一蹴され(首を振るのも面倒だ…くらいの)、面接が始まったのだった。黒人女性はパスポートを見ながらいくつか僕に質問をした。どこから来たか。どこに泊まるのか。僕は「ホテル」と答えた。目的は何か。「観光」と答えた。友達などはアメリカにいるか。何日滞在か。「7日」と答えた。カバンの中にアルコールや食べ物、飲み物は入っているか。僕は「ない」と答えた。現金は入っているかと聞かれ、「入っている」と答えた。いくらかとさらに聞かれ、彼女(アメリカは、団体なら、とりあえず一緒に入国審査を受けることができるスタイルだった。彼女は隣にいて、僕が受け答えをしていた)が「20ドル」と言ったので、僕は「20ドル」と答えた。正確にはもう少し多くのお金を現金で彼女が持っていたけれど、その辺はとっさのことだったので、正確には答えることはできなかった。写真を撮るらしく、黒人女性は僕の方にカメラを向けて「スタンドアップ」などと言ってきて、よくわからなかった…けれど、どうやら、「一歩後ろに下がれ」と言うことらしかった。さらに、右手の指を4本(親指以外)モニターに載せ、認証され、次に親指の認証になった。同じように左手が行われ、入国審査をクリアすることができた。彼女はパスポートを渡し、指紋認証を終え、僕よりも少し簡単に入国審査をすることができた。僕らは入国審査を終え、左の方へ向かったが、後ろから先ほどの黒人の女性職員が次の入国審査の対応をしながらも僕らに「ガイズ!!」と言って、「あなたたちは右に進むのよ!」とアドバイスをしてくれた。僕らは「サンクス」と言って、右に方向転換をしたのだった。
僕らは間違いを指摘され、九死に一生を得た…とまでは全然いかないけれど、黒人審査員のちょっとした優しさやら(義務感からか…自分が対応した人が変なところに迷い込んだら、自分の責任になってしまう…というような)からかはわからないけれど、僕らは”間違えた道”を進むことなく、”正しい道”を進むことができたのだった。僕らはともすれば、何となくあいまいに進んでしまうことがある。ただ、違った道を進んでしまったって、こんなふうに誰かの助けがあるかもしれないし、もしかしたら、ないのかもしれない。けれど、気づいた地点で元の道(
きっと正しい道)に戻ればいい。人生のように。
