【毘沙門天と徳川家康】家康公ゆかりの守り本尊
守り本尊とは、生涯に渡りある人物を守り続けてくれる仏様のことです。生まれ年の干支に因んで選ばれ、守り仏としてその人を守護してくれます。家康公の守り本尊として、三尊(お三方)が知られています。
陣中守り本尊とは
戦国時代の合戦において、軍勢の大将が陣取る本陣に祀られる戦勝祈願の仏様のことです。これは陣中を護持し、戦勝を祈願するためです、お像は厨子や龕(がん)に安置して、戦陣へ携行していました。
家康公の守り本尊のうち黒本尊と白本尊は、阿弥陀如来です。人々を極楽浄土へ導くありがたい仏様ですが、合戦においては味方の軍勢を極楽浄土へ導いて頂いては都合が良くありません。
多聞山天現寺の毘沙門天像について、家康公の側近として徳川幕府初期の幕政に深く関与した、慈眼(じげん)大師(天海和尚/1536-1643)による、次の筆書が残されていたと、『縁起集』(多聞山毘沙門天王之縁起)に記されています。
「東照大権現守御本尊の九字、傍らの板木に筆痕存せり。君、城攻め野戦に臨む毎に、この像を携行せざることなし。」

